この8月は今までで最多、9件ものレンタル依頼をいただきました。ありがとうございました。あともう1件あればなお良かった。どうも、おっさんレンタルで大阪にて活動中のタバコが大の苦手なおっさんです。


今回はその中の1件のお話。東京でおっさんレンタルヘビーユーザーのきぬこさんにレンタルしていただき(ブログ記事はこちら)、「表参道ノハゲ」さんにお会いして(ブログ記事はこちら)、「私たちは『買われた』展」を見学して(ブログ記事はこちら)、大阪に帰ってきた直後にいただいたご依頼です。
…こうして振り返ると、ものすごく濃い一日でしたね。

お客様は女性で、お住まいは大阪からも東京からも遠く離れたある地方都市。「スカイプ、Line、電話でのレンタル」ご希望でした。

「学生のため銀行口座を持っておらず、○○在住のため直接会うこともできないのですが、その場合でも依頼は受けていただけるのでしょうか。」

はい、はい、はい。もちろんお受けします。学生さんということもあり、すでに私の中では別にお金はどうでもよくなってました。っていうか、いろいろ気になるんですけど?

「私たちは『買われた』展」を見てきた直後でもあり、短い文面の行間から「貧困」とか「虐待」なんていう単語がつい浮かんできます。大丈夫かな?

ただ、あからさまに「学生さんならタダにします」というのも、それはそれで違う気がしまして、


「私はお金にはこだわりません。口座はいつでもすぐ作れます。極端な話、5年後くらいにもし覚えてたらその時払う、でもかまいません。そんなことよりも、何かお話があるのならまずは話してみませんか?世の中にはお金よりも大事なことがあります。」


というようなことを、いろいろ勝手に想像して心配しながら、慌てて返信しました。

その後のやり取りで、何年も抱えている家庭の悩みをただ聞いて欲しい、とのこと。言葉遣いがとてもきちんとした文面でした。

約束の日時に、電話でのレンタルが始まりました。お客様はなんと、17歳の高校2年生。今までの私のお客様の最年少は20歳でしたが、ついに未成年に突入、記録更新です。

メールの文面同様、とてもきちんとした話し方をするお嬢さんでした。ご本人はしきりに、話し方がたどたどしくてごめんなさい、と気にされてましたが。

お悩みの内容は、ご両親、特にお母様のこと。詳しいことは、ここでは伏せておきます。17歳の女子高生にとって、あまりにも過酷なお悩みです。でも、お母さんのことは大好き。嫌なのは、お母さんのある一点の行動だけ。それ以外には何の問題もない、いいお母さん。もしいっそのことお母さんのことをを嫌いになれたら、そのほうが楽だろうな。こんなふうに、中学生の頃からずっと悩んでたそうです。

お話を聞いていて、ご本人に悪いところはひとつもありません。お父さんは仕事の都合で遠くに住んでる。両親の夫婦仲はとても悪い。でも、良かった時もあった。大好きなお母さんとお父さんにつらい思いをさせたくなくて、誰にも言えずひとりで悩んでた。友達にも、学校の先生にも、スクールカウンセラーにも言えないし、言いたくない。生活に不自由してるわけでもなく、別に私の悩みなんて大したことない…。


中学生の頃からずっと、そう自分に言い聞かせてたんですね。
つらかったよね。

でもそういう話ばかりじゃなく、明るく笑いながら楽しいお話もいろいろ。

将来の夢についても話してくれました。
彼女の住む街に私は旅行で宿泊したことがあり、ちょっとした地元トークも。
大阪のご出身だというお父さんと、東京に行った時のこと。神座(かむくら)ラーメン餃子の王将に連れていかれた…。


「東京に来て行くの、そこ?www」

お父さん…、なんかオレと気が合いそうだな。どうやら私とはほぼ同世代。お父さんはお父さんで大変なこともあるだろうから、娘さんの話題でもいいけど、普通に会って何か他愛のない話でもしてみたいな。

私のほうからは別に大したことは言ってませんし、何かが解決したわけでもありません。何度か「あなたは悪くない」と言いました。本当にそう思ったから言ったことで、誰が聞いてもそう言うと思うのですが、
「大人のひとに、悪くないと言ってもらえて嬉しかった。」

勇気ある一歩を踏み出して、おっさんをレンタルしてくれてありがとう。

私としてはお金はもうどうでもよかったのですが、レンタル料は払うと言ってくれます。おそらく払ったほうが彼女も気兼ねなく、何かあれば今後も連絡してもらえやすくなると思いまして、それならばと頂戴することにしました。
ただし、5年後でもいい。

今回のレンタルのこと、ぜひブログに書きたいとお伝えすると、快く賛成してくださいました。もちろんお名前もお住まいの地域も伏せて、今回はお悩みの内容も伏せるつもりでした。彼女は、悩みの内容も書いてもらってかまわない、と言ってくださってました。そうすることで、(おっさんレンタルのおっさんとしての)私の良さが伝わる、同じような悩みを抱えてる人のためになる…。

そんな彼女の気持ちに応えられればと思い文章を綴りましたが、お悩みの核心の部分は、やはり伏せました。ですが、もし大人の方がこれをお読みになれば、行間からある程度の察しがつく方もあると思います。私が内容をボカして書いたり、17歳の女子高生が必死に隠そうとしたところで、うすうす感づく大人はきっといます。

彼女のご両親も含めて、周りの大人はある程度はわかっていると私は見ています。それはご本人にもお伝えしましたが、だからといって今すぐ周りの誰かに話せとは言いません。今までつらい思いをして、大好きなお母さんとお父さんのことを思って、誰にも話せずにいたこと。そして今回、勇気ある一歩を踏み出して私をレンタルしてくださったこと。すべて意味のあることだと思います。

だからね、○○さん。あなたは悪くもないし、間違ってもいない。

ただし、今のところ心配ないそうだけど、もしあなたと妹さんの身に何か危険なことでも起こりそうになったら、その時は必ず誰かに助けを求めてくださいね。まあそんな大げさなことでもなく、またちょっとお話でもしたくなったら、いつでも連絡ください。

小さい頃から楽しいことが好きで、笑うことも人を笑わせることも大好きだという彼女。いつか大阪に、吉本新喜劇でも観に来てね。

周りの誰にも言えないことで悩んでる中学生や高校生がいれば、もちろんそれ以外でもいいんだけど、もし気が向いたらぜひ連絡してください。カネの心配はしなくていい。頭ごなしに説教したり勝手にどこかに通報したりとか、そういうことはしないし、自分で言うのもナンだけどオレけっこう優しいから。とりあえず話したら気晴らしくらいにはなると思う。
こちらからどうぞ。

ただし、ヒマだからちょっとおっさんからかってやろうかな?とかいうのはナシだぞ




※あれから約2年半後、彼女との「感動の対面」が実現しました(^^)




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