大野裕之 2015年の全仕事 | 人間の大野裕之

人間の大野裕之

映画『ミュジコフィリア』『葬式の名人』『太秦ライムライト』脚本・プロデューサー
『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』岩波書店 サントリー学芸賞受賞
日本チャップリン協会会長/劇団とっても便利

2015年のしめくくりに今年の大野裕之の全仕事
(昨年のはこちら

1月13日 日本映画大学で特別講演。
1月27日 前原誠司代議士新年会で『太秦ライムライト』についてスピーチ。
2月1日 京都保事協会で講演「チャップリンの笑いについて」
3月1日 おおさかシネマフェスティバルで『太秦ライムライト』特別賞受賞。授賞式に出席。
3月 東宝の音楽劇『ライムライト』特設ページに「チャップリンと『ライムライト』について」執筆。
4月2日 NHK大阪文化センターで講演
4月4日 「キネマ旬報」4月下旬号に、エッセイ「「『ライムライト』は "喜劇王"チャップリンの業である」執筆。
5月 映画『チャップリンからの贈りもの』プレス用パンフレット執筆
5月7日 NHK大阪文化センターで講演
5月15日 池袋の新文芸坐で『太秦ライムライト』上映記念舞台挨拶。
6月4日 NHK大阪文化センターで講演
6月3日 舞台『ライムライト』稽古初日
6月8日 『太秦ライムライト』が、ドイツのニッポンコネクションで、最優秀作品賞「ニッポンシネマアワード」受賞。
6月21日 テレビ朝日「サンデースクランブル」のチャップリンと日本特集に、ユージーン・チャップリンらとともに出演。
6月25日 著書『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店)出版
7月 「キネマ旬報」7月上旬号に、評論「『ソドムの市』デジタルリマスターされた甘美な残酷さ」執筆。
7月2~5日 パリのジャパンエキスポにて、1万人収容のメインステージ(ICHIGO STAGE)、800人収容の文化ステージ(SAKURA STAGE)、京都市ステージなどで、太秦ライムライト/劇団とっても便利のパフォーマンス8公演。劇団にとって初の海外公演となる。
7月5日 パリのジャパンエキスポの4000人の劇場YUZU STAGEにて、『太秦ライムライト』フランス・プレミア上映。チャップリン孫のチャーリー・シストヴァリスさん、劇団とっても便利メンバーらとともに舞台挨拶。
7月5日~8月1日 音楽劇『ライムライト』公演初日(東京・シアタークリエ、石丸幹二主演・荻田浩一演出・大野裕之上演台本)その後、大阪・シアタードラマシティなど全国公演。
7月18日 映画『チャップリンからの贈りもの』公開。劇場パンフレットを執筆。
7月19日 テレビ東京「1番じゃなくっていいじゃない2」に出演。高野虎市について語る。
7月21日 恵比寿ガーデンシネマにて、石丸幹二さんと、映画『チャップリンからの贈りもの』公開記念舞台挨拶。
8月2日 上越市の高田世界館で『太秦ライムライト』上映に際して舞台挨拶。
8月26日 『チャップリンとヒトラー』増刷
9月5日 劇団とっても便利メンバーほぼ総出演した映画『あのひと』(山本一郎監督)が、京都みなみ会館で先行公開。団員らで舞台挨拶。ちなみに、株式会社とっても便利にとって、初の配給作品となる。
 「第一回うずまさ映画祭」初日シンポジウムに、二之湯真士さん、榎望さん、山本一郎さんらと登壇。
9月6日 『あのひと』舞台挨拶@京都みなみ会館
9月12日 『あのひと』舞台挨拶@京都みなみ会館
9月13日 『あのひと』舞台挨拶@京都みなみ会館
9月22日 小田原城で行なわれた小田原映画祭の『太秦ライムライト』特別上映に際して、福本清三さん、合田雅吏さん、阿藤快さんらとともに、舞台挨拶。
9月27日 NHKラジオ第一放送「著者に聞きたい本のツボ」出演。
9月28日 『太秦ライムライト』アメリカのアーカンソーで初上映。ビデオで舞台挨拶を行なう。
10月 『チャップリンとヒトラー』三刷。
10月 キネマ旬報10月下旬号に、ドキュメンタリー映画『チャーリー・チャップリン ライフ・アンド・アート』について、エッセイ「いま、君はみんなの中心にいる」を執筆。
10月19日 映画『あのひと』、外国特派員協会で特別上映。山本一郎監督、榎望プロデューサーとともに記者会見。
11月11日 著書『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』で、第37回サントリー学芸賞(文学・芸術部門)受賞。
11月12日 『チャップリンとヒトラー』4刷。
11月13日 「週刊ポスト」の記事「「『新・映像の世紀』は前作を超えられるか」」にコメント掲載。
11月13日 出演した映画『あのひと』が、第22回ミンスク国際映画祭で特別賞受賞。
12月14日 第37回サントリー学芸贈呈式(@東京・ホテルニューオータニ)
12月16日 日本映画大学で特別講演
12月 読売新聞、共同通信など今年を振り返る一冊に『チャップリンとヒトラー』が、また12月8日の「毎日新聞」では「この1年関西文化の動向」で、サントリー学芸賞受賞などの活動が取り上げられた。
 『チャップリンとヒトラー』が、岩波書店文系書籍のなかで、年間5位の売り上げを記録。朝日新聞(朝刊),日本経済新聞(朝刊),読売新聞(朝刊),産経新聞,しんぶん赤旗,聖教新聞,京都新聞(朝刊),週刊読書人,図書しんぶん,週刊東洋経済,HONZ,新英語教育,サライ,すばる,キネマ旬報に書評掲載され、書評掲載数も岩波書店文系書籍のなかで年間5位を記録。



