「孤独のグルメ5」第6話~東京都目黒区大岡山の九絵定食となめろう冷茶漬け | 日々のダダ漏れ

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孤独のグルメ Season5



第6話
東京都目黒区大岡山の
九絵定食となめろう冷茶漬け


ここ一週間で急に冷え込んできたな。



えっ? 駅ビルかと思いきや、病院?





個人商店の連なり。
嬉しい。

今日の仕事は決まればでかそうだし、
なんだか今日は、
いいことがありそうな気がする。


**********

社長) まあ、好きなようにやってくださいよ。
五郎) そういう訳には参りません。
    社員の方が働きやすい環境であったり、
    お越しいただくお客様にとってですね…。
社長) 関係ないでしょう。どこでやったって、できる
    やつはできるし、できないやつはできない。
    職場の環境がどうとか、そんなのは言い訳に
    すぎませんよ。
五郎) ………。



社長) じゃあ、お願いしますね。
五郎) お断りします。
社長) えぇ!?
    いやいや、何でもいいって言ってんですよ?
    適当にやって結構な金になるんだ。
    おいしい仕事でしょ?
五郎) 私には私の仕事のやり方があります。
    他を当たってください。
社長) なんで? 仕事なんていくら儲けたか、
    結果がすべてじゃない。
五郎) 失礼します。


**********

嫌なやつ。
俺はこんな嫌な気分のまま仕事はできない。
絶対に…。

しかし、人間って、悲しいかな。
腹が立っても、ムカついていても、
腹が、減るんだよな~。



こんなときはうまいもんを、
食いたいだけ食うにかぎる。

こういうときは何を食えばいいんだ?
俺のムカっ腹は、
何でなだめればいいんだろう?
おっ。あれ飯屋じゃないか。





つみれだんごなべ定食。
新サンマかば焼定食。



漁師料理。
そういや最近、お魚食べてないな。

うまい魚でご飯バクバク、味噌汁ズルル。
フフッ。いいじゃないか、いいじゃないか。

「九絵」



●「九絵」(食べログHP)

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お~。魚がいい。
そして大将の顔がいい。
期待値、急上昇中。

ここは何で勝負に出るか。



九絵定食1,200円。
上鉄火丼に、海鮮丼。
金目煮付定食。
よだれジュルルもんだな。


五郎) あの、九絵定食ってのは何ですか?
みゆき) 刺身と煮付両方食べられる定食で、
     一番のお勧めです。


刺身と煮付け。風神雷神揃い踏みか。

五郎) あの海鮮丼定食っていうのは?
みゆき) 魚は刺身盛り合わせと同じで、ご飯は、
     酢飯になってます。煮付けがついてない
     んでいろいろ食べたい方は、九絵定食頼
     まれますね。
五郎) じゃあ九絵定食でお願いします。
みゆき) はい、かしこまりました。九絵もう一つ!
大将) あいよ。

おっ!



カツオの解体ショー。
この席最高。リングサイドS席、最前列だ。



煮付けをカレーに変更。
そういうこともできるのか。



テイクアウト可能。

完璧にみゆきちゃんがボス。フッ。


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お~。こっ、こっ、これは…。

「九絵定食」
刺身と煮付けの欲張り定食
旨さ噛み締め 黙って食え!



大きな盆いっぱいのおかず群。
これでおかわり自由という心強さ。
鼻血級サービス。


五郎) いただきます。

「刺身(平目・マグロ・かんぱち・サーモン)
大盤振る舞い四種の刺身
何が出るかは 大将次第



う~ん、う~ん。
うまい刺身と、醤油と、白いご飯。
日本人でよかりけり。
白身もいける。


五郎) うまっ。



大将) ありがとうございます。
五郎) すごくおいしいです。
大将) 煮付けは、マグロのカマです。
    大根は、マグロとは、味を変えてあります。
五郎) へぇ~。
みゆき) パパ~水! 水!
大将) 大根の味付けは、吸い物で、味付けしてます。


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「煮付け(マグロのカマ)」
大将コトコト煮込んだマグロ
その柔らかさは 愛の証



この煮付けがまずいわけがない。
煮付けって深いなぁ。



あ…確かに全然違う。
こっちは優しい味だ。手をかけてる。
もてなしの心がいいダシになっている。



フッ…簡単にほぐれる。



ん? アラか…。


大将) 今日さばいたカンパチのアラが余ったから、
    味噌汁にぶち込んどいたよ。
五郎) あ~そうなんですか。
みゆき) 余っても余らなくても勝手に入れちゃう
     でしょ、パパは。だからうちは儲かりゃしな
     いんだよ。ハハハハ!


