久司先生の講演会 | Chienoki通信

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Boys be, ambitious!クラーク博士で有名な札幌・羊ヶ丘展望台の近くにある「オーガニック・カフェ・知恵の木」です。ディレクターのnoahnoahと店長のrottaが暮らしに良いこと、カフェのイベント情報など日記に添えてお送りします。

先週の日曜日、札幌で久司道夫先生の講演会が行われました。

知恵の木のお客様、料理教室の生徒さんたち、普段からマクロを通じて交流させて頂いている方々。当日は、本当にたくさんの方々にご参加頂き、とてもうれしく感じました。この場をおかりして御礼申し上げます。皆様、どうもありがとうございました。


先生のお話は、初めてマクロビオティックを知る方たちも想定してか、初心者向けの内容が中心でしたが、北海道という土地に生きることの意味や役割、調和のとれた食物を選ぶことが人類の進化にとってとても大切であることなど、重要なメッセージを沢山伝えて下さりためになりました。

先生のお話を伺うのは10年以上ぶりでしょうか。85歳というご高齢にもかかわらず、以前同様にユーモアと慈愛に満ちた語りと手振りで元気にお話されるお姿を拝見し、うれしく思いながらふと昔を思い出しました。

私は過去に、独身時代と結婚してからの2度、先生がボストン市内に所有されていたお屋敷(通称・久司ハウス)に居候しながらマクロを学んでいた時期があります。

連日連夜のごとく、病に悩む人々のために、健康指導や執筆と、身を粉にして働かれていた先生のお姿が今も思い出されます。時々、お休みになられる前に整体治療をさせて頂くことがあったのですが、たいていは午前2時をまわっていました。先生は一体いつお休みになられるのだろうと何度思ったことでしょう。けれど、先生は治療の後、原稿執筆のため、再び机に向かわれるのです。

また、病人さんの中には良くなる方もいれば、なかなか改善が見られない方もいて、時に理不尽な不満を先生にぶつける人もいます。けれど、先生は終始笑顔を絶やさず、辛抱強く病人さんの訴えを聴き、良くなる道を共に見つけようと励まされます。私ならここで怒るのにと何度思ったことでしょう。けれど、先生は一度だって怒った顔は見せませんでした。

世界中から沢山の若者たちを受け入れ、マクロを学ぶ機会を与えて下さった先生。私もそうした若者の一人でした。食べ盛りの若者が十数人は滞在している久司ハウス。あっという間に食材が底をつきます。ハウスの家計は大丈夫なのだろうかと何度思ったことでしょう。けれど、先生は私がごはんをおかわりしても、嫌な顔ひとつせず「よく噛むんですよ」とおっしゃって、次の日、食糧倉庫には新鮮な食材がたっぷりと補充されていました。

私は、その時、久司先生は宇宙人だと思いました。
いいえ、今でも宇宙人に違いないと思っています。

先生に出会って、まじめに玄米を食べ始めてからというもの、不思議なことがやたらと起こりました。会いたい人と出会えたり、必要なものがベストなタイミングで手に入るのです。

ハウスにいた時も、日本にいる友人のことをふと思い浮かべると、ベルが鳴ってその友人から電話がかかってきたり、ある人のことを思っていたら、チャイムが鳴ってその人から小包が届いたりということ、いわゆるシンクロニシティー、が頻発したのです。

ある日、私は久司先生にそのことについてお話し、玄米を食べることとシンクロが起こることは何か関係があるのかを尋ねました。すると、先生はこう答えました。

「宮本君、稲穂はね。天のエネルギーと大地のエネルギーを受けて育ち、空中へと放たれた稲穂はね、宇宙のアンテナなんだ。その稲穂の中に実るのが玄米。その玄米を主食として、よく噛んで感謝して頂くことで、私たちの中にも宇宙のアンテナを取り込むことができるんだよ。そうすれば、自分にとって必要な人、必要なモノ、必要な時、すべて必要であればちゃんとキャッチできるようになるんだよ」

先生の教えて下さったことは間違いじゃなかった。この言葉は、深く私の胸に残り、そして、シンクロは今も続いています。

マクロビオティックは、たんなるファッションや流行ではない、ということを教えて下さったのも先生でした。アメリカやヨーロッパのカンファレンスに参加する機会があったのですが、そこで私は多くの人々と出会いました。

末期ガンをマクロに出会って克服し、人生に新たな意味を見つけた医師、病気ではないけれど、自分の創作する作品の質を高めるためにマクロを取り入れている芸術家、世界平和を実現するために日常食をマクロにきりかえた環境活動家・・・実に様々な人が、様々な理由で集まっていました。

彼らの多くが、久司先生と出会い、マクロを教わって、自分の人生が大きく転換したといいます。その喜びと感謝の気持ちを涙ながらに語る人がいたり、私が先生と同じ日本人であるというだけで握手を求めてくる人々にどれだけ出会ったことでしょう。

マクロビオティックが単なる食事法ではなく、人類の進化や宇宙の調和につながる鍵となることをしっかりと理解している方が多いのに驚いたと同時に、久司先生が今まで海の向こうで行われてきた活動の意味と大きさに胸が熱くなりました。

生と死、繁栄と衰退、この世のあらゆるものは移ろい、いつかはその形を失います。この有限の世界において、永遠=無限を見つけるのが人が生きることの意味なのだと教えて下さったのも先生です。

そんなことを思い出しながら、先日の講演を聴かせて頂きました。



先生は宇宙人。
いつか、もと来た銀河にもどられます。

でも、その前に札幌に来て頂けてうれしかった。
ご縁のある皆様に先生のお話を聴いて頂けてうれしかったです。

いくつかのエピソードと共に
感謝の気持ちをお伝えしたくて
日記にしたためました。

皆様、本当にありがとうございました。

noahnoah



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