きらきらひかる、宝石でもガラスでも、
夜に見ればそう差はないって、押し潰したダイヤモンド、
跳ね飛ばされたハリネズミ、人工繊維のシルクシャツ、
カラスは闇に牙を研ぐ、
コールタールを流し込む、コンビナートの上を旋回、
掻き回したら空が血を吐く、足音もなく鳴き声もなく、
ちらつく影はヒトにも見える、
安住を得た俗物たちは、金のにおいに鼻が利く、
飢えたふりが得意なだけの、旅を忘れて海を嫌った、
カラスたちがまた呼んでいて、せせら笑いは聞こえないふり、
きらきらひかる、宝石でもガラスでも、
闇に映せば違いはないって、捻り潰したダイヤは破片、
蹴り上げられた朝の始まり、泥だらけはもういない、
ガラスに夜がまた映る、
音の速さで走れるのなら、邪気も無邪気もないだろう、
瞬間だけに生きるなら、感情ひとつもいらないだろう、
photograph,text,illustration by Billy.