養鶏場は山の途中にあり、すぐ脇は通学路でした。

ここではヒナからではなく、産卵できる状態のニワトリを仕入れています。
毎日、排泄物の処理をしているので臭いはほとんどしませんでした。

まず、従来のバタリーケージが2棟残っていて、そこから見学しました。

通常の養鶏場は1つのスペースに2羽入れますがここでは1羽です。
A4サイズの仕切りの中でタマゴを産み続ける日本では一般的な方法です。

通常、くちばしは出荷前に2回切って餌を食べやすくしますが、
鳥にとってはかなり痛いことでかわいそうなのと、
ここではいつでも餌が食べられ最後までついばむ必要がないので、
ニワトリの出荷業者に頼んで出荷前の2度目は切らないそうです。

また、通常は採卵率が下がると1週間ほど断食して採卵率をあげるそうですが、
ここではやっていないそうです。

金網の中で一生を終えるニワトリのことを考えると、複雑な気持ちになりました。








次が、EU基準に合致したユーロベントゲージシステムのエンリッチドケージ鶏舎です。
通常の鶏舎の3倍の初期投資がかかるそうです。

バタリーケージとの違いは
止まり木と、マットが敷いてあることで
金網だけではなくニワトリ本来の行動が取りやすくなっているということです。
また、ネストエリアといって産卵しやすいようオレンジ色のカーテンがぶらさがっています。

その他、クーリングパドといって夏場の温度管理のため水を流す設備や
冬場も15度以下にはならない断熱材を入れていました。
また、自然光が差し込む環境となっていました。

平場で自由にのびのびと飼育されるイメージが理想ですが、
現実には全ての鳥がそういう方法で飼育できないとしたら、
ケージ飼育の最低限の環境かな・・・と、そんな風にも思いました。
これすら受け入れない日本の養鶏業はどうなのかと、改めて思いました。