水虫をよく知ろう！の会
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さて、さて。
水虫って、足だけにできる病気ではないってことは前回お話いたしました。
では、どこにできるのかと言いますと・・・
全身、どこにでも。
水虫菌は、角質を棲家としていますので、皮膚がある場所にならどこにでもできます。
頭皮にできた場合は 「しらくも」、
体にできた場合は 「たむし」、
お股にできた場合は 「いんきんたむし」、
爪にできた場合は 「爪白癬」（爪水虫）、
そして、足にできた場合を 「水虫」、
と、呼びます。
できる部位によって呼び方が違うだけで、同じ病気なんですょ。
さて。
水虫菌の正体は、皮膚糸状菌（ひふじじょうきん）、白癬菌(はくせんきん)という、
真菌による感染症です。
ようは、 カビ
ですので、高温多湿が好きです。
栄養源は皮膚のケラチンというタンパク質なので、奴らの棲家は角質という訳なんですよ
一般的に、真菌による感染症が、足に多い＝水虫が多いのには、
上記の特性から、２つの理由があります。
高温多湿が好きなので、常に靴の中で熱がこもり、汗によって湿っている足を好む。
体の皮膚の角質は1ﾐﾘにも満たないのに対し、足裏は数ﾐﾘもあるので付着し易い。
では、こいつらにとって足が絶好の棲家だという事をお解かり頂いたところで、
水虫にも色んなパターンがある、という事をご説明します
指の間がグチュグチュして、真皮の部分が見え、周りは白くふやけているタイプ
説明不要の、よくＣＭなんかでも見かける「ＴＨＥ・水虫！」な見かけで、症状がひどくなると
周りも若干腫れて赤くなってきて、ふやけ具合が増し水っぽいグチュグチュ水虫。
1～2ﾐﾘ位の小さな水泡ができて猛烈なかゆみを伴い、その後、薄皮がむけていくタイプ
意外と水虫だと思われず、かゆいので何かにかぶれたと思ってムヒなどのかゆみ止めを塗ったり、
炎症だと思って消毒したりしても、まったく良くならない(←当たり前です。)。
(※ちなみに、この水泡を潰してしまっても水泡の汁には水虫菌はいないので、
周辺の皮膚に水泡の汁がついたり手で触ったからといって感染はしないので大丈夫です。)
足裏がガサガサして角質が厚くなっていき、全くかゆみを伴わないタイプ
そして、角質が厚いのは「ただ乾燥してるだけ」とか「ヒールの高い靴をはいているから仕方ない」と思い、
かゆみもないので、感染していることにまったく気付かない人が多いので要注意。
(※さすがに写真ほど酷くなれば気付きますが、症状が軽いと本当に気付かないです。)
さて、では水虫に大きく分けて３パターンのタイプがあるとご紹介したところで、
こいつらの栄養素であり棲家である「角質層」と「ケラチン」について、もう少し詳しくお話をします。
よく「角質」 という言葉は、スキンケアでもフットケアでも聞く単語ですし、
見た目的にどういうものかということかは皆さんもよくご存知と思いますが、何なのでしょう？
皮膚は大きく分けると３つの層からできています。
表皮、真皮、皮下組織から出来ていて、死ぬまで細胞は分裂を繰り返し新しくなっていきます。
表皮の一番下で作られた細胞が、新しい細胞ができる過程でどんどん押し上げられていき、
角質細胞というものになります。
ようは、これは死んだ細胞で、これがケラチンと呼ばれるタンパク質なのです。
この角質細胞がくっつきあって、外からの進入を防ぐ役割や外からの衝撃から皮膚を守る役割を
しているのが、水虫菌の棲家、角質層なのです。
そして、角質は古くなるとアカとして剥がれ落ちていきます。
このサイクルの事を、スキンケアでよく聞く「ターンオーバー」と言い、28日周期で全て生まれ変わるのです。
では、ここで主役の水虫菌のお話しをします。
水虫は、真菌が皮膚に付着したからといって、すぐに感染するわけではありません。
