「花子とアン」第145回~どんなに不安で暗い夜でも、必ず朝がやって来る | 日々のダダ漏れ

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「花子とアン」 第145回
第25週 「どんな朝でも美しい
どんなに不安で暗い夜でも、必ず朝がやって来る


「曲がり角をまがった先に、
何があるのかは分からないの。
でも、それはきっと…。
きっと、一番よいものに違いないと思うの」。

平和になる時を待っているのではなく、
今、これが私のすべきことなのだ。
その思いに突き動かされ、
翻訳を始めた花子でした。

空襲の町を逃げながら、花子は祈りました。
生きた証しとして、この本だけは訳したい!


**********

直子) おめめが痛いよ。
美里) 目が痛い。
もも) 大丈夫。大丈夫よ。
花子) 大丈夫。もう少しだから歩こう。

甲府に疎開させていた直子が、
東京に帰ってきた矢先の空襲でした。


旭) あっ…直子~! もも!
直子) お父さん!
もも) 旭さん!
英治) 美里! 花子さん!
美里) お父様!
花子) 英治さん。
英治) みんな無事でよかった。恐ろしかっただろう?
美里) ええ。
英治) かよさんは?
かよ) 分からないの…。ここには来てないのね。
英治) うん…僕らもさっき、
    何とか辿りついたところで。
旭) 工場が爆撃されて、
  お義兄さんと逃げてきたんです。

**********

もも) お姉やんの大切な部屋が、
   こんな事になるなんて…。
花子) でも、燃え広がらなくてよかったわ。
旭) もし火が広がっていたら、どうなっていたか…。
英治) 大事な本を、
    防空壕に隠しておいてよかった。
花子) かよ…。かよ!
もも) かよ姉やん!
花子) 無事だったのね。よかった…。
かよ) お姉やん…。
花子) かよ?
かよ) 私の店…焼けてしまったの。
    あの辺は、全部燃えて何にも残ってない。
    お姉やん…。

(かよを抱き締める花子)

**********

富士子) 配給、またおいも?
蓮子) お母様は、おいも好きよ。
    おいもはね、お父様との思い出があるの。
    お父様と、一緒になった頃、よくお父様が、
    焼き芋を買ってきて下さったのよ。
富士子) 私は何でもいいから、お腹一杯食べたい。
蓮子) 富士子…。
蓮子) お兄様は、ちゃんと食べていらっしゃるかしら?

(戸が開く音)
蓮子) あなた!
富士子) お父様。
龍一) よかった…。無事だったか。
    空襲がひどいと聞いて、心配して戻ってきた。
蓮子) お帰りなさい。
龍一) ただいま。


**********

龍一) そうか…。純平は出征したのか。
蓮子) はい。ついこの間一度だけ、
    特別休暇で帰ってきたんです。
富士子) お父様がいて下さったら、
     お兄様、喜んだでしょうに。
龍一) 私がいても、あいつを喜ばせるような事は、
    何一つ言ってやれない。
蓮子) 私もです。送り出す前の晩、純平に言われて
    しまいました。「笑顔で送り出してくれ」と。

**********

英治) せっかく翻訳した原稿が…。
花子) 原稿はまた書き直せばいいのよ。
    この原書と辞書がある限り、大丈夫。何十回
    爆弾を落とされようと、私、この翻訳を完成さ
    せるわ。私に出来る事はこれだけだから。


蓮子や、醍醐は…みんなは、無事だろうか。
花子は祈るような気持ちで翻訳を続けました。

**********

美里) 今夜も空襲が来るんじゃないかしら。
かよ) いつになったらゆっくり寝られるのかな。
花子) どんなに不安で暗い夜でも、
    必ず朝がやって来る。アンも言ってるわ。
    「朝はどんな朝でも美しい」って。
美里) お母様。アンのお話して。
花子) いいわよ。
    「『ゆうべはまるで、この世界が、荒野のような
    気がしましたが。今朝はこんなに日が照って
    いて、本当にうれしいわ。でも、雨降りの朝も、
    大好きなの。朝はどんな朝でもよかないこと?
    その日にどんな事が起こるか、分からないん
    ですもの。想像の余地があるからいいわ』」。


**********

生と死が、紙一重の中で、
花子は翻訳を続けました。


花子) 「What's your name?」。
    「『名前は何て言うの?』。子供はちょっとため
    らってから、『私をコーデリアと呼んで下さらな
    い?』と、熱心に頼んだ。『それがあんたの名
    前なのかい?』。『いいえ。あの…私の名前っ
    て訳じゃないんですけれど。コーデリアと呼ば
    れたいんです。素晴らしく優美な名前なんです
    もの』。『何を言っているのかさっぱり分からな
    いね。コーデリアというんでないなら、何という
    名前なの?』。『アン・シャーリー』」。

(鐘の音)
花子) アンって私によく似てる…。
ちびはな) てっ? なにょう言ってるでえ。おらに似て
      るずら。グッド・イブニング! 花子。

花子とアン(145)

