あらすじ

 

 

為時(岸谷五朗)が淡路守に任命され、惟規(高杉真宙)、いと(信川清順)も大喜び。しかしまひろ(吉高由里子)は、宋の言葉を解する父は越前守の方が適任だと考え…。一方内裏では、花山院(本郷奏多)の牛車に矢を放った一件で、一条天皇(塩野瑛久)が伊周(三浦翔平)と隆家(竜星涼)に厳しい処分を命じた。さらに、定子(高畑充希)は兄弟の不祥事により、内裏を出ることを命じられる。絶望のふちに立った定子は…


 

感想

 

伊周の恋人、光子さま。

花山天皇の寵愛を一身に集めていた弘徽殿の女御忯子の妹で、姉妹の中でもとりわけ美貌をうたわれ、亡き父に特別に愛された姫君でした。

 

 

光子らの父、故太政大臣・藤原為光(兼家の弟)は、「女子は容姿が第一!」という信念の持ち主で、娘の中ではこの光子と忯子をとりわけ大切に養育していたそうです。姉妹間差別……しかもルックス基準って…キツイな( ̄▽ ̄;)

 

まあ、そんな為光パッパの露骨な待遇差のせいで、この邸の姫君の中で美女といえば三女の光子さん、というのは当時の都人の間でも有名だったと思われ、伊周くんが誤解して嫉妬メラメラになってしまうのも無理ないのかも。

 

『栄花物語』によると、伊周兄弟は最初っから相手が花山院だと分かっていて脅すつもりで矢を放ったみたいですね。

ドラマよりもさらにとんでもない(゚Д゚;)

 

 

詮子の呪詛騒動。

 

一瞬、怪しい文(まひろからの文)を隠し持っている道長の身辺を堂々と一斉捜索するための口実に倫子さまが仕組んだのかと思っっちゃったけど、さすがに違った(^^;

 

 

どうやら、伊周らをさらに追い落とすための詮子の自作自演。

ご自分でも仰っていたけれど本当に兼家パッパに似ている。

 

鬼だ蛇だと疎まれた円融天皇のお目は確かだったということか。

 

土御門殿に滞在しているみたいだけれど、あんまり倫子の方に肩入れしてると思われると、本当に呪詛してきかねない人が身近にいますよ、女院さま。

 

 

そういえば明子さまはこのまま、おとなしくなってしまわれるのかなー。

いやでも今後の倫子との子と自分の子の扱いの違いとかを目の当たりにしていたら黙っていない予感。

 

詮子さまがあれこれ口出ししておられましたが、一条天皇はすでにご自分で考え、ご自分の意志で物事を決定することの出来る立派な成人男子にご成長なさっていますよね。

 

 

母上のことは大切に思っているし、定子のことは誰よりも愛している。

でも、情に流されて判断をしない。まさに賢帝です。

 

でも、この英明でいらっしゃる主上がこの先、女院の自作自演に気づかないままだとは思えないのですが…。

 

すべてを知った時、主上は母上のことをどう思われるのでしょうか。

 

そして、てっきり主上の見た夢かと思った定子さまとの逢瀬。

 

 

これはいっそ、主上の定子を想うお心が見せた幻…っていう方が良かったんじゃないのー、と思っていたらこの時期、定子が内裏に上がっていたのは史実みたいですね。

 

道長が手引きをしたとかじゃなくて、恐らく本当に兄弟の助命嘆願のために参内したのではないかと。

 

一度は拒絶した一条天皇が、追いかけずにはいられなかったのは、

 

「下がります。…お健やかに」

と言った時の定子さまが、もうこれが今生の別れだと覚悟を決めていたのが伝わったからだよね。

 

 

一条天皇にとって定子はただの后ではありません。

姉がわりであり、初恋相手であり、そして孤独な帝王としての少年時代を明るく彩ってくれたかけがえのない人でした。

 

あそこで定子が泣いて縋ったのならば、むしろ拒絶出来たのかもしれません。

 

けれど、定子が自分に背中を向けて去っていく、ともに過ごした日々が永久に終わってしまうと思ったら追いかけずにはいられなかった。

 

いやーーーエモい!!(´;ω;`)

 

そして今回、衝撃のラスト。

 

 

定子さまの剃髪!!

 

ドラマでは押し入ってきた検非違使たちの目の前で、ということになっていますが、『栄花物語』には、伊周、隆家らを乗せた車が邸から引き出されるのと同時に鋏をとって自ら髪を切ったと書かれています。

 

ちなみに『栄花』では伊周は、「父道隆の墓所に詣でてから配所に行きたいと思うが、屋敷のまわりを囲まれていて抜け出せない」とは言っていますが、「どこにも行かん!」と駄々をこねたりはしていません。

 

むしろ、母の貴子と中宮定子が両側から伊周の袖に縋りついて離れないので、検非違使たちも、まさか中宮のお体に手をかけて引き離すわけにもいかないので困り果てたと書かれていて、道隆亡きあと、嫡男の伊周を皆が頼りにしているのが分かります。

 

定子の剃髪は、現状に絶望してとか、混乱の最中で衝動的に、とか色々な要因があるでしょうが、自分と愛する兄たちを執拗に貶め、攻撃しようとする「何か」に対する抗議の意味もあったのではないでしょうか。

 

 

まひろがこの場に居合わせたっていう創作面白い。

光源氏の須磨、明石のくだりはこのあたりに構想を得たりしたのでしょうか。

 

それにしても、まひろとききょうのコンビ最高ラブラブ

このまま仲違いせずに、仲良しのままでいて欲しい~。