11/2 木曜日 
かねてから入院していた母が
総合病院から療養型病院に転院した日。




特養に入所し6年。
8月に脳梗塞→8月中ばに手術→入院中に胆嚢炎併発。

チューブの処置か、胆嚢全切除手術か。
家族の相談の上で、

9月中ばにチューブ処置をし

少し病状も安定していたが
10月上旬に手術したところの脳梗塞が再発らしく

口からの食事が取れなくなり、
状況が急変。

遠方から家族が病院に集結し
担当医から説明を受けた。





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点滴、中心静脈栄養、
鼻からの栄養投入、胃ろう

胆嚢のチューブはどうするか。

いくつか決定事項を相談し。

中心静脈点滴、
チューブをつけたまま受け入れができる

療養型介護施設に転院先を決める。

口から栄養が取れなくなると
いよいよ体は衰えていく。

どんどん母が弱っていく姿を見ながら

人が終わりに近づく様子も見せてもらえる。

親が子どもに教える
最後のことは 
自分が弱っていく姿を見せることで

いのちとは?いきるとは?
身をもって伝えてくれているように思う。

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父は火事で一瞬で逝ってしまったから。

心の準備も何もなかった。

遺体も見ていないし

当時は目の前をこなすだけで 

悲しむ間もなかった。

母が

少しずつ衰えていく姿を見ながら

心づもりをさせてもらえるのが

本当にありがたいなと思う。

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思いのほか、転院先が早く決まり

11/2 転院に兄夫婦と共に同行した。

介護タクシーで
ストレッチャーに乗った母の隣に
1人同乗できるらしく。

兄夫婦が私に同乗を譲ってくれた。

特養での生活中
面会を申し込んだが、昨今のコロナで
ガラス越しでの面会や。

直前になり、コロナがひどくなり面会中止や
本人が体調不良で面会できなかったり。

ここ4年ほどは 後悔でもあった。

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ストレッチャーで病室から運ばれてきた母に
声をかけた。

喋ることもできない。

両耳が遠くなり、移動中で、
補聴器を外されていた母も。

目が合ったので 意思の疎通はできたと感じた。

介護タクシーに乗り込んだ
15分の間。

タオルケットの下から、母の手を握り

首に中心静脈点滴の管がついていたので

顔が反対側に向いたままの母の頭を撫でて。

「(脳梗塞の)手術、痛かったね。大変やったね。
よぅ頑張ったな」とねぎらい。

母の耳に
顔を近づけて。

耳元でこう伝えた。

「悦子だよ。かあさん産んでくれてありがとう」

車が走る中、少し立ち上がり顔を覗きこむと。

「ぜいぜい」とマスクしながら
それまで息をしていた
母の 動きが 少し止まった。

静かになった。

補聴器はつけてないが

私の声は 母に届いたのだと思う。

その瞬間 わたしは

ああ、わたしはこれがしたかったんだ。

素直に母に
「産んでくれてありがとう」と。

ただ伝えたかっただけなんだ。

このために 求め
さまざまなことをし、行き、過ごしていたのかと。

それがわかったら
なんもいらなくなった。

そして

かけがえない時間を

まだいただけることが 
ほんとうにありがたいなと。

(子から産んでくれてありがとうと伝えられることは
親は
自分の人生を受容されたように感じるのではと思ったりもする。

子ども自身の人生が○になると同時に
親の人生にも○がつくのかもしれない)

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昨日は、
今月 プロフィール撮影をさせていただく方と

zoomで心合わせという名の
打ち合わせ分かち合いの時間。

お互いのお話をしていくうちに。

母と私の物語を話していたら
何か琴線に触れたようで
マイストーリフォトを受けていただくことになる。

自分が経験してきたことを
抱きしめるように話すことで

誰かの何かに触れて開いていくのだろう。

そのあと

畑に出て 作業の続きをする。







淡々と手を動かすと 頭が空っぽになり。

そしたら 

降りてきたのは。

ああ、私が 

言いたかったから 

母の現状があったのだ。

私が体に触れて 伝えたかったから

母が介護タクシーに乗って 

触れて 直接耳元で話せる状況になったのだ、と。

すべては、わたしだった!

って わたし自身のかわいさが笑えてきた。

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大切なひとに 照れ臭くて 

いまさら伝えられない 一言がある。

だけど
一番伝えたい言葉がある。

ひとは生もので いのちは有限。

明日のいのちが約束されていないことを

忘れているから 思い出させてもらえる。

“抱きしめるように話す”

”ただいまといったら 
お帰りと言ってくれるひとがいる(家族でなくても)”

日々の目の前の暮らしを丁寧に

私たちは すでに持ってるし

ものごとはシンプル。

*写真は11年前、
母へのラブレターを読んでハグする機会を
セッティングした かわいいわたし😆