役者として、日々やらなきゃいけないことはたくさんある。
筋トレや発声、声出しはもちろんのこと、それ以外にも数多く存在する。
その代表格が「観察」だろう。
表現の基本は模写から始まる。
あぁ~~。悲しそうな微笑みってこういう感じなんだ~。
とか
顔は怒ってないのに、でも怒ってる!
とか。
この観察が基本になって、それをくり返し模写してみる。
その連続が、表現というものに変わっていく。
空想の中では生み出すことが出来ないリアルな表現。
そのリアルな表現から生まれるリアリティ溢れる演技。
そしてその演技から見える真実の感情。
この集合体が「演劇」になっていく。
これがなければ、お客さんを魅了することなんて出来ないし、
どんな小技も真実にはかなわない。
よく役者さんから質問を受ける発声練習や滑舌についてのこと。
確かに重要な要素ではあるんだけど、声や言葉は、あくまでそれを伝えるための手段や道具であって、
実際は声や言葉はストーリーの道具でしかない。
声が聞こえなかったり滑舌が悪いと何を言っているかわからないので、話がよくわからなくなる。
これだけ。
これだけ。
とても重要なんだけど、でもこれだけ。
ストーリーがわからないと演劇として成立しないけど、でもこれだけ。
だから、演劇声優塾では
声は出すものじゃなく届かせるもの!
言葉はしゃべるものじゃなく伝えるもの!
というように教えてきた。
その小技へのこだわりや練習も必要だけど、もっと大事な表現という要素。
そしてこの表現の元となる観察。
みんなは果たしてしているだろうか…?
ってなかんじで、今日はこのへんで!