「トットちゃん!」第23話(11/1)~おらたちは本当の事だば、なかなか言えねんだ | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

帯ドラマ劇場

「トットちゃん!」

 

 

 

第5週 第23話(11/1)

おらたちは本当の事だば、なかなか言えねんだ

 

佐々木家を出て、畑の片隅の小屋を借りて

暮らしはじめた朝(松下奈緒)と徹子(豊嶋

花)。朝の創意工夫で、ボロボロだった小屋

はどんどん“2人の城”になっていく。そんな

折、朝のもとに、村の主婦たちからモンペを

仕立ててほしいという注文が舞い込んで…。

 

**********

 

(小屋の中のある箱やかご、樽

 などを外に運び出す朝と徹子)

(小屋の中が空っぽになると、金

 づちを持って修繕を始める朝)

 

徹子) お母様は、お歌も上手だし、

 お料理も、お裁縫も上手だし、

 大工さんもやれるのね。

朝) アンクル・トムの小屋だって、

 お母様がお城にしちゃうわよ。

徹子) すげな~!

朝) すげぇべ~。

 

**********

 

(一旦運び出した箱を持って

 きて、テーブルにする朝)

(そのテーブルの前に座って、

 幸ちゃんの鉛筆を見つめる徹子)

徹子) 幸ちゃんどうしてるかな?

(家族の写真を飾る朝)

 

**********

 

徹子) うわあ~!

朝) 明かりがあると助かります。

徹子) 夜もご本が読める。

(必需品を差し入れに来た佐々木)

佐々木) うん。こいで、シチューだが

 いう妙んだ料理、作ればいい。

朝) ありがとうございます。

佐々木) おらが来たごと、

 ばっちゃさ、言うんでねえよ。

徹子) えっ、どうして?

佐々木) 子供は口出すでね。

 

**********

 

徹子) うわあ~かわいい。

 お母様、ありがとう。

(風呂敷で作ったカーテン)

朝) お城みたいでしょ?

徹子) うん。

朝) あっ!

(隙間から覗いていた畑が

 朝の声にひっくりかえる)

畑) 黒柳朝さんに、郵便です。

(隙間から葉書を差し入れる畑)

朝) 華子さん! 華子さん

 広島にいらっしゃるんだわ。

畑) 佐々木さんどご気付だばって、

 こぢだと思って。

朝) ありがとうございました。

 「朝さん、トットちゃん、お元気ですか? 

 エミーをつれて呉に来たけど…」。

葉書・華子) 「こちらは東京と同じくらい

 空襲があり、疎開に来たのかどうかも

 わかりません。働いていた工場も空襲

 でやられてしまいましたが、なんとか

 生きてはいます。朝さんも、トットちゃ 

 んも、必ず生きぬいて下さい」。

徹子) 華子さん、エミーさんも覚えてる。

 何度もダンス踊ったもん。

朝) うん。

徹子) ♪ラララララ~ン、ララ~ン、ラ、

朝・徹子) ♪ラ~ン、ラ、ララララ~

 ラ~ン、ラ、ラ~ン、ラ、ララララ~

(入口に突っ立っている畑)

(畑の手のない左腕をつかむ徹子)

徹子) 踊ろう!

畑) へっ?

徹子) ♪タララララ、ラ~ン、ラ、

 ラ~ン、ラ、ラ~ン、ラ、ララララ、

 ラ~ン、ラ、ラ~ン、ラ、ラ~ン、

 ラ、ララランラン~

(畑の両腕を掴んで踊り始める徹子)

 

**********

 

徹子) ただいま! …あれ?

史子) おばんです。

徹子) あっ…何がご用ですか?

史子) あんだ、ここの、わらすこだが?

徹子) そうです。

史子) おかさんに、もんぺの仕立てば

 頼みたいんだばって。

徹子) かっちゃんはもうすぐ戻ります

 から。こちらでお待ちくださいませ。

史子) へば。

久子) お邪魔っこします。

(2人を小屋に招き入れる徹子)

徹子) はいはい~。

史子) こったらどごで

 暮らしてるんだべか?

久子) 気の毒だの。

朝) ただいま。

徹子) あっ、お母様、お客様。

史子・久子) お母様だど?

 

**********

 

朝) もんぺですか?

