拝啓、Rika様 | NexTidEvolution

拝啓、Rika様

はじめまして、nextide代表の須藤です。
この度はご丁寧なメールをいただきありがとうございます。

Rikaさんのアドレスが分かりかねたので、
ブログ誌面をもってご返信させていただく失礼をお許し下さい。

おっしゃる通り、NHK様に放送していただいた
番組の反響は文字通り想像を絶する数で、
我々の活動の方向感が間違っていないのだという
推進力を多くの皆様からいただきました。
制作に携わっていただいた関係者様を含め、
声を寄せていただいた皆様に心から感謝しております。
放送メディアの影響力の大きさを改めて実感いたします。
小市民としては、色々な意味でとても勉強になりました。

メールで頂戴したRikaさんのお考えや
障害児の母としての心のありようは、
私たち家族も同じように想い、感じる事柄でした。

最近も日本では「障害者」の「害」の字の印象が
良くない、、、ということで「ひらがな」にしたり
「見た事も無い漢字」をあてたりしています。
有識者の皆さんは「良い事だ」と信じて
施されているのでしょうが、目に見える印象を
替えることや、差別だとその点にフォーカスさせることが、
むしろ健常者と障害者の違いを際立たせ、弱者感を
再生産していることに気が付かないのでしょう。
ともあれこういった問題も、
コッチたてればアッチたたずだよね、、的な
軽やかさをもって笑うくらいが丁度よいのかもしれませんね。

一方で、例えば視覚障害の方が
音声変換ソフトで文字を読み上げる時に
「障がい者」では「さわりがいしゃ」と訳され、
なにがなんだか分からないことになるというような
「当事者の目線」がどこか置き去りにされて
いるのも事実なのですよね。

そろそろ我々日本人も、戦後の物理的な復興と
所有を追求するという価値基準から、
カタチなき幸福感の充実や共生の必要性というものに、
軸足を移していくべき時ではないかと痛感しています。

かく言う私もサラリーマンだった頃は
肩書きや年収、社会的な外形的印象の善し悪しに
全神経を投入しながら毎日を送っていたのです。

我が家の場合(特に私の場合)次男が障害児として出生したことで、
家族の幸福感は大きく増幅しました。
当たり前であることのありがたさや、
第三者からの親切に対する感謝というものを、
実質はじめて実感したのです。
他者からの同情の目線ほど実際に「ツライ」ものはないのですが、
それに耐えれば良いのは親であって、本人は
現状を是として生きており、生きている限り様々な
思い出をつくるチャンスに巡り会えるのですよね。
無限に広がる可能性を前に、「不幸」だと決めてしまうのは
本人ではなく、周囲であり社会である場合が多いのです。

私は宗教家でも教育者でもないのですが、
「信じる気持ち」こそが、すべてを良い方向に
進ませるチカラなのではないかと信じています。
今では、多くの人との関係性の中で、無形の「思いやる気持ち」の
交換にこそ、生きてゆく上で一番大切なエッセンスの一つなんだと
確信するようになりました。
(と、家族会議で話あったりしています。)

職業人として、日々の経済活動の中で、
自分の時間と身体を使い、受け取るよりも先に
思いやりや感謝、そして無形のメッセージを発信して行きたいですね。
煩悩がなかなかそう簡単には、そうさせてくれないことも多いのですが(笑)。

現状の不条理や先人を批判する前に、これからの
時代の価値観を創ってゆく責任感と覚悟をもって、
私たちにできることから継続してゆきたいと
思っております。

Rikaさんがいつか英国から帰国される時までに、
この日本が、ハンディのある人も無い人も
シゼンに混ざり合うことが当たり前の社会になっている
ように、それを目指して明日も働きます(汗)!

いつの日かお目にかかれる日を楽しみにしております。
またいつでもご連絡くださいませ。
ありがとうございました。

nextideプロジェクト代表 須藤