渇いた喉と土埃、花さえ泣けない貧民街、
阿呆を演じる彼はいま、指笛だけで鳥を呼ぶ、
昨日は何も食べなかった、汚れた残りが胃を巡る、
いっそ吐けば楽だろうに、一滴さえも無駄にはせぬと、
笑い声を聞きたい男、命さえも冗談にして、
削りに削りて束の間を、集う者には餓鬼ぶる幼稚を演じてられる、
それを見る、君は彼を笑ってやりな、
それを見る、君は笑う以外に術をもたない、
この世のなにに価値を問う? 溢れ返る笑えない冗談と、
罪を認めぬ自堕落と、まぜ返して名を売る者と、
正論らしきを吐き出して、ヒトを思わぬ紛いばかりが闊歩する、
夕凪をあきらめて、朝を眺める刻を眠って、
太陽と睨み合う、いっそ焼いてくれれば良かろうに、
空を眺めていたところ、なにも変わりゃしねぇって、
薄く爛れた乳白色の野蛮な月に、
吐き出すべきが燻る体、血が赤くなければ良かった、
生も死でさえ笑い飛ばせる悪になれれば、
食べられるのを待つイヌとネコ、
渇きと飢えに苦しむのもいまのうちだけ、
それを見る、君は笑い声さえ忘れたふりを、
それを見る、僕はまぶたが開かないふりを、
瞬きながら過ぎる凪、荒れ狂う刻もいる、
なぜならヒトはケモノだろうよ、
それを忘れたケモノだろうよ、
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