アラ汁の滋味は、漁師の滋味。
島国の滋味だ。

**********

「付け合せ(厚揚げ煮・卵焼き・小松菜)
脇を固める 助っ人トリオ



ダメ押しの付け合せ軍団。
しっかりおかずだ。

煮付けで食べるご飯の、
尊いようなおいしさは、どこからくるんだろう。

そこに刺身、アラ汁。
一ミリの隙もない、完璧な魚定食。

更に栄養の守りを固めるサラダ。



まだ少しあるな。おかわりもらうか。


男性客) ママ、なめろう茶漬け。

なめろう茶漬け?

みゆき) またなめ茶?
男性客) だってここでしか食べられないからさ。
みゆき) パパ、なめ茶だって。
大将) まな板汚れるから嫌だな。
みゆき) バカ。そんなこと言わない。
     あっ、おかわりされますか?
五郎) あのなめろう茶漬けって何ですか?
みゆき) あのね、なめろう冷茶漬けっていうんですけ
     どね。カツオのなめろうをご飯の上にのっけて、
     冷たい味噌汁をかけて食べるんですよ。
五郎) カツオで冷たい?
みゆき) ええ。うちはね、
     アジじゃなくてカツオなんですよ。
五郎) じゃ、それいただけますか。
みゆき) はい!


これは拾っておかねばならないタマだ。

みゆき) はい! 今晩は、煮付けと熱燗ですね。
男性客) そうそう。


ああ、こたえられないんじゃないの。
のんべえには…フッ。

この店には、無言の誠意があふれている。
毎日を、精一杯生きているほがらかさに、
満たされている。


**********



「なめろう冷茶漬け」

これぞ究極 漁師料理!
食べれば 広がる大海原!



氷まで入ってる。


みゆき) はい、おたま。まずね。なめろうだけ食べて、
     そのあとご飯と一緒に食べて、最後に冷たい
     味噌汁、なみなみかけて食べて下さい。
五郎) なみなみですか?
みゆき) そう。これがスルスル~っと
     食べられちゃいますから。パパ、水。
五郎) ではいただきます。


うわっ、何? これ! うまっ!
アジとは全然別もののなめろうだ。

大好物が一つ増える予感、ビンビン。

よし。心の準備万端。
なみなみだよな?



大将) もっと、ジャブジャブになるまで
    かけちゃってください。
五郎) なみなみじゃなくジャブジャブ?
大将) そう。
五郎) はい。

ジャブ…ジャブ。

おぉ! こうなるか!
これは…。
ん~冷たいのがいい。
スルスル入る。これはたまらん。

よ~し。

これ、好きです、俺。
ずっと前から好きだったけど、
今日初めて、2人だけで話したって感じ。

ごちそうさまでした。



おっと。



五郎) おっと。



五郎) セーフ。



**********

いい店だった。
この分だと、サンマのかば焼きも、
おっそろしくうまいに違いない。

でかい仕事を蹴ったモヤモヤ、
吹っ飛んだ。
なんというか、救われた。


**********

今回は、五郎さんの人となりが感じられた、なかなか
貴重な回でありました! 楽に儲けられたはずの仕事
を断った五郎さん。うんうん。すっきりした~!断って
正解! 食に仕事にこだわってこそ、我らが五郎さん。
どんなに腹が立っても腹は減る~な五郎さんに萌え。
腹が立っても腹は減る。そして美味しい物を食べれば、
不思議と元気になれたりするから…人間って面白い。

五郎さんの嫌な気分を、モヤモヤを、癒し、救ってくれ
た店の雰囲気も良かった。水を出しっ放しにしては何
度も奥さんに注意される大将のエピソードがあっての、
最後に見せた五郎のナイスアシスト。グッジョブです。

九絵定食、あれはすごすぎ! あのお刺身に、あの煮
付け。味噌汁といい、付け合せといい、完璧でしょう!
見るからに美味しいとわかる、実によだれじゅるじゅる
ものの定食。しかもカツオのなめろう冷茶漬けって…。
お茶漬け系はもちろん、冷たい汁も大好物の私には、
ホントよだれがじゅるじゅるじゅるじゅる、いつもの倍は
じゅるじゅるしてしまう一品でした。あれマジ食べたい。
日本人であることの幸せを、十二分に堪能できそうな、
本気で一度は訪ねたいお店。常連さんが羨ましい~。


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