キリスト教系の民事訴訟で初
JW、性的虐待の被害者女性に賠償金支払いへ
2015年6月19日 イギリスBBCニュース

長老が会衆内の性犯罪者を放置。女性が被害を被ったとして、
ものみの塔は賠償金275,000ポンド(約5300万円)を
被害者女性に支払うことになった。
http://www.bbc.com/news/uk-33201010?SThisFB&fb_ref=Default


JWに賠償金を命じる判決が出たことを伝える

イギリス ザ・ガーディアン紙
http://www.theguardian.com/uk-news/2015/jun/19/woman-abused-jehovahs-witness-minister-damages






被害者の女性は現在20歳代。

ロウボローの会衆で、当時奉仕の僕たった、ピータースチュアート
に性的に虐待された。

法廷で、裁判官は女性を性犯罪者から保護しなかった組織の
過失を認めた。

1984~1994年まで続いた組織内の性的虐待について
組織が責任を負うことになった。

キリスト教系の民事訴訟で初
キリスト教が関わる性的虐待の民事訴訟がイギリスで起きたのは、
これが初めて。

ものみの塔側は、判決に不服で控訴する方針。

組織内での児童虐待事件に対する組織の対応は、

私が子供のときも今も、何の変わりもありません、と

原告の女性は語った。


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BBC放送 訴訟事件担当 クライブ・コールマン記者の解説です

大きく注目される判決

これは、WTに対して起こされた性的虐待の民事訴訟としてはイギリス史上

初めてです。また、主流派以外の宗教に起こされた民事訴訟としても、

初めてです。

最近の法曹界では、犯罪を犯した被告が組織に雇われていなくても、
組織の過失を認める、という考え方が主流になりつつあります。

被告が、所属する宗教組織と、「雇用形態に似た状態だったか」
が裁判所の判断を下す上で、焦点となります。

また、被告が組織とどのような関係にあったか、という点も
考慮されます。
被告が責任のある立場(特権が有るなど)を利用して犯行に及んだ場合は、

組織も責任を問われます。

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女性Cさん(本名は伏せています)は、4~9歳までのあいだ、
スチュアートに虐待され続けました。
スチュアートはその間、ずっと奉仕の僕として会衆の任にあたっていました。

Cさんを虐待し始めた頃、スチュアートは、会衆内の別の子供も手にかけるように
なっていました。
スチュアートは1990年に奉仕の僕をおろされました。
しかし、彼が「悔い改めている」と語ったため、彼は引き続き
会衆内で奉仕の僕だった時と同様の仕事をまかされました。

Cさんは、スチュアートが特権を削除された後も、引き続き4年間
Cさんを虐待し続けた、と訴えています。

虐待は様々な場所で行われました。王国会館内で虐待されたこともあります。

スチュアートは、Cさんに、「お前は滅ぼされる」「お前は罪を犯した」
と脅し、口止めしたと言います。

スチュアートは1995年に、子供の関係する複数の犯罪で起訴され、
5年服役しました。

スチュアートは2001年に72歳で死亡。Cさんの虐待容疑で逮捕される
直前のことでした。

法廷でCさんは、心身の被害を訴え、進学、就職、人間関係にまで虐待の影響が及んだ、と証言しました。

Cさんは、心的外傷後ストレス障害と診断され、睡眠時にうなされたり、
自殺未遂を企てたりしました。

Cさんはロウボローブラックブルック会衆、ロウボローサウスウッド会衆、
ロウボローライムハースと会衆の管理責任者(長老)それぞれに責任があるとして

訴えました。

判決が出る前、CさんはBBCのインタビューで、

「組織は、虐待を組織内で処理しようとし、決して外部に助けを求めない」


「とにかく神に祈ること。そうすれば神が苦しみをぬぐい去ってくださる」

と組織は教えた。そんなのありえない。

とCさんは語った。


被害者のことを「背教者」だなんて思わないでほしい。

被害者は、悲惨な犯罪で苦しみ、人生が破壊されてしまったのだから。


もはや事件を隠し通すことができない


イギリスの人権保護団体の弁護士ホリシー氏は、

この事件をきっかけに、エホバの証人は児童虐待問題に関して、

崖っぷちに追い込まれた状態だ、と語る。

世間一般のガイドラインの改善策を取り入れて、問題解決に本腰を

いれなければ、WTは窮地に落ちいるだろう。


虐待について知らぬ存ぜぬを決め込んできた、末端のJW信者たちも、

真剣に問題に取り組むようになることを望む。

とのべた。

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「歴史的に意味のある判決」
http://jwsurvey.org/cedars-blog/landmark-victory-sees-jehovahs-witness-sex-abuse-victim-receive-six-figure-sum

JWの問題を検証しているサイト「JW Survey」は、今回の判決は歴史的に大きな意味を持ち、 問題に対して眠りこけてしまった組織の目を覚まさせるものだ、と
論評しました。





ものみの塔側は控訴の意向


ものみの塔弁護士のリチャードクックは判決に不服の意向を示した。
「ものみの塔は、何十年にもわたって、機関誌で児童虐待の危険性が周知
されるように活動してきた。私たちはこれからも同様に活動していくつもりだ」
と述べた。
ものみの塔イギリス支部事務所(下)




Cさんへの賠償金と仮払金455,000ポンド(約8,866万円)

はものみの塔の責任者が支払う。