水に流されやすいという性質があるので、水で流したりタオルで拭くだけでも取れるのです。
では、どうして感染するのかというと・・・
付着した状態が一定の時間以上、真菌の好む状態(高温多湿)にあった場合に感染すると言われています。
感染すると、角質層の奥深くに住み着きます。
そして、こいつらは、どこにでもいます！
公共のプール、温泉など大勢の人が裸足でいるような場所を避ければ大丈夫なんてウソです！
森の土の中にもいます！いない所なんて、ないに等しいです！
では、本題の、『水虫予防には、どうしたら？？？』
当たり前ですが、まず、 
清潔＆乾燥 です。
でも、ここに落とし穴があります。
水虫になるのを恐れて、「清潔に！清潔に！」 と、
念入りに、指の間までボディタワシでごしごしやってるそこの乙女たち！！
あなた・・・ それ、危ないですよ・・・？！
先程、角質層とケラチンのところでお話したように、
角質細胞はひっつきあって進入を防ぐ役割があります。
皮膚の厚い足とはいえ、足の指の間の皮膚は柔らかくて傷つきやすいです。
必要以上にボディタワシでごしごしやってしまうと、痛くはないけど角質層に傷ができます。
そうすると、水虫菌たちが入り込みやすくなってしまい、
「私・・・私・・・、清潔にしてたのに、気をつけてたのに、水虫になっちゃった・・・
」
と、なってしまいます。
正しい足の洗い方は、
石鹸の泡で優しく手で洗いましょう
両手で足を包み込むようにして、足の指を開くようにして、手の指でしっかり指の間を洗いましょう
足の指を開いてあげることで、血行がよくなり、
1日の疲れをとってあげたりムクミをとってあげたりすることもできます
ついでに、その泡ですべりやすくなっているので、ふくらはぎも足先からマッサージしてあげても
そして、次に・・・
部屋の掃除をしましょう
水虫菌は、結構しつこく生きています。
どこかで連れて帰ってきてしまった水虫菌を部屋の中に落としてしまったら、
奴らは部屋に落ちている髪の毛や剥けて落ちた皮膚(ケラチン)に付着して生き延びています。
また、家族に水虫の人がいて、その人の感染した角質が剥がれ落ちたものも感染源です。
そうしたゴミの中でだいたい２～3日は生きると言われています。
せっかく綺麗に足を洗っても、
家族に水虫の人がいるからとバスマットやスリッパを別々に使っても、
家の中に落ちている水虫菌を付着させてしまっては意味がありません。
もし、その状態で靴下や靴をはいたりすれば、やつらの好む「高温多湿」を作り、
靴下を履いて寝たり、そのまま出かけたりすれば、付着した状態が長時間続き感染の可能性大です。
そして、アレルギーでもないのに急に一部分だけ手荒れが始まった方・・・、
それ、要注意！！
一番初めに、体中のどこにでも水虫菌は感染すると言いました。
手に水虫ができている方の半数は、足も感染しているそうです。
自分の足に感染した菌が手にも付着してしまい、運悪く角質層に進入されたケースが多いそうです。
手の水虫に多いのは、タイプとタイプです。
タイプ
大概の方が「まさか手に水虫なんてできない」と思っているので、
何かにかぶれたとか何かのアレルギー反応だと思い、
かゆみも、足に比べると弱い(足ほど高温多湿にならないので活動が弱い)ので、
余り気にしなかったり、市販のかゆみ止めや虫刺され薬を塗ったり(←でもかゆみは収まらない)、
「下手に触って悪化させてはならん」と逆に放ったらかしたりしがちです。
タイプ
ただの手荒れだと思い、手のひらがなんとなく硬くなったのは乾燥がひどいからだとか、
ご年配の方だと年のせいだから仕方ないなどと思い込み、
ただただハンドクリームを塗ってごまかしたりしがちです。(写真は手全体で、重い症状です)
もちろん、手が先に感染して、その後に足に感染することもあります。
何度もご説明の通り、やつらの棲家は角質層です。
