「ひよっこ」第147回～寝芝居に寝合唱、あかね坂独身女性の会の巻

「ひよっこ」 第147回
第25週 「大好き」
寝芝居に寝合唱、

あかね坂独身女性の会の巻

世津子）　この字はこれでいいの？

愛子）　美しいっていう字はね、大のところ

　　を、きれいにはらうと美しくなるのよ。

富）　いいわね～こういうの。

早苗）　ですね。

鈴子）　あ～！ あら！

一同）　おはようございます。

富）　おはよう。

今日はお休みの朝。

最近のみんなのお気に入りは、

裏の広場で勉強したり、お茶を飲んで

くつろいだりすることなんです。

鈴子）　何だか女ばっかりで…。

富）　ほらうちは、結婚してない

　女ばっかりだから。

早苗）　えっ？

愛子）　あ…。

世津子）　あ…。

みね子）　えっ？ 私も入んですか？

富）　そうよ、私も。

（笑い声）

鈴子）　ちなみに、私も独身。

愛子）　あら。

早苗）　全員独身。あかね坂、

　　独身女性の会、ですかね。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

おやおや、

漫画家たちはといいますと…。

何やら悩んでいる様子。

こんなことがあったんです。

祐二・啓輔）　ええぇ…！！

編集者）　俺の言ったとおりにすれば、

　　　売れるんだよ！

祐二）　…。

啓輔）　そんな無茶な。

一体、何を言われたんでしょうね。

この続きは、改めて。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

愛子）　何か好奇心いっぱいって顔。

鈴子）　いろいろ聞きたいのよね。

　　フフフ。楽しいわね！

　　どうすんの？ 仕事、これから。

世津子）　えっ？ 

早苗）　いや、いきなり、

　　　真正面から切り込みますね。

鈴子）　あら？ そう？

富）　そういうとこあるのよ、この子は。

鈴子）　まどろっこしいことがどうも

　　苦手でね。言いにくいこととか、

　　聞きにくいこととか、スッと、口に

　　出しちゃうところあんのよねえ。

　　ねえ、みね子。

みね子）　ありますね。

鈴子）　えっ？ そうなの？

みね子）　いやいやいや、

　　　「そうなの？」って！

（笑い声）

鈴子）　えっ？ で、世津子ちゃん。

世津子）　はい。

　　　でも今回、まぁ、いろいろごたごた

　　　して、仕事も降りたりして…。…で

　　　みね子ちゃんに、ここに連れてき

　　　てもらって。初めてなんですよね、

　　　こんな時間。

鈴子）　そうよね。

　　ず～っと、働き通しだったからね。

世津子）　はい。

富）　下世話なことで申し訳ないけど…。

鈴子）　ん？

世津子）　はい。

富）　その、叔父さん、叔母さん夫婦、

　とは、もう、縁が切れるの？

世津子）　う～ん…。

　　　さすがに、うんざりしましたし、

　　　このままだと私は、あの人たちの

　　　借金を返すために一生を終える

　　　ことになるのかな～と思って。

　　　…で、人に相談して、絶縁する

　　　ことにしたんですけど。

　　　私のことであれこれ言ってるのは

　　　本当にひどくて…。何かもう笑っ

　　　ちゃうくらいひどくて…。う～ん、

　　　でも…また助けちゃうんじゃない

　　　かな、私。

早苗）　そうなんですか？ どうして？

世津子）　やっぱり、叔父さんはお父さん

　　　の弟だし。好きになったことはない

　　　し、優しくもされなかったけど。

　　　でも、行き場所のない私を引き取

　　　ってくれたのは、確かですしね。

　　　それに…。忘れられないことがあ

　　　って。私が初めて映画のギャラ、

　　　もらって帰った日。私はもう、得意

　　　満面で、「どうだ！」って思ってて。

　　　これでもう、厄介者みたいな顔させ

　　　ないぞと思ってね。…で家に帰って、

　　　叔父さん叔母さんに「はい！」って

　　　渡したの。当然驚いて…でもね、

　　　叔父さん、泣いたんだ。うん。

　　　泣いたの、お金見て。何だか、

　　　打ちのめされたような顔してた。

　　　その時は子どもだから、あんまり

　　　意味が分からなかったんだけど。

　　　今にして思うと、悔しいっていうか、

　　　何とも言えない気持ちだったんだ

　　　と思う。牛乳屋さんの年収に近い

　　　ような額だったから。でも豊かな

　　　ことって、やっぱりすてきなことで

　　　あって。あぁすてきだな、楽しいな

　　　って思ったこともたくさんあります。

　　　でも、そんなにお金に溺れずに

　　　済んでこれたのは、あの時の叔

