「花子とアン」第142回~子供たちの疎開と花子のジフテリア、そして空襲 | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第142回
第24週 「生きている証(あかし)
子供たちの疎開と花子のジフテリア、そして空襲


昭和19年夏。戦況はますます悪化し、
花子は子供達を甲府へ疎開させる事にしました。

1944年(昭和19年)・9月―

2学期が始まり、美里と直子は、
今日から甲府の国民学校に通い始めました。

直子) ただいま帰りました!
美里) ただいま帰りました。
花子) お帰りなさい。泥だらけでどうしたの?
朝市) 今日は生徒全員で、出征で男手がなくなった
    農家の手伝いしたもんで。
花子) そうだったの。2人とも畑仕事なんて初めて
    だから大変だったでしょう。
直子) 楽しかったよ!
花子) そう。
ふじ) ああ、2人とも、おけえり。
リン) 朝市、送ってきてやっただけ。
朝市) ああ。田舎の道はどこも同じに見えるら。
    迷子にでもなっちゃいけんからな。
花子) ありがとう。朝市先生。
吉平) あ~グッド・アフタヌーン。美里、直子。
直子) グッド・アフタヌーン。おじぃやん!
吉平) おお!
花子) おとう。今は英語は控えた方がいいと思うの。
吉平) 何でだ?
朝市) 学校でも、英語は使わんようにって
    おせえてるですよ。
吉平) なんぼ敵性語だからっていったって、別に、
    英語は禁止なんて法律が出来た訳じゃねえだ。
    ほれなのに、英語を片っ端から妙な日本語に
    して。野球のセーフは「よし」だの、サイダーは、
    「噴出水」だの。
リン) 婿殿がほんなこん言ってるから、村の人らが
   いい顔しんだよ! ただでさえここんうちは、おや
   じも娘も西洋かぶれだって、ロクな噂されちゃい
   んだに!
花子) えっ…。
朝市) おかあ!
リン) ふんだけんど、ふんとのこんじゃん。
吉平) 言いてえヤツには、言わしときゃあいいだ。
    うちん中ぐれえ、好きに英語しゃべったって、
    バチゃあ当たらん。
花子) おとう…。
リン) ほんなこん言ってちゃ、
   ほのうち石投げられても知らんよ!
吉平) 投げてえヤツは、
    石でも何でも投げりゃあいいだ。
美里) うちは石を投げられて、
    窓ガラスが割れました。
花子) 美里…。私が翻訳の仕事なんかしてるから。
    白い目で見られて、2人に怖い思いをさせてし
    まったの。
朝市) ほうけ…。

**********

甲府で美里達と数日過ごした花子は、
離れ難くなる前に、東京へ戻る事にしました。


吉平) はな。米と、みそも持ってけし。
花子) てっ…
    こんなにもらったらおかあたちが困るじゃん。
吉平) うちは田舎だから、何とでもなるだ。
ふじ) ももやかよにも食べさしてやってくりょう。
吉平) ああ、ほうだ。これも、持ってけし。ブドウ酒。
花子) てっ…おとう、それは…。
吉平) おお、いいだ、いいだ。ほれ。
花子) でも…。
吉平) いいだ、いいだ。何かあった時に、
    役に立つかもしれんら。ほら。うん。ほら。
花子) ありがとう…頂きます。
    美里。直子ちゃん。おじぃやんや、おばぁやん、
    それから、朝市先生の言う事を、よ~く聞いて、
    いい子にしてるのよ。
直子) はい。
美里) はい…。
子供) こんちは~!
    直子ちゃん。 川行って遊ばんけ?
直子) 伯母ちゃま。行ってきていい?
花子) ええ。いっぱい遊んでいらっしゃい。
直子) 美里お姉ちゃんは?
美里) 私はいい。
ふじ) 夕飯までにゃあけえってくるだよ。
直子) は~い! 行ってまいりま~す。
花子) 気を付けてね。
吉平) 気ぃ付けて、行ってこうし。
ふじ) 行ってこうし。
美里) お母様。私も一緒に東京に帰ってはダメ?
花子) 美里…。東京のお友達も、近いうちにみんな
    疎開してしまうのよ。東京に帰るよりも、ここで
    新しいお友達を作った方が楽しいわよ。
    直子ちゃんの面倒も、こぴっと見てあげてね。
美里) はい。
花子) じゃあ、汽車の時間だから。
美里) お母様。
花子) 美里…。お手紙書くから、美里も書いてね。
美里) ええ。書くわ。お父様とお母様に。
花子) おとう、おかあ。お願いします。
吉平) ああ。でえじょうぶ。でえじょうぶ。
ふじ) 気ぃ付けてね。
花子) おかあ、重たいでしょう…。
ふじ) はな。おかあにもお手紙書えてくりょう。

**********

旭) 銀飯なんて本当に久しぶりだなあ。
もも) 明日からまた代用食ですよ。
   お姉やんが持ってきてくれたお米やみそは、
   大事に取って置かないと。
旭) 分かってるよ。
  いつまでこんな生活が続くんですかねえ。
英治) うん…。花子さん、どうしたの?
花子) ああ…ちょっと疲れてしまって…。
もも) 重い荷物持って汽車に揺られたから…。
英治) 大丈夫?
花子) ええ。ちょっと先に休ませてもらうわ…。

