台本を渡されてからする作業は、まず読み込みからおこなわれる。

じゃあ、なにを読み込んでいくのか?

それは、そこにあるテーマだ。


物語は、基本的に主人公を軸として、ストーリーが展開される。

そして、その主人公になんらかの影響を与える配役がされる。

その配役それぞれにも、やはりそれぞれに与えられたテーマがある。

小さなテーマが重なりあい、最終的にそれが大きなテーマと結びつく。

まずそれを読み込まなくてはならない。


テーマを導きだすためには、その役の個性や性格、これまでの人生を理解するところから始める。

ここを理解しないで、セリフなんて発することは出来ないし、それで発した言葉は嘘の言葉だ。

だって、そう思ってないで発しているわけでしょ?

言葉の意味がわからないで発しているわけでしょ?

思ってもないのに「大好き」って言われても、心は動きません。
本当に好きって思う言葉だからこそ、その言葉が伝わるのです。

それ以外にも、その時代背景、状況や情景を理解しなくちゃいけない。

だって、そこに住む人たちだからこそ、そのストーリーが出来たんです。

環境や状況は、人を作り上げる基になります。
その基を見ずに、人は見れません。


ストーリーを構成した後に読み込まなくてはならないのが、出てくる「物」たちです。

知ってます?
登場する物にも意味があったりするんです。
ってか、意味のない物ってないです。

人物を象徴する物
時代を象徴する物
状況を象徴する物
テーマを象徴する物

すべてはこれらに含まれてきます。

作品に出てくるすべてに無駄なものはないです。


こういった作業をしていくと、台本は哲学書みたいになってきます。
細かな注意書みたいなもので埋め尽くされていきます。

でも、これが当たり前なんですよ?

これってどういう意味だと思う?
って突っ込まれたら、その場で考えて答えるんじゃなくて、あらかじめ自分の中で分かっていないとダメです。


役者のみなさん
まずは台本を哲学書にしてみてください。
自分はチョイ役だから…なんて逃げないで、すべてを理解してください。



すべてに意味がある。
それを理解したとき、そのとき台本という仮想現実から、
人の心に変わります。



ってなかんじで、今日はこのへんで!