　　　父さんの悲しい顔が、あったから。

　　　あっ、ごめんなさい、長々と。

　　　あれ？ 何の話だっけ？

愛子）　お仕事、どうするのって話。

世津子）　あ～そっか！

愛子）　せっちゃんは、

　　仕事好きなんだと思うな、私。

世津子）　えっ？

愛子）　好きなんだと思う。

　　したいんだと思う。

鈴子）　どうしてそう思うの？

愛子）　実はですね、しばらく、私と

　　同じ部屋だったじゃないですか。

　　寝ながら台詞を言うんです、

　　この人。最初は、単なる寝言

　　かなと思ったんですけど。

　　「２人で、あの空に虹をかけよう」

　　って言葉。

（回想）

世津子）　（寝言）

　　　２人で、あの空に虹をかけよう。

愛子）　それを何度も。

（回想）

世津子）　（寝言）

　　　２人で、あの空に虹をかけよう。

　　　２人で、あの空に虹をかけよう！

早苗）　あっ、それ、

　　映画、「虹色の娘」の台詞。

世津子）　私？

みね子）　あれ台詞だったんですか？

　　　私も聞きました。

早苗）　寝芝居？

富）　そうね。

鈴子）　そうよね。

世津子）　あの、その台詞、ずっと後悔

　　　してた台詞で。何かうまく言えなか

　　　ったなぁって…。それしゃべってた

　　　んだ？ 私。

愛子）　はい。

世津子）　え～！ そっか。へぇ…。

　　　何か、ちょっとうれしいな。

　　　そういう気持ちあるんだ…。

　　　やってみようかなぁ、もう一度。

早苗）　やってほしいな。

世津子）　ありがとう。

鈴子）　ねっ？

世津子）　寝芝居かぁ。

　　　あっ、でも、この人の、寝歌には

　　　かないませんけどね。

愛子）　えっ？ やだ！

　　また…また私歌ってたの？

世津子）　うん。

鈴子）　えっ？ 歌うの？ 寝ながら？

世津子）　はい。歌います。

　　　どんな感じかっていうと…。

愛子）　あ～ダメダメせっちゃん！

　　あのね、鈴子さんは、私の憧れの、

　　シェフ様のお母様なんだからね。

愛子）　悪く思われたくないんだから。

　　あの、シェフ様を産んだ方なのよ、

　　鈴子さんはね！ ねっ！

みね子）　なるほど。

世津子）　あっ、そっか。

鈴子）　いいじゃない。

　　かわいいじゃない、寝歌。

愛子）　えっ！？ 本当に？

　　かわいいって…。

　　いいよ、いいよ、話して。

世津子）　えっ？ そう？

（笑い声）

世津子）　えっとですね、あの、

　　　ロシア民謡の…。

鈴子）　ええ。

みね子）　あっ、「トロイカ」！

世津子）　そうそうそうそう、その曲

　　　をね、指揮しながら歌ってた。

愛子）　えっ！？

早苗）　指揮？ この？

世津子）　そうそう。

（回想）

愛子）　（寝歌で）

　　♪黒い瞳が待つよ あの森越せば

世津子）　指揮しながら歌ってて。愛ち

　　　ゃんソプラノのパートなんだけど、

　　　こう、アルトの方に指示を出すよ

　　　うな感じで。

愛子）　え～！

みね子）　それで？

世津子）　私も歌った方がいいのかな

　　　と思って、アルトのパートを指示

　　　どおりに…。

（回想）

世津子）　♪今宵は 楽しい宴

愛子・世津子）　♪走れトロイカ 

　今宵は 楽しい宴 あ～あ～

世津子）　最後に…

（回想）

愛子）　（寝言で）すばらしい！

世津子）　「すばらしい！」。

（笑い声）

愛子）　え～！本当に？

世津子）　はい、本当です。

早苗）　寝合唱。

みね子）　えっ、えっ、えっ？

　　　愛子さん、ひょっとして、

　　　コーラスの指揮、

　　　やりたかったんですか？

愛子）　実はね、ちょっとね、

　　やってみたかったの。

鈴子）　かわいいじゃない。

　　私ね、愛子ちゃんのこと好きよ。

愛子）　えっ？

鈴子）　どうなの？ 

　　うちの息子との恋は。

愛子）　「どうなの？」って…。

　　自分から、進めない宣言をして

　　しまったので、進みません。

鈴子）　あぁ、そうか。

愛子）　はい。

　　先に進む勇気もないし…。

鈴子）　うまくいくといいな。

　　愛子ちゃんが娘になってくれたら、

　　私、楽しいな。

愛子）　え～鈴子さん…。

鈴子）　口は出さないけどね。

　　いい年した、息子の、恋路に。

　　でもね、あの子が、幸せになって

　　くれればね…。私、応援してる。

愛子）　ありがとうございます。

みね子）　いがったですね、愛子さん。

愛子）　うん、うれしい…。好きな人の

　　お母さんにそんなふうに言っても

　　らって…。でもこれで振られたら、

　　つらい…。