ペンダコで角質が厚くなっている指にできている方が多いです。
また、「爪水虫」 「爪白癬」 と呼ばれる爪に感染するケースもあります
爪と、爪の下の皮膚の間にポロポロと皮膚のカスのようなものができ、
次第と爪が押し上げられ剥れてきます。
白っぽかったり、黄色や薄い茶色だったります。
全体的に厚みを増し、乾燥して爪もポロポロと剥れ落ちたり欠けたりします。
症状によっては巨爪症（オニキクシス）や爪縦裂症(オニコレクシス)のようにも見えたりします。
軽い症状だと、ただ剥離しただけのようにも見えます。(↓)
また、この写真のように爪全体ではなく、
端っこだけとか真ん中だけとかの一部分だけに症状が出ることもあります。
まったくかゆみなどはないですが、とにかく見た目はバツグンに悪いし、勿論ペディキュア不可です！
私の経験＆知識ですと、爪白癬は足の爪にしか感染しているのは見たことはないです。
が、足の爪は伸びるのがとても遅いので根元から感染している場合、
感染して変色・剥離した部分が完全に生え変わるまで1年ほどかかります！！
また、グリーンネイルと呼ばれる、爪が緑色になってしまうパターン。
これは上記の「爪水虫」とは違います。
【訂正】
この記事を書きました2010年当時、私はグリーンネイルの原因は真菌(カビ)であると思っていました。
本当の真実と対策を知りたい方はこちらをご覧下さい
残念ながら既に水虫に感染してしまった方や、
あやしいと思う方は必ず病院へ！
水虫に似た症状の他の皮膚疾患も沢山あります。
「水虫になりました」とやってくる患者さんの1/3が実は違う疾患だそうです。
病院で検査をすれば水虫がどうかはすぐにその場で解ります。
市販の薬では治らないと言われることが多いです。
それに、自己判断で、もし違う皮膚疾患だった場合に、水虫薬を塗っても意味がないどころか
悪化させてしまうこともあります。
角質のお話しのところで「ターンオーバー」の説明をしました。
きちんとした治療をすれば原理的には約1ヶ月で皮膚は生まれ変わるのですが、足裏の角質は厚いので3カ月位を目処に治療を続ければ、
水虫に犯された角質層も剥がれ落ちるというわけです。
水虫薬は症状が治まっても、しばらくは、少なくとも1ヶ月～3カ月以上は塗り続けましょう。
水虫菌は、カビ です。
お風呂のカビの根っこが深くてなかなかキレイにならないのと同じで、
やつらはしつこく角質層の奥深くに根っこを張っています。
梅雨から夏にかけてはやつらが活発になり、症状が出ますが、
冬になって寒くて乾燥すると、感染していても症状が出ないことがあります。
夏のうちに症状が出て、薬で治まったからと完治させないでいると、結局次の夏に再発します！
そして、お薬は症状の出ていないところにも塗りましょう。
症状が出てないだけで、すでに角質層はかびるんるんに犯されていることもあるようです。
塗るタイミングは、お風呂上りの皮膚が柔らかくなっているときです！
少なくともネイルサロンで、
「ここの所、もしかしたら何かの皮膚疾患かもしれないので病院に行ってください。」 と
告げられたら、必ず病院にいくようにしてください。
ネイリストは年間にすれば何千人という手足、何万本という指・爪を見ています。
「ただの手荒れや乾燥ではないような気がするな・・・」という判断から告げているので、
何でもなかった場合はそれに越したことはないですが、
たかが皮膚疾患、されど皮膚疾患です。
ネイリストは医者ではないので、どの病気かという判断や治療に関与することはできませんが、
お客様に美しく健康であってほしい、
また、感染症の病気である場合は他のお客さまにも迷惑のかからないように、
少しでもお手伝いやアドバイスできることはしたいと思っています。
「自分で出来るフットケア
とペディキュア
」 をレクチャーします
お楽しみに
ネイルデザインは 
