猫木の変な挑戦『いろんな敦賀さんを書いてみよう。』
困惑混沌の朝。から派生する続きのひとつとなっております。


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人間の思考回路と言うものは、窮地に追い込まれた時に現実逃避を図るものなのかもしれない……
あの朝の私が、まさしくそうであったように。




朝、私のベッドで隣にいたのは、羨ましくなるほどに整った顔ですぅすぅと無防備に眠るひと。
ふわさらの黒髪、伏せられた長い睫毛、高い鼻梁に形の良い唇、遮るものなく晒されている鍛えられた身体と滑らかな象牙の肌。
眠っている……だだそれだけなのに、なんと言う恐ろしいまでの蠱惑的な妖しいまでの色香。
じっと見てると疚しいような気さえしてきてしまって、そんなお方からきょときょとと視線を逸す。
男のひとな癖に!正に、目に毒!女の敵!!
あぁ、そうですよね。なんせ、抱かれたい男NO.1な隠れタラしな遊び人です…も……の………………………………って………もしかして………私…………抱かれたい男NO.1に抱かれた女………に、なるんでしょうか?
……………………
な、な……なんて、破廉恥なっ!?
いいいい、いや、あの……まぁ、私なんぞが敦賀様のお相手だなんて、お酒の勢いとか気まぐれとか過ちとかそんな……間違いなんでしょうけどっ!!
わたわたとシーツを掻き集めるようにして薄っぺらい身体に巻き付けながら、ベッドの上に身を起こした。
そして、気付いた。



あれ?
………思ったほど、身体…辛く………ない、よーな?
いや、あの、うん?あちこちに筋肉痛みたいな痛みと喉には疲労、そ…それに、口では言えない部位に感じる違和感はあるけど………
だって………だって、この前、聞いたんですもの。
は、はじめてのあれそれって、鼻に大根入れるみたいな辛さだって!?それに………



え?…………じゃぁ……
もしかして、あの噂…………本当だったの?




芸能界のお姉様方にがっちりと捕まえられ連行されて参加させられちゃった大人女子会。隠れ家的な隔離されたスペースを確保された居酒屋さんにて繰り広げられた、アルコールも入ったお姉様方による大人過ぎる赤裸々……破廉恥トーク。
もちろん、そんな中でも話題に上がる程に人気を誇っていたのは、抱かれたい男NO.1な敦賀さんで……『顔よし、身体よし!ワンナイトでもいいから抱かれてみたぁ~い♡』なお姉様続出でしたとも。
『あの色気だもん。絶対に場数熟したテクニシャンだよねー♡超よくしてくれそー!タフそうだし、悶絶して失神とかしちゃうくらい?』
『あーん、お金積んでもお願いしたい!もう、脱いで跨って腰振れって言われても、敦賀さんにだったら喜んで従っちゃうかも~』
『でもさぁ、敦賀さんってさ………』
そんな大人女子会で飛び出て来てたのが………その噂。





『敦賀蓮、夜のパッケージ詐欺疑惑』






そうやって、現実逃避へと思考を沈ませ切って油断していた私の背後から、すっと伸びてきていた大きな手。
渋谷でのカイン兄さんとのファーストコンタクトを彷彿とさせるような顔面引っ掴みで口もとを覆う手に引かれ、とんっと背中に暖かで鍛え抜かれた敦賀さんの身体を感じる。
寝乱れた黒髪の間から、私を見降ろす黒の含有率の高い切れ長の瞳。
にぃっと蠱惑的な唇の口角を吊り上げるような悪い笑いをしたひとは、ぞわっとするような低い声で言ったの。




「随分と、楽しそうな………噂だね?」





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Demagogie[デマゴギー]→その内容が事実であるかどうかを問わず、世間で言い交わされている話のこと。噂。



さーて、現時点で既にいただいた敦賀さんの奇行ネタから逸れまくってる気がひしひしとしておりますが………
もう1話続く予定にてございまーす。
 


例によってこの続きの一文字もまだ書いてやしないですけど……結構な数を書いてきちゃったこのシリーズに、今までになかったよーな展開になるやも?です。



さーて、噂の内容ってどんなでしょう?
(*ΦωΦ)


↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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