ついにここまで来ました。
まぁついに!っていう程のものではありません。単なる古道具です。

しかしコンシューマ向けとして1965年暮れに発表されたものなのですから,発売から実に
40年以上も経った今でも“フツーに使える”レンズ,NIKKOR-S 55mm f1.2
この,“フツーに使える”ということがスゴイことだと思う。

ここでウンチクを語るほどのカメラヲタではないので,学んだことをメモしておきます。

日本では初代から最終モデルまで特にこれと言った愛称が付いていないようです。
海外サイトでは,オランダのNico Van Dijk氏の説明が最も分かりやすいと思う(ココ )ので,
僕も氏の記述に従います。
(掲載の許可を得ようとメールを書きましたが,公開されているアドレスへは不通でした。)
(商品画像もすべてNico Van Dijk氏のサイトより拝借しております。)

この分け方,分かりやすくていいと思います。
と言うわけで,以下 珍しく保存版メモ。

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NIKKOR 1.2/55mm
Type 1
(裏ペネ)-Type1
デビュー:1965/12
銘板:NIKKOR-S Auto 1:1.2 f=55mm Nippon Kogaku Japan No.xxxxxx
質量:425g
最短撮影距離:60cm
シリアル:970001~970109 もしくはそれ以降まで
=生産台数:109 lenses or higher
特長:フィルターリングが銀色でΦ60mm
※プレスリリースのみに使用された試作品か?

Type 2

(裏ペネ)-Type2
デビュー:1966/01
銘板:NIKKOR-S Auto 1:1.2 f=55mm Nippon Kogaku Japan No.xxxxxx
質量:425g
最短撮影距離:60cm
シリアル:970110~986000くらい。985346まで確認済み。
=生産台数:Approx. 15,000 lenses.(1966/01 - 1967/11)
特長:フィルターリングが黒色の52mmへ。距離表示がフィート:黄,
メーター:白,絞りは16(青),11(黄),8(ピンク),5.6(白),4(緑),2.8, 2 & 1.2(白)となった。
AI化する際ダイヤフラムがネジにより着脱可能となる。
※実質初期モデルはこれか?

Type 3

(裏ペネ)-Type3
デビュー:1967/11
銘板:NIKKOR-S Auto 1:1.2 f=55mm Nippon Kogaku Japan No.xxxxxx
質量:420g
最短撮影距離:60cm
シリアル:184711~215166,
220001~240533(銘板:Nippon Kogaku Japan => Nikon,シリアルの前のNo.が省略)
=生産台数:Approx.55,000 lenses.
特長:バックプレートの固定ネジが3本から5本に。
しかし生産初期(シリアル195000くらいまで)においては3本ネジによる固定方案のまま。
胴部の文字はType 2に比べて小さくなった。


Type 4
(裏ペネ)-Type4
デビュー:1972/10
銘板:Nikon NIKKOR-S・C Auto 1:1.2 f=55mm xxxxxx
質量:415g
最短撮影距離:60cm
シリアル:250001~300556まで確認済み。
=生産台数:Approx.50,000 lenses.
特長:外観上はType3後期型とほぼ同じだが,NIKKOR-S・Cと銘打っている。
C=Coating の意。マルチコートとなる。
シリアル260001からは組み立て方法が変更されている。
※ここまでが初期型と言える。

Type 5
(裏ペネ)-Type5
デビュー:1976/04
銘板:Nikon NIKKOR 55mm 1:1.2 xxxxxx
質量:410 or 415g
最短撮影距離:50cm
シリアル:350001~383842まで確認済み。
=生産台数:Approx.34,000 lenses.
特長:フォーカスリング・絞りリング共に黒いラバーリングとなる。
使用されているレンズはほとんど全てNoct-Nikkor 58mm/1.2 と同じとなった。 @_@マジ?
銘板に使用されている文字が全て同じ大きさになった。
(Type 4までは,1:1.2の2が下付で小さい)
※現代的なルックスで行くのであれば最適なチョイス?性能も良いと思われ。

Type 6
(裏ペネ)-Type6
デビュー:1977/07
銘板:Nikon NIKKOR 55mm 1:1.2 xxxxxx
質量:410g
最短撮影距離:50cm
シリアル:400001~422009まで確認済み。
=生産台数:Approx.22,000 lenses.
特長:Type 5のAIマウント化というビッグマイナーチェンジという位置。
※純血AIマウントを望むのであれば,これしかないということ?

その他
◆Type 1~6というモデルチェンジを行いながら生産された,このレンズ,10年半に渡っての合計生産数量は約177,000 lenses にもなるらしい。月産800台からスタートし,モデル末期においては月産1800台程度だったらしい。
◆Type 2~5はすべてAIマウントへコンバートすることが可能なストラクチャーを持つ。

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こんな具合に世代分けすることができるようです。

今回僕が手に入れたモノは,シリアルナンバー:266xxx のType 4。
マルチコートのモデルです。

買うのであればType 3,Type 4が良いのではないかと勝手に判断しました。
恐らく37~8歳の,このレンズ,まだまだイケイケです。

(裏ペネ)
D90 + NikkorSC 55mm f1.2 ISO400, 1/250, F2.0, EV+0.3 *cropped.

毎度登場するお花なのですが,このショットは当方の手持ち撮影としては最高の写りです。
100%でも,こんな感じ。

(裏ペネ)
(裏ペネ)史上,まさに奇跡の一枚でございます。

こんな写りをしてくれるので,何も考えていないものの,これでDムービーを撮影してみようかと。。
EOS 5Dとは別の世界の映像として,Dムービーの方が好きな人も多いと思うのです。

では!