「精霊の守り人~悲しき破壊神~」第7回~神の守り人 | 日々のダダ漏れ

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大河ファンタジー
「精霊の守り人~悲しき破壊神」



第7回 「神の守り人

アスラ(鈴木梨央)に味方と信じ込ませたシハナ
(真木よう子)は、その力を利用してイーハン(デ
ィーン・フジオカ)にロタ王国を統一させようと企
んでいた。建国の儀が無事に終われば正統な
王と認められるのだ。が、南部領主が異を唱え、
更にタルの民がなだれ込み、儀式は大混乱に
なる。シハナの幻術に惑わされたアスラが破壊
神を降臨させようとした時、バルサ(綾瀬はるか)
が「アスラに人殺しはさせない!」と飛び込んで
来る…!


**********

この世界は、
眼に映るものだけが、
生きているわけではない。
常に、神秘とともにあるこの世で、
人は、王として生まれる者もあれば、
不遇な民として、生きる者もある。


**********

アスラ) 水に入る。
シハナ) え?
アスラ) 泉があるわ。
シハナ) 聖なる泉。
   かつて、サーダ・タルハマヤが生まれた所。
   巨大な木は見える?
アスラ) (頷く)
シハナ) この先の一帯は、サーダ・タルハマヤの
   都として栄えた地。アスラの聖地だ。ここ
   でアスラは、幸せに、生まれ変われるんだ。


**********

アスラ) バルサが…死んじゃった。
   バルサは私を助けるために…私が、
   バルサを助けられたらよかったのに…。
   私なら助けられたのに!(泣)


**********

シハナ) そのお方がイーハン様。ロタ王だよ。
イーハン) 2人とも、驚かせてすまない。
   これまで、どれほどつらい目に遭って
   きた事か…。どれほど、心細い思いを
   してきた事か…・トリーシアの分まで、
   私が心を痛めよう。
チキサ) アスラをどうするつもりですか?
イーハン) 心配するな。アスラが嫌だと思う事
   は、何もしない。嫌な事は、嫌だと、
   言っていいんだよ。分かったね?
アスラ) (頷く)
イーハン) 起こして済まなかった。
   もう少し休むがいい。


**********

イーハン) あの子が、あんな恐ろしい事を…。
   とても信じられん。
シハナ) その力を是非とも、
   イーハン殿下のために。
イーハン) そのタルの恐ろしい力を、我が身の
   保身のために使えと言うのか?
シハナ) この国のためです。
   この国を守るために…そのためには、
   ロタもタルもありません。力を得た
   者が、新しいこの国を創れるのです。
   それができるのは、イーハン殿下しか
   いないと思っております。トリーシア
   様の望みを、虐げられてきた、民たち
   の望みを、どうか、叶えてください。
イーハン) シハナ。お前の考えは間違っている。
   たとえ正義だと信じていても、絶大なる
   力で他を押さえつけるようなやり方では、
   また同じ過ちを繰り返すだけの事だ。そ
   れを防ぐために、お前達カシャルは、そ
   の力の復活を、封じる事を使命としてき
   たのではないのか?
シハナ) ヨーサム王の死を南部の者が知れば、
   イーハン殿下に反旗を翻します。
   その反乱の先に待ち構えているのは、
   タルシュ帝国です。それに備える事は、
   愚かな事でしょうか。


**********

スファル) ここが、どこだか分かるか? タンダ。
バルサ) ロタ祭儀場だろ?
タンダ) ここは、泉の中だ。
バルサ) 泉?
タンダ) ナユグから流れ出る、水の源。
   その泉の中だ。
バルサ) ナユグの泉か…。
タンダ) あそこに、巨大な木が立っている。
スファル) やはりトロガイが見込んだだけの
   事はあるな、タンダ。
タンダ) 随分大きな木ですね。
バルサ) あれが木か?
スファル) その木がある同じ場所に、それが
   見えぬロタ人はあの像を建てたのだ。
   初代ロタ王のキーラン王を祭る祭壇として。
   その前にある大きな石が、解放の場だ。
   あそこでキーラン王は、サーダ・タルハマヤ
   の首を切り落としたとされている。同じ場で、
   今のロタ王が、いけにえの首を取る。
   それがこの建国ノ儀だ。
タンダ) もしかして、昔はそのいけにえに、
   タル人が差し出されたのではありませんか?
スファル) 代々、我々カシャルがそれを決めていた。
   今は羊を使う。ただし、ここに忍び込んだ
   タル人は、あそこで処刑される。
   アスラの母、トリーシアのように。
バルサ) アスラは、どこにいるんだ?


