背中をたたく嘆きの風はどこを彷徨う弱虫か、
水晶はまだ見つからず、途方にさえも暮れてみる、
凪ぎ海、東へ泡立つ青を眺めた、
旅路の果てに眺める先は、
またも終わらぬ新たな風を、
水平から髪をなびかせ、
〝少し疲れた?〟
波は声でつぶやいた、華奢な光と優しさを抱き、
手を降りながら際立つ白を降らせてる、
〝強がるなんてやめにしたんだ、少し疲れた、
でもまだ見果てぬ海が待つのなら、
羽根を休めた鳥がまた、陽を求めてゆくように、
僕もやはりそうするんだ〟
嵐が待つならそれもいい、修羅が待つもスリルにできる、
まだ果ては遠くとも、凪ぎ青なんて不毛に過ぎず、
東の方角、神を起こしに、新たな海がそこに待つなら、
その波に抱かれてみるよ、
それしかないや、そうするよ、
この航海がまた、孤独を際立たせるにせよ、
穏やかなる日々に生きるは早いらしい、
それしかないや、そうするよ、
何を見渡す、すべてが青の世界はそこに、
赤は赤とて淫らなる日々、返り血すらも愛おしい、
生々しくいまこの瞬間を生きてやる、
生々しくもこの瞬間だけを生きてやる、