お久しぶりとなってますかしら?猫木です。
もう8月なんすねー。
猫木は飲み歩いたり、15年ぶり再結成なとあるバンドのライブに行ったり遊びまわってたら、風邪をひきました。
ばかだからねー、見事に夏風邪っすよ。
(´Д` )


んで、いつも↓一番下に設置しております拍手ボタン。何故か書き込みが出来ませぬ。猫木だけなのかな?
(^▽^;)
そこに、とあるお方から前に書いた『執着の妖精。』へと
素敵な始まりの予感をいつもありがとうございます!
とのコメントいただきまして………はじまりの予感だけでもいいのなら、わんさとあんぜー!!←良くはないだろう。
と、まぁ、本日のこれもそんな、これからの予感満載な中途半端なブツでありますよ。
それでもよろしくて?←



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今日、キスをした。





心に秘めていた叶わぬ想い。
ずっとそばに居れたらと願っていたけれど……
遠く、海の向こうへと旅立つのだと、知ってしまった。
ギリギリまで迷って身勝手にひとりで泣いて、それでもひと目逢いたくて走って……
告げた想い。
『必ず、帰ってくるからどうか待っていて』
唇に触れてすぐに離れたぬくもりに
涙が出るほどの幸せで
反射的に瞑っていた瞼を開いて……



どうしようもなく、心が…………冷えたの。






***  きすみぃ。 ***






きちんと心の整理を付けるために、ここに来たのに………ぼんやりと唇に触れてしまっているの自分に気が付いた。
何故か、悪戯を見咎められた子どもみたいに慌てて、指を離す。
今日、キスをした。
何度も繰り返し読み込んだ台本にだって、キスシーンだってくっきりはっきり印刷されていた。
だから、今日のあの接触だって……キスだったんだと思う。
そりゃ、ラブミー部員な私だもん。
キスなんて挨拶代わりなどこぞの隠れプレイボーイで経験豊富なお方とは天と地との差があれど………キスだって、はじめてな訳じゃないから……きっと、平気だって思っていたの。
役者としての頂を目指すんだから、恋の演技も、キスシーンも避けて通れるわけなんてない。
大丈夫。地獄の底まで抱え込んで終わる筈の恋心、それを演じる役を言い訳にして少し開放するだけで、役にさえ有れば何でも、何度でも演じきれるって………
『ごちそうさまでした。』
カットの声が掛かると、貴島さんは、そう言ってウインクまでして見せていかにもな遊び人な振る舞いで場を和ませてくださった。
そして、私の頭をくしゃっと撫でながら、私にだけ聞こえるように
『大丈夫、映ってないよ』
小さく小さく、そう囁いた。
私…………役になんて少しも生きれてなかった。 
瞼を開いて見えた微笑み。
それが、あのひとと重ならないことに、心臓が凍り付いたみたいな痛みがしてしまった。恋を叶えた喜びに綻んで、だけど、目前に迫る離別の切なさに涙する役だったのに………
貴島さんがアドリブで抱き寄せてくれたから、他の人に気付かれることなく絵として残らずに、なんとか役を引き戻して憑け演技が続いたけれど
一瞬とはいえ、とてもじゃないけど想いが届いた役なんて微塵もない、ただ素の私の顔を晒してしまった。



だって……唇が触れた瞬間、私の愚かな脳が思い描いたのは、ただひとり。




思い知らされた気がした。
女優として生きるためにも、地獄の底まで抱えるだなんて宣言してみせた筈なのに……
思ったよりもずっと深刻に深く、致命的なまでに侵食され蝕まれてしまっていたのだと。


現に、今だってそうだ。
演技中に役が抜け落ちるだなんて失態、その反省と今後そのような事に陥らないための心構えのために、ひとりになりたくて訪れたラブミー部の部室だった筈なのに………
いつもなら叱りつけてもらう人形も取り出すことさえ出来ないまま、ひとりただ座り込んで、まるでそこに根が生えたみたいに動き出せないままでいた。


自分の願望を、知ってしまった。
どれほど欲深く、罪深いのか。
他の誰かと手を取り歩む幸せを祝えないどころか、私を想い触れて欲しいと望むだなんて………
演じることさえ忘れるだなんて………
忌まわしきあのベインデーに、戯れに頬に触れたあの唇が…………もし、私の唇に触れてくれたなら、そして、それが役の上でなければ……………



ありえないのに。





気が付くとまた、自分の唇に触れてしまっていた。
演技者として生きていくこれから先に、幾度、私の唇に触れるひとがいるかはわからないけれど……きっと、その度に思い描くのはただひとり。
指さきが確かめるように、何かを思いえがくみたいに、唇をなぞる。


「キス…………したいな」


それは、どれほどの幸福であろうか。
ぼそりと、小さく無意識のままに唇からこぼれ落ちていた呟き。
誰にも聞かれることなく消えてしまう筈だった、微かな微かな………私に芽吹いていた願望。



「それは……誰と?」


窓の外も陽の落ち切った部屋の中。
いつからそこにいらしたのか、私が座り込んだ椅子とテーブルを挟んだ対面の椅子へ同じように腰掛けて、思いもよらぬひとが……そこにいた。




「ねぇ、最上さん?誰とキスがしたいの?」


少しだけひやりとした夏の夜がはじまる薄暗い空気の中へ融け込んでしまいそうな、敦賀さんの誤魔化しを許さぬ黒い瞳。
まるで咎めるような、でもどこか僅かに縋るような低い声。
テーブルに置かれていた肘が動いて、キィッとパイプテーブルが軋む音が響く。
絶対に聞かれたくなかったひとを前に、蛇に睨まれたカエルみたいに身動きひとつできないまま




私へと伸ばされるその指さきに、どくりと心臓が震えた。






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あ、終わりですよ。
ただキョーコちゃんに「キスしたい」って言わせたかっただけらしいですよ。
ね?なんとも中途半端でしょ?
アプリの中、こんなのばっかりですよ。どうしましょうね?
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、




↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。

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