**********

シハナ) あの石の上で、タル人に見立てた、いけに
   えを殺すんだよ。昔は、本当に若いタルの女
   の人が、そのいけにえに選ばれた。アスラの
   お母さん、トリーシアも、あそこで処刑された
   んだ。
アスラ) ひどい…。


**********

スファル) この儀式が無事に済めば、
   何事も起こらぬ。


**********

イーハン) 我はロタ王。ヨーサム王にあらず。
   王弟の、イーハンである。
   兄上に代わって、この剣を授かった。
   我が祖、ロタの偉大なる父、キーラン王と、
   母なる神に、この獣を奉る。我らは二度と、
   この世に、残酷な魔物を招かぬと!
   その誓いを込めて…。

(剣を振り上げるイーハン)
イーハン) ここに!
スーアン) 待たれよ! その剣に異議を唱える!
   ヨーサム王は死んだ!

(どよめき)
スーアン) イーハン殿下はそれを隠していた!
   これは明らかに我らを欺き、王位を
   不当に継承する、はかりごととも
   取れるが、ご真意はいかに!
   偉大なる父キーラン王の御前で、
   いかに申し開きをなされるか!
イーハン) はかりごとではない!
   これは、兄上のご意志である!
男) それを証明するものはいかに? いかに!
イーハン) 私が、兄上からその言葉を賜った。
   次代のロタ王として、この儀を行えと。
   その願いを賜った。
   それは、天と大地にかけて誓う!
スーアン) それが嘘ならば、あなたは反逆者だ!
イーハン) 嘘ではない。
スーアン) では、真実だと証明されよ!

(飛んできた矢をかわすイーハン)
(どよめき)
ラハン) イーハン殿下をお守りしろ!
一同) オ~!


**********

イアヌ) 私は、タル人です。ロタ王に申し上げます。
   タルハマヤは、魔物ではありません!
   偉大なる、神です!
(小窓から見ているアスラ)
アスラ) 駄目…イアヌ!
イアヌ) ロタ人よ、知るがいい! そなたの糧となる、
   森も、大地も、川も海も、これより、タルハ
   マヤによって豊かに潤されるであろう!
   賢きタルの乙女が現れた! 乙女はサーダ・
   タルハマヤとなりて、我らを正しく導くで
   あろう!

(石像の陰からタル人が出てくる)
(アスラの方を見るイアヌ)
イアヌ) サーダ・タルハマヤよ!
   神に愛されし乙女よ! 苦しみに生きる、
   我らタルの民をお救い下さい!

トリーシアの声) さあ、アスラ! 神を招きなさい!  
     聖なる宿り木の輪を、手に取りなさい。

イアヌ) この偽りの祭儀場で、悪しき人々を罰
   したように、我らを踏みつけるロタ人に、
   いま一度正義の光を!
スーアン) 殺せ~! その者を殺せ~!
イーハン) 待て! 待て! 待つのだ!
スーアン) その者をかばうのか? イーハン殿下!
イーハン) かばいはしない。
男) そのタルの女を供犠として処刑すべきだ!
男) 処刑だ!
一同) 殺せ!
イーハン) 静まれ、静まれ! 静まれ!
バルサ) まずい…。
ラハン) みんな乗せられるな!
   これは南部のやつらの罠だ!
アマン) 違う! これはタルの女にうつつを
   抜かした殿下の罠だ! 我らは再び
   タル人に殺されるぞ!
男) タル人を殺せ~!
イーハン) 静まれ! 静まれ!
ラハン) 殿下! あのタルの女を殺して下さい!
   あなたが私情で我らを裏切る事はない
   と証明して下さい! 殿下!


**********

スファル) シハナとアスラはあの像の中だ。
(飛び出そうとするバルサ)
スファル) もう遅い。

**********

(石頭を登っていくアスラ)
(上るごとに崩れていく石頭)
(石頭のくぼみに納まるアスラ)

アスラ) お母さん、これでいいの?

**********

アスラ) やめて!

(祭儀場に飛び散る光の破片)
アスラ) ハハハッ! アハハハハハッ!
   アハハハハッ! アハハハハッ…!


**********

(石の棺のミイラに、肉体がよみがえる)

**********

(石の上に立つバルサ)
バルサ) アスラ、いけない!
   殺してはいけない!
   私だ! バルサだ!
   アスラを守りに来た!

(飛び出してバルサを襲うシハナ)

**********

(バルサを倒し、石の上に立つシハナ)
シハナ) アスラ! 
トリーシア) 人の死を望んでいるのは…。
シハナ) ロタ人です。
トリーシア) あなただけが、
   それを止められるのです。

バルサ) やめろ!
シハナ) 早く!

トリーシア) ロタ人を殺しなさい!
アスラ) お母さん、殺さないといけないの?
トリーシア) 大事なものを守るためです。
バルサ) いけない。アスラ。殺しては駄目だ!
トリーシア) 気高くありなさい、アスラ。
   誰よりも気高く。

シハナ) 大いなる神と一つになって、
   人々を導きなさい!

トリーシア) 導きなさい!
(シハナを押さえ込むバルサ)
バルサ) カミサマのせいにしちゃいけない!

