『茶聖』に続き、安土桃山時代。

これまた587ページの大作だけど、めくる手が止まらない。

最期、本能寺で死を悟った信長の悟りー

敵は光秀であっても、光秀ではない。
その背後の遠くに佇む相手は、もっと大きなもの
おそらくは天道などと昔から呼ばれているものだ。

天道がおれを滅ぼすのなら、それはそれでよい。

ただ、白昼の光の下におれの骨を晒すことだけは、意地でもさせぬ。誰にもさせぬ。絶対に、許さぬ。

おれ一人だけは、死んでも神仏にひれ伏すことはない。


…深い。

人間といえども、所詮は流転する万物のひとつ。

人が生きていく上で、最もやりきれなく、そして始末に負えないことは、その生が、本来は無意味なものだということに、皆どこかで気づいていることだ。

物心がついた頃から既に気づき始めており、さらに大人になって、その影をはっきりと意識するようになる。


自然淘汰、みたいなこと。
人のいのちだってあっさり失われて。
大災害とか、コロナとか、いろいろ考えさせられるね。

そこからの、いかに生きるかということ。