出会ったのは2009年(ホントはもう少し前😅経緯⬇️)。
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オレの麺で鶏白湯ラーメンがやりたいんだと相談され、持って行ったサンプルは1つだけ。
およそ当時の『鶏白湯(に合わせる)』イメージには合わない太麺だった。
「どうせオレの麺でやるならこのくらいインパクトあった方がいいから」
多少乱暴だったかもしれない。
が、昔から『こういうスープにはこんな麺』という決まりみたいなのが嫌いなのだ🤷
一見ミスマッチなのがいざ食べたらめっちゃハマってるってのがラーメンの理想じゃないかね?
そうして渡した麺で作ってもらった、OPEN前試作の鶏白湯ラーメン。
「ほうら、やっぱり美味いやん」
一口だけ食って、オレの試食を見ていた蔭山さんに丼を渡した。
『…!うんうん、コレは美味いねぇ!!』
不安げだった表情が、一気に明るくなった。
そこからいざお客さまに食べて頂く段になるまで、より麺に寄る調整はあったんだろう。
けどどうだい?
あれから14年…、
浅草開化楼にどれだけ『蔭山さんのような鶏白湯ラーメンをやりたいんです』って問い合わせが来たことか。
オレが投げたミスマッチは、いつしか鶏白湯の王道の麺の1つになっている。
蔭山健一さんのお陰でね😌
それから今まで、会ったの自体も片手の指で足りるほど。
忘れた頃にいきなし😏元気にしてっかな?て顔を見に行くくらい。
だってまず麺が最初に投げたまんまなんですから(笑)不要なんだよね。
その蔭山さんから久々、麺の相談があるという。
聞けば自分の名を刻んだ店はそのまま遺しつつの独立、最後のチャレンジなんだと。
詳しい話、難しい話は良く解らない。
笑える感じで言うなればまぁ…定年かと😆
「つっても自分で作った鶏白湯をやるんでしょ?なら大威張りでオレが貴方に出した麺を使えば良いやん」
言ったらさ、その他にもう1つ新しく柱になる牛骨ラーメンを作るんだと。
『カラスさんに試食してもらって決めたいんだ』
それをよ、OPEN予定日の10日前くらいに言ってくるんだよ。オレだってそんな暇じゃねぇ、結局行けたのはOPENの4日前だった。
コンセプトを聞いて、オレが着く前にまずサンプルを投げることにした。何せ時間もねぇ、オレが食べれないこの状況で「コレ1つでやっとけよ👊」なんて乱暴は言わないから(笑)
サンプルは3つ。
①オレが「コレでやってやりたい」て思った麺(低加水)
②イメージに無難にハマるだろう麺(低加水)
③鶏白湯同様ミスマッチがハマるイメージもある、形状に存在感がある多加水麺
オレが着く前に2回くらい送ったかな🤔
都度リアクションを見ながらいよいよOPEN4日前、オレが試食することになる。
『なら3つ(サンプルの数)作りますから』
と蔭山さん。
「そんなん食えねーし!もうリアクション見てっから①だけで良いっすよ、まず残すやら勿体ない」
と返すオレ。
蔭山さんが一瞬、14年前と同じ不安げな表情をした。
目の前に出された、牛骨ラーメン。
スープをひと口、そして麺をひと啜り。
笑った。
「ほら、決まりだわこんなモン。美味過ぎじゃねぇのさ」
最初に食べた時と同様、この人のイメージは正に『美味しいものを創る人』。
その信頼感は、半端ないのだ。
世間的なイメージでは定年。
老い先もそう長くないかもしれない(笑)この素晴らしいラーメン職人最後のチャレンジを、ぜひ応援してやって欲しい。
蔭山健一の側には変わらず、全力のオレが付いているから。
ヨロシク。