(回想)
バルサ) アスラは自分が、サーダ・タルハマヤ
   になりたいのか? お願いだから、
   自分で、その事を考えておくれ。
   花の香りがする衣をまとった時のあんた
   の顔は、本当に美しかった。本当に幸せ
   そうだったよ。アスラには、その時の気
   持ちを、一生忘れないでいてほしいんだ。


**********

チキサ) アスラ、もうやめろ! やめてくれ!
   見ろ、バルサだ!
   バルサは生きてたんだ!
   アスラを助けに来てくれたんだよ!


**********

イーハン) シハナ、
   これは全てお前が仕組んだ事なのか!?
シハナ) 全ては殿下が望んだ事!
   殿下の魂には、トリーシアがいるはず!
   魂の声を聞かぬ者は愚かだ!
   この世を変えられぬ、愚か者だ!
   殿下の代わりに、私が神を招いた!
バルサ) そのために、アスラの魂を、
   いけにえにはさせない!

(闘うバルサとシハナ)
バルサ) 早くアスラとチキサを救いだせ!
イーハン) 争ってはならぬ。矛を収めよ!
   争ってはならぬ!
男) 矛を収めよ! 王の命である!
  王の命である! 矛を収めよ!

(シハナを襲う鷹)
(シハナを襲うスファル)
(止めるバルサ)
バルサ) 殺させない。アスラが見ている前で、
   誰にも殺させない!


**********

トリーシア) アスラ…。
   お前は誇り高き神の子です。
   この世を変える事ができるのは、
   神に選ばれし子だけです。

アスラ) お母さん…。
トリーシア) 私はいつもあなたのそばにいます。
   この宿り木の輪の中に。

アスラ) 嫌だ…。
   私はカミサマにはなりたくない。
トリーシア) アスラ。
アスラ) ごめんなさい。
   ごめんなさい、お母さん。
   私は人を殺したくない。殺せない。
   ごめんなさい。
   私はバルサのそばにいたいの!
   ごめんなさい。
(トリーシアの手から離れるアスラ)
(宙を舞い、落下していくアスラの体)
(石を蹴り、飛び上がるバルサ)
(空中でアスラを抱きとめるバルサ)
(アスラを抱いたまま落ちていくバルサ)

**********

(朦朧とする意識の中で、アスラを見るバルサ)
バルサ) よかった…生きてる。よかった…。

**********

タンダ) バルサ。
バルサ) タンダ…。アスラは?
タンダ) 大丈夫だ。

(体を起こそうとするバルサ)
タンダ) 無理するな。
   骨が何本折れてるかも分からないんだ。
バルサ) アスラは、どこにいる?
タンダ) 天幕の中にいるよ。
   チキサもそばについてる。
バルサ) タンダ…。
タンダ) うん?
バルサ) アスラに会いたい。
タンダ) うん。


**********

チキサ) バルサさんのおかげで、
   アスラはまた死なずに、
   誰も、殺さずに済みました。
バルサ) いつかは、目覚めるんだろう?
   あれを招いた後は、いつもよく眠った。
スファル) 息はしている。
   だが、体の中に魂が感じられない。
シハナ) アスラは死んだ。あんたが殺した!
   神に選ばれし子は、神と一つになるか、
   自らの魂を消すしかなくなる。
タンダ) アスラはまだ死んではいない。
シハナ) ならば終わったと言うべきか?
スファル) シハナ。誰のせいでもない。
   アスラは、最後に誰も殺さない事を
   選んだのだ。

(あどけない寝顔のアスラを見つめるバルサ)
バルサ) それがどんなに難しい事か…。
   人を憎む気持ちを抑えて、
   それを封じ込める事が、
   どんなに、苦しくて難しいか…。
   アスラはすごい。
   私には、とてもまねできない。(涙)
シハナ) 私はまだ終わる訳にはいかない。
   カシャルとして、終わる訳にはいかない。

(立ち去るシハナ)

**********

チキサ) アスラから、あの力は消えたと思う?
バルサ) さあ…。
チキサ) このまま目を覚まさない方が、
   アスラは幸せなのかもしれない。
バルサ) 私はそれでも、目覚めてほしいけどね。
   生きる方が、どんなにつらくても、
   アスラに、生きたいと、生きていてもいい
   んだと、そう思ってほしいんだよ。心から。


**********

サーダ・タルハマヤは、神なのか? 魔物なのか?
どっちにしろ、人の手にあまる巨大な力は反則だ
よな~と思う。超能力にしろ、疎まれるのは必然。
力による支配は、いつかそれを上回る力によって
支配されることになる。負の連鎖に終わりはない。

アスラが、アスラとして普通に生きていってほしい
と思うバルサの願いが、アスラの心にちゃんと届
いていてよかった。アスラを抱えて、アスラを守っ
て地面に落ちるバルサが、カッコよすぎて泣ける。
いつかバルサの心も救われる日がきますように。


●「精霊の守り人」HP

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第1回~災いの子
第2回~罠(わな)
第3回~光の力
第4回~笑う魔物
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第6回~帝国の牙
第7回~神の守り人
第8回~王子の足跡
第9回~呼びあう魂

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