the sunshine underground / after life
内臓までを吐き出してしまうほどの拒絶反応、心臓は激しく鳴り続け、全身の痙攣は止まなかった、僕はどうにか抑えようと深く深く息を吸い込む、身体じゅうの血液が沸騰しているみたいだった、その熱は右手に集まり、冷えた外皮を溶かしてしまうような気がした。
解放しろ、その言葉が僕を動かした、ガゼルの声に聞こえた気がした、でも、彼はここにはいない。
僕はぼくの意思によって、人を殺したんだ。
解放、それは、僕の影のように付きまとう男を殺害する以外になかっただろうか。突然にその生を閉ざされた男の顔がフラッシュのように何度も浮かぶ。割れたサングラスから覗いた眼は開いたままだった。
あの顔を忘れることはできないだろう、僕は震えの止まらない膝で、どうにか立ち上がった。
もう後戻りはできないんだ。
過ぎた時間はすでに過去として記憶のなかにしか生きられない。影を撃ち殺した僕は、それを背負って、血肉として前を向く以外にない。
耳を済ませる。
波飛沫が、海鳥の羽ばたきが、そしてサイレンが聞こえる。雑然としながら、懐かしくもある。
ガゼル。僕はお前みたいに強くはなれない。いつも君がそばにいた、僕は君といることで自由で何もかもを超越できるような錯覚のなかにいた。
島へ渡る連絡橋、その真下に這うパイプ。それをつたってゆけば、必ず島へたどり着くだろう。
僕はひとりでも立つ力を手にし、君にまた出逢うだろう。
何も与えられずに生まれてきた、わずかに手にしたものは奪い取られた、しかも、僕は僕らの生存さえ嘲笑った人間に飼われてたんだ。
決着をつけなくちゃならないだろう。
僕らの生まれた、故郷のために。
……続劇