鈴子）　あっ、そうか…。あ～ごめんね。

世津子）　確かに、それはきついね。

早苗）　ですね。

　　どうにもならないですもんね。

愛子）　え～！

みね子）　そっかぁ。

富）　まっ、もしあれだったら、関係なく、

　鈴ちゃんの娘になったら？

鈴子）　あぁ、そうか。

愛子）　えっ？ 好きな人と

　　きょうだいになるんですか？

　　それはそれで、切ない。

世津子）　確かに。

みね子）　頑張っぺ、愛子さん！

愛子）　うん…。

鈴子）　…で、みね子の方はどうなの？

みね子）　え…？

愛子）　えっ？ 終わり？ 私の話。

鈴子）　うん。どうなの？

みね子）　ん？

愛子）　ううん、何でもない。

　　どうなの？ みね子さん。

みね子）　どうって？

世津子）　あっ、今日あれだよね。

　　　ヒデちゃんとデート。

早苗）　へぇ～。

鈴子）　えっ？ そういうことになってるの？

みね子）　いや、いやいや、

　　　いやいやいや！ 違いますよ、もう！ 

　　　デートなんてそんなもう…。

　　　勉強ですよ、勉強！

鈴子）　みね子…。

みね子）　勉強！ デートって、そんな…。

　　　何言ってんですか。

　　　勉強に決まってるでしょ。

（回想）

秀俊）　俺、いつも休みの日にさ…。

みね子）　はい。

秀俊）　レストランに行くことにしてる

　　んだ。今度から…。あっ、毎回じ

　　ゃなくていいんだけど…。時々、

　　つきあってくんないかな？

みね子）　行きます！ 行きたいです！

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

（薬局の前に秀俊）

秀俊）　行ってくるな、イチコ。

（イチコの頭を持ち、頷かせる秀俊）

おや？

何か思い詰めた顔してますね、

ヒデ君。

＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊

奥茨城では母たちの女子会、月時計は会

議または自分語りの女子会、裏の広場で

はあかね坂独身限定女性の会。好きだね

～女子会。楽しいけどね、女子会。でもち

ょっとやりすぎ。足りないぐらいがちょうど

いい。あかね坂の独身女性の会も、みんな

大好きだけど、キャラは好きだけど、残念

ながら話が絶望的に面白くない。うわぁ～

言っちゃった…。あと２週しかないのに…。

（でも、本当にキャラは好きなんだよ～！）

世津子さんの叔父叔母話も、回収すべき

ところとは思いつつ…別にどうでもいいと

いうか。実際、何だかな～なお話だったし。

寝芝居も、寝歌、寝合唱も、笑うところなん

だろうけど、何かねえ、気分じゃなくて…。

なので、こうだったらよかったのに～的な？

勝手な妄想を書いてみようかな～と。川本

世津子の設定に違和感があるので、どん

な設定だったらよかったのか、考えてみた。

（菅野美穂は昭和の大女優のキャラじゃな

いというか、既に女優オーラ消えてるし…）

ちゅらさんとキャラが被ってしまうけれど…

へんくつ＆引きこもりの小説家とか、いっそ

有名な少女漫画家にしておけば、あの売れ

ない漫画家たちの設定もいかせるし、面白

く展開できたような。締め切りに追われてい

た漫画家が、ちょっと息抜きに家から抜け

出した（逃げ出したでも可）時に、迷子の子

犬のような実を拾って連れ帰り、アシスタン

ト、いやメシスタントとしてとりあえず猫の

手でも借りたい的な「猫の手」として、実を

家に置いてあげることになる…みたいな？

少女漫画家を変わり者キャラにしておけば、

かなり何でもアリな設定が可能だと思うし。

編集者の紹介で少女漫画家先生のアシス

タントのバイトに出かけた祐二＆啓輔が、

そこでみね子の父とは知らずに実に遭遇。

…とまぁ、自然な流れで話が作れそうな気

がするんだけどね。もちろん、男女の関係

を匂わせるような関係はなし。むしろ漫画

のモデルとして実と売れない漫画家たちを

絡ませてBLな雰囲気で笑いを取るのも可。

少なくとも、大女優キャラより、作家キャラ

の方が、脚本家さんの得意なファンタジー

ができそうな気がする。下手に「あまちゃ

ん」を意識するより、不本意かもしれない

けど、気持ち「ちゅらさん」をリメイクの方

がいっそ潔いというか、面白かったかも。

…な～んて、かなり無責任に妄想を書い

てしまった。華麗にスルーして下さいね。

最後までひよっこワールドを好きなまま、

終ってほしいと切に願ってはいるのでｗ


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