 今年は、東宝の舞台・音楽劇『ライムライト』の世界初演、劇団とっても便利のパリ公演/『太秦ライムライト』パリ・プレミア上映(長年の仲間である団員とともに行けたのは本当に嬉しい)、そして『チャップリンとヒトラー メディアとイメージの世界大戦』(岩波書店)を上梓できたことが大きな仕事でした。『ライムライト』は10年間、『チャップリンとヒトラー』は5年間とりくんできました。昨年公開の『太秦ライムライト』は7年間。30代後半にずっと取り組んできたことが、40歳の年に相次いで形になったことを嬉しく思います。
 その結果、『チャップリンとヒトラー』で、第37回サントリー学芸賞(文学・芸術部門)を受賞できましたことは、本当にありがたいことでした。当日の選評のなかで、「大野氏は、研究だけでなく、映画のプロデュースや映画・舞台の脚本も手がけ・・」と触れていただいた時、この受賞は、研究だけでなく創作活動もあわせて評価賜ったこと、そして研究も創作も一人ではできないものですから、あらゆる活動を支えてくださる皆様への賞なのだと思って、いろんな方のお顔が浮かびました。あらためて皆様にお礼を申し上げるとともに、今後の活動でさらに恩返しをしなくてはとありがたい重圧を感じております。
 贈呈式にも、その後の祝賀会にも、大学・高校の同級生や映画・演劇・出版界の方々に集ってくださいました。あらためて多種多様な才能と友情に普段から支えられていることのありがたさを噛みしめました。これについては、年明けにあらためてお礼と決意とを述べさせていただきます。

 そういえば、今年は本厄でした。この歳になりますと、新しい素晴らしいご縁と出会うことと同じぐらい、悪いご縁とお別れすることの大切さを思い知ります。神仏ご先祖様のご加護とお世話になっている皆様のおかげで、大過なく本厄の年を過ごさせていただきましたこと、心から感謝いたします。

 さて、30代取り組んできたことが形になったと書きましたが、それはすなわち、40代の生き方が問われていることになります。チャップリンに夢中になり、ミュージカルに夢中になり、30歳を超えて時代劇のチャンバラに夢中になって、そのことが形になったとすれば、新しい年に、今まで夢中になったことに加えて、また夢中になれる新しいことに出会いたいと思っています。そして、皆様と一緒に、そんな夢を形にできればこの上ないと思っています。
 皆様のおかげで素晴らしい一年を過ごさせていただきました。
 みなさまが良いお年を過ごされることを心よりお祈りします。