(よろめく花子) 
英治) 花子さん!?
もも) お姉やん!?
英治) 花子さん! すごい熱じゃないか…。

**********

(戸が開く音)
英治) 先生。妻は…。
医者) ジフテリアに、感染してますな。
英治) ジフテリア…。
医者) 感染の危険がありますから、症状が落ち着く
    まで、奥さんの部屋には、絶対に誰も、入らん
    こと。


ジフテリアというのは、
心臓麻痺や、神経麻痺を起こして、
死に至る事もある病気です。


**********

吉平) ふじ。
ふじ) はいはい。
吉平) はなが病気んなったらしい。
ふじ) えっ!?
吉平) ジフテリアっちゅう、人にうつる病気だとう…。
ふじ) えっ!?
吉平) 容態は、落ち着いたって書えてあるけんど…。
美里) お母様、ご病気なの!?
ふじ) あっ、美里ちゃん。
吉平) ハハハハ。心配しなんでいい。ハハハ。
    お父様が、優秀なお医者さんを、見っけてくれ
    たらしい。必ずよくなるだ。


**********

美里) (手紙) 「お母様。ご病気だと聞きましたが、
    お加減いかがですか?」。


花子) 「私はお友達もできて…」。
(咳こみ)
花子) 「毎日楽しく学校でお勉強しています。
    ご安心下さい」。
    美里元気でやってるのね…。

(咳こみ)
花子) よかった…。

美里は花子を心配させたくなくて、
そう書いたのですが…。

**********

(泣いている美里)
朝市) 美里ちゃん…ずっと学校になじめんみてえで。
    今日も東京もんってこんでからかわれたらしく
    て。校庭の隅で泣いてたです。
吉平) ほうか…。
朝市) 今まで、気付いてやれなんで、すいません。
ふじ) 朝市のせいじゃねえさ。
    美里ちゃんは、優しいから。きっと東京の、おか
    あの病気のこんが心配で、心細かっただよ。
美里) (泣)


**********

英治) 花子さん。具合はどう?
    おかゆ作ったんだけど。
花子) ありがとう。英治さん。

(おかゆを置き、障子を閉める英治)
英治) 何か、欲しいものはない?
花子) あっ、じゃあ、あの本を。
英治) 「ANNE of GREEN GABLES」?
花子) ええ。
英治) 分かった。後で持ってくるけど、
    まだ無理しちゃダメだよ。
花子) はい。頂きます。

(おかゆと一緒に置かれた封筒)
花子) これ…。
英治) 後で、気分がよくなった時にでも、読んで。


**********

花子) (英治からの手紙) 「いとしい花子さん。
    一つ屋根の下にいながら、君に会えないとは。
    僕らを遮る障子が憎い」。


**********

1944年(昭和19年)・11月―

2か月、
隔離されて病気と闘った花子は、
随分回復しました。


もも) お昼ご飯できたよ。
(空襲警報)
花子) 空襲…?
もも) お姉やん、逃げよう!
花子) 待って。辞書を持っていかないと。
もも) 私が取ってくるから。
   お姉やんは先に防空壕に入って!

(空襲警報)
もも) お姉やん、早く!
(防空壕に逃げ込む2人)
もも) お姉やん。
(花子に頭巾をかぶせるもも)
花子) ありがとう。
(爆撃音)
もも) お姉やん…。
花子) 大丈夫。大丈夫。

(爆撃音)

**********

もも) お姉やん。
(爆撃に煙った黒い雲を見上げる2人)

ついに東京も戦場となってしまいました。
この日、東京中の人々が、
戦争の恐怖を身を持って知ったのでした。

ごきげんよう、さようなら。

**********

東京でも裕福なほうの暮らしをしていた美里ちゃん。
普通に考えて、そりゃ、田舎の生活になじめないよね。
小さい時から、甲府の家に何度か遊びにきていれば、
違っていたんだろうけど…。まだ小さい直子ちゃんの
方は、すんなりと田舎暮らしに馴染んでいるようです。

そして、相変わらずフリーダムなおじぃやん、吉平は、
石を投げられた美里のトラウマを刺激する言動をや
めないし~。せっかく甲府に来たのに、ここでも石を
投げられるのはイヤ~! 的な孫の心、ジジ知らず。
とはいえ「敵性語」って、本当にナンセンス。サイダー
が噴出水って…。他にも、笑えるものがいっぱいあっ
て…。たとえば、フライは「洋天」、コロッケは「油揚げ
肉饅頭」(あぶらあげにくまんじゅう)、
カレーライスは
「辛味入汁掛飯」(からみいりしるかけめし)とか…w
すっかり食欲がなくなってしまいそうなネーミング…。

ジフテリアに罹った花子に、ラブレターを渡す英治。
ラブラブな夫婦だ~。おかゆは作るし、ラブレターも
書くし、ダンスも踊るし、出来過ぎのダーリンです♪

そしていよいよ東京が戦場に。防空壕が自前という
か、庭にあったのに驚きました。英治と旭が掘った
のでしょうか? とはいえ、ようやくアンの本が再登
場。やっと翻訳する気になるのか…。前から思って
いたけれど、時間配分、明らかに間違えたよね…w


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