花子) てっ…あ…あなた、私? …はな?
ちびはな) はなじゃねえ。
      おらの事は花子と呼んでくりょう。
花子) てっ! やっぱり私だ。
ちびはな) その本、面白そうじゃんけ!
花子) ええ。すごく面白いわよ。
ちびはな) おらも読みてえ。
      ちょっこし、読ましてくれちゃ。
花子) ええ。
ちびはな) てっ! 英語じゃん。全部英語じゃんけ!
      花子は、これ全部読めるだけ?
花子) ええ。読めるわ。

花子とアン(145)

花子) あなたが修和女学校にいる時、こぴっと
    頑張って英語を勉強してくれたおかげで、
    私今、翻訳の仕事をしているの。
    村岡花子、という名前で。

花子とアン(145)

ちびはな) 村岡花子。おらも頑張ったけんど、
      花子も頑張ったじゃん!

花子とアン(145)

花子) ありがとごいす。

花子とアン(145)

ちびはな) この本、どんな話かおせえてくれちゃあ!

花子) ええ。物語の舞台は、
    カナダのプリンス・エドワード島。

花子とアン(145)

花子) 主人公は赤毛で、そばかすだらけの女の子、
    アン・シャーリー。生まれて間もなく両親を亡く
    して、孤児院へ預けられたアンは、ふとした間
    違いで、男の子を欲しがっていた、マシュウと、
    マリラという兄妹のおうちへやってくるの。マシ
    ュウは、働き者で、無口なおじいさんなんだけ
    れど、アンの事がとっても気に入ってしまって、
    マリラにこう言われるの。「マシュウ。きっと、あ
    の子に魔法でもかけられたんだね。あんたが
    あの子をこのうちに置きたがっているって事が、
    ちゃ~んと顔に書いてありますよ」。「そうさな。
    あの子は、ほんに面白い子供だよ」って。
ちびはな) てっ。おじぃやんみてえ。
花子) そうなの。マシュウは、「Well,now…」っていう
    のが口癖なんだけど、日本語で訳すと、おじぃ
    やんの口癖だったあの言葉がぴったりなの。

(回想)
周造) そうさな。

花子とアン(145)

花子) あなたとアンは、似ているところがたくさん
    あるの。アンは、11歳の時に、一人でプリン
    ス・エドワード島にやって来るんだけど…。
ちびはな) おらが
      修和女学校にへえった時みてえに?
花子) そう。その日から、
    アンの運命は、大きく変わっていくの。
ちびはな) て~っ。アンって、
      ふんとにおらにそっくりじゃん。
花子) 本当に私たちにそっくりなの。
ちびはな) 花子! この話はいつ本になるでえ?

花子とアン(145)

花子) それは…分からないの。
    本に出来るどうかも分からないわ。
ちびはな) ほれなのに、
      花子はどうして翻訳なんしてるでえ?
花子) それはね、私の中にアンが住み着いていて、
    絶えず私を励ましてくれるから。先の見えない
    不安な時でも、アンは決して希望を見失わず
    にこう言うの。「曲がり角をまがった先に、何が
    あるかは分からないの。でも、きっと一番よい
    ものに違いないと思うの」って。

花子とアン(145)

花子とアン(145)

ちびはな) 曲がり角の先…。

花子とアン(145)

ごきげんよう。さようなら。


**********

脚本家・中園ミホが、美輪さんとの対談で、今週から
のお話が、一番観てほしいところだと言っていた通り、
ようやく、観たかったシーンが現れました。久しぶりに
ちびはなも登場。ちびはなを使って、アンと花子の共
通点を語らせるのは、ちょっとあざといよなぁと思いつ
つ、ウケ狙いとあざとさがこの脚本の持ち味と思えば
許容範囲と言えないこともなく…(苦しい言い訳だw)
とはいえ、ちびはなと大人花子の共演はうれしい。ち
びはなはやっぱ可愛いなあ。うんうん。あなたが頑張
って、今の大人花子がいるんだもの。ドラマの中でも、
中の人としても、ちびはなちゃんは頑張ったじゃんね。
小さいはなが大きい花子を褒める場面に泣けてしま
った。大人になって、小さい自分に褒められるような
自分でいられたら、うれしいだろうなあと思って。そし
て、まだまだ褒められそうにない自分に喝をいれなき
ゃとも思う。大人だって、やっぱり褒められたいものw

どんなに不安で暗い夜でも、
必ず朝がやって来る。

朝はどんな朝でもよかないこと?
その日にどんな事が起こるか、
分からないん
ですもの。
想像の余地があるからいいわ。


自分に似ているアンが心の中に住み着いて、これか
らの花子を、ずっと励まし続けてくれたのだなあと…。
そういうずっと心の中に住んでいる、大事に思う物語
って、あるなあ…あったなあと。いえ、もちろん、それ
は心の奥に今もあるのだけれど…。必ず朝はやって
くる。何が起こるか分からない朝が。何が起こるか分
からない、想像の余地があるものは楽しいし、ワクワ
クしてくる。そういえば、ラジオ体操もそう歌っていた
っけ…。「♪新しい朝が来た~希望の朝だ~」ってw


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