今日はいのち煌めいて【第8章】の更新を
させて頂いておりますv(^-^)v
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手術の翌朝、
私は下腹部を突き上げるような激しい痛みで、
目を覚ました。

その上、痛みは下腹部だけでなく
なぜか喉にもヒリヒリと焼けるような痛みが走る。

呼吸の管が手術中に入っていたのだと言う。

腕には太い点滴、
お腹には汚い体液を吸い出すドレインという
管が左右に埋め込まれ、

下腹部には尿を排出するための管。

そんな状態のまま、うつらうつらしたかなと
思うと激しく鋭い痛みと
お腹に鉛を詰め込まれたような
重い、何とも言えない痛みとが同時に襲ってくる。

身動きも取れず、ベットで上を向いたまま
唸っていたのでした。

夕方になり先生が回診に来てくださった。

「手術は成功したから安心しなさいね。
今は痛みがきついでしょうけれど、
それは生きている証拠。
もし痛くなかったらそれこそ問題だよ。
とにかく、早く自分で身体を動かすことが
一番大事なんだよ。
そうすれば腸が活性化するから、
ドレインを早く抜いて
ガスが出るようにならないとね。」と、
優しいお声がけをしてくださったのだけど、
次の瞬間、
先生はいきなり私の身体の下に手を差し入れ、
仰向けからゴロンと横向きにした。
「うっ!」と  
言ったままで 全身に痛みが走り、
悲鳴をあげて訴えた。

「先生!私一人では元の姿勢に戻れません!」

先生は何事も無いように
「とにかく動きなさい。自分で戻りなさいね。」と、去っていったのでした。

しばらくはあまりにも突然の事に、
痛みも半端でなかったために、
身動きが取れずにいたのでしたが、
負けず嫌いの性格に火がついたのです。

「くそっ!」と、
辛うじて届いたベットの手すりに手をかけ
全身の力を振り絞り、
少しずつゆっくりと身体をずらしていった。

わずか1センチ、身体を動かす事が
こんなにも痛く、大変な事だと
感じたのは初めてのことだった。

うめきながら涙と汗を流し、
何とか元の姿勢に戻していった。

私の性格を見抜いた
先生の優しさだったのでしたが、
その時は
「オニ!」
と思いました(笑)


いのち煌めいて【第8章】手術④に続きます……

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