前にアプリから発掘して晒しておりました猫木の妄想駄文
の続きを唆し背中を押すお声をいただきましたので、調子に乗りやすい生物な猫木が続き?と言いますか蓮さん視点なものをぽちぽちと。
( ´ ▽ ` )ノ


あ、きすみぃ。と同じくなんとも中途半端な終わりとなっておりますのよ。
よろしくて?



✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄






今日、彼女が………キスをした。





恋に傷つき恋愛を拒絶していた彼女。
そんな彼女が挑む、身に覚えがあるような淡い恋を叶える役……
その相手役が俺でない苛立ち。
でもまだ、どこかで……まだ大丈夫だと、慢心していたのかもしれない。
けれど、鮮やかに花開くような彼女の恋の演技。本当にその全てが演技だとは……俺にはもう思えなかった。


ドラマラストの台本にあったキスシーン。
恋人でもない癖に……自分だって数え切れない程に演じてきた癖に……
どうしようもなく燻る身勝手な独占欲で




彼女に…………会うことさえ怖かった。




***  きすゆぅ。 ***





会うつもりはなかった……いる筈もないのに、立ち寄ってしまったあの娘の為の部室。
薄っすらと開かれていたドア。
覗き込むと照明も付けられてない薄暗い中に、ひとり座っていた彼女。
少し俯いた頭とぼんやりと自分の世界に入り込んでいる。
暗くなるから送るよ、なんて声をかけるつもりだったけど、するりと部屋に侵入してドアを閉じ、彼女の対面の椅子に腰掛けた。
確かめたかったんだ……
毎週の放送で、彼女が鮮やかに色付かせて魅せてゆく、恋物語。
Dark  Moonで俺が行き詰まったみたいに役に詰まったと…………俺のもとにやって来る事も、相談の電話さえないままで……
今日、キスをした彼女。
向かい合って座る俺に気付くことのなく、その指さきが唇をなぞる。愛らしいその唇の上に何かを確かめるように……思い出すように。
誘うように唇に触れては、離される指。
恋に焦がれた色の瞳をして、その唇に、指さきに……誰を、思い描いているの?
誰を思い浮かべているの?君が恋を演じて見つめて今日、キスシーンを演じた貴島?思い出したくもないバレンタインに俺の目の前で君の唇を奪ったあいつ?……グアムで再会した君の妖精?
例え、そのどれであろうと………今の、俺でないのが許せなかった。
ズキリと胸が痛み、燃えるような強い怒りを噛み殺す。



なのに……





「キス…………したいな」



ぼそりと、思わずに囁かれた彼女の願望。




「それは……誰と?」
いつの間にか、暗がりの濃くなっていた部屋の中。
もはや黙っている事なんて出来ずに吐き出された俺の声に、ビクンと跳ねた細い肩。
驚きに見開かれた琥珀色の大きな瞳に……やっと、俺が映っていた。
「ねぇ、最上さん?誰とキスがしたいの?」
猫に見つけられてしまったネズミみたいに硬直した彼女。
キィとテーブルの軋む音で、やっと無意識に彼女へと腕を伸ばしいる自分に気が付いた。



「答えて?誰と、キスがしたいの……それとも、誰でも……俺でも、いいの?」


じったりと、絡みつくみたいなこの国の夏の夜の空気。
微かに震える頬を撫で、顎を捕まえた手のひら。親指のはらが……焦がれた唇を撫でる。
かぁっと、鮮やかに色付く頬に目を奪われた。
弾かれたように椅子から立ちがある君。
そこから、俺ががどう動いたのか……自分でもよくわからなかった。



カシャンと後方で響く金属音が、座っていたパイプ椅子が倒れた事を教える。
気付いた時には部屋の壁際で腕を壁に付いて檻を築き、彼女を閉じ込めていた。



「沈黙は……肯定?」



怯えた様子で俺を見上げる彼女に、そう告げて……震える唇が応えを口にするのを待たずに、その唇にくちづけた。
触れたくて触れたくて焦がれた唇の、その甘さとぬくもりに酔うように俺の欲望のままに、触れ合わせて角度を変えては押し付けて食んで……
そっと離した唇。


「まだ……1度目だ」


鼻先が触れるような、吐息さえ感じ取れる近距離で宣告した、過去に彼女の頭の中から忌まわしき出来事を消し去りたくて俺が騙った勝手な演技者の法則。
まだ……これは、キスじゃない。


「っ……ゆ、許し…」


か細い声が告げる、懇願。
誰よりも何があろうと護りたかった彼女………だけど、身も心も……魂の根源からその総てを奪い取ってしまいたい彼女。



「嫌だ。最上さんにキス、したい……だから俺を拒絶したいなら、噛み切ってでも……逃げて?」



覗き込んで見つめた瞳。
許しを乞うたまま、逃げ出さずに動こうとしないままの君。
赤く染まった頬と涙で潤んだ愛しい瞳。そこに浮かんだ熱と期待、それが俺の身勝手な期待が見せた幻想だとしても
この唇に触れた……例え、それが芝居の上でも、俺以外の男が触れた。その感触を彼女の唇に上書きしたくて消し去ってしまいたくて……もう、止まれない。
ゆっくりと縮めて行くふたりの距離。震えているのに、動き出さない君。
再び、もう一度触れ合った目の眩むような甘さ、その甘さに酔って溺れるみたいに押し付け擦り合わせていると
「んっ…ふぁ…っるがさ…っん…」
息苦しさからか、無防備にも薄っすらと開かれた彼女の唇。その総てを奪ってしまいたくて、深く強く貪っていく。
びくりと震えたけれど、背中に腕を絡めて抱き寄せた目の眩むような幸福なぬくもりは、されるがままに逃げ出さないまま


 


やがて、そっと俺の腕と背中へと伸ばされ、しがみつくようにシャツを握る彼女の指さきに、どくりと大きく……心臓が震えた。





✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄ฺ----✄



ちゅーはしたけれど、こっからすんなりと上手くまとまる気配の薄いふたり。
ァ,、'`( ꒪Д꒪),、'`'`,、←放置するつもり



だって、ほら?これからさらにがんばらないとキョーコさんの中の敦賀さん遊び人疑惑とかに更に拍車がかかりそうなんですもの。
追い詰められた小動物の逃げ足は案外素早いのですよ?がんばれ、蓮さん!!
о(ж>▽<)y ☆



↓拍手のキリ番っぽいのを叩いちゃった方は、なにやらリクエストしていただくと猫木が大喜利的にぽちぽちと何か書くやもしれませぬ。


web拍手 by FC2