史子) 佐々木のばっちゃと、八重さん

 が着てらいんたの、おらも欲しくてさ。

 ここさ物入れさあってさ、乳っこみて

 えな、ボタンこあるやづ。

久子) あったの着てる人、

 ここら辺にはいねはんで。

史子) 佐々木のばっちゃ、得意になって、

 見せびらかしてさ…。

(キョトンとする朝)

 

(回想)

八重) こんなもん着て歩かれねえの。

 東京の人のやるごとは

 わがらねっきゃの。

トメ) わがらねえな。

 

朝) 八重さんもトメさんも、

 お気に召したんですか。

史子) 気に入ったに決まってらべ。

 みんなさ自慢してんだがら。

久子) 東京の人達は、思った事すぐ口

 に出すかもしれねばって、おらたちは

 本当の事だば、なかなか言えねんだ。

徹子) なして、本当の事は、

 言わねんですが?

久子) 子供は黙ってれ!

 これは大人の話こだはんて!

朝) では、お着物をお預かりします。

 

**********

 

<小屋の外>

史子) 楽しみだなあ。

久子) そったらにニヤニヤしてたら、

 巡査さ怒られでまるっきゃ。

史子) おお…欲しがりません、

 勝つまでは。

 

**********

 

朝) さあ、頑張らないと!

 お母様、働いてミシンを買うわ。

 そうしたら、今の3倍の速さで

 仕立物が出来るから。他に何か

 いい仕事はないかしら?

徹子) これ以上、

 働く時間ないわよ、お母様。

朝) 早く仕立てれば、時間は出来るわ。

徹子) ここに、ミシン置けるのかしら?

朝) もし、北千束の家が、空襲で焼けて

 いたら、お父様がお帰りになるまでに、

 新しい家を建てないとならないもの。

 寝てる暇はないわ。

徹子) お母様、違う人みたい…。

朝) 「母は強し」よ。東京には家があっ

 て、お父様がいらして、演奏料を稼い

 できてくださった。だからお母様は、

 あなたのお洋服を縫ったり、おやつ

 を作ったりも出来たの。でも、お父様

 は戦争にいらしてる。だから、私が1

 人で、お父様の分もやらなければな

 らないの。わかるわね?

徹子) うん…。

 

**********

 

青森の春はまだまだ寒く、

ひんやりとした空気が

徹子を少し寂しくさせました。

 

人が変わったように働き続ける

お母様は偉いと思うけれど、

徹子は以前のように、

優雅できれいでおっとりした

お母様が懐かしかったのです。

 

そして戦争を、

恨めしく思ったのでした。

 

**********

 

鴨田) おう、帰ったぞ。

朝) ご苦労さまです。

鴨田) ご苦労さん。

三沢) 会長。

鴨田) ああ?

三沢) 明日、上戸村の村長の息子

 の結婚式だばって、なんぼ包んで

 いげばいいもんだ?

鴨田) こんなご時世だもの、

 いぐらでもいがっぺ。

三沢) そう言われでもな…。

 おめえどうすんず?

長谷川) おら、呼ばいでねえもの。

小山) おらも呼ばいでねえ。

三沢) はあ?

朝) 会長、その結婚式で、私に歌を

 歌わせて頂けないでしょうか?

鴨田) ああ?

朝) おめでたい歌を歌って、

 結婚式を盛り立ててみせますわ。

鴨田) 黒柳さんは、歌が得意だのか?

朝) あの…私は、東洋音楽学校の声楽

 科で、声楽を勉強しておりました。中央

 公会堂の舞台にも立った事がございま

 す。夫も、帝都交響楽団の首席奏者で

 ございました。

鴨田) 西洋の音楽は、

 まずいんでねえのが?

朝) 西洋の音楽といっても、同盟国の、

 ドイツとイタリアの歌しか歌いません。

 あっ、日本の歌も歌います。

鴨田) んだのが? 

 わんつか、歌ってみへろ。

朝) あっ、では、えっと…

 イタリアオペラ、「椿姫」より、

 「乾杯の歌」を。

三沢) イタリアだど!?

(拍手)

朝) ♪リビアーモ リビアーモ ネ 

 リエーティ カーリチ ケ ラ ベッレッツァ 

 インフィオーラ エ ラ フッジェーヴォル

 フッジェーヴォル オーラ スィネーブリ

 ア ヴォルッタ~

(呆気に取られている一同)

 

**********

 

(結婚式で歌を披露している朝)

(感動している花嫁と客たち)

 

**********

 

徹子) キャーッ、鯛だ!

朝) お砂糖と米粉で作った鯛よ。

徹子) えっ、お魚じゃないの?

朝) お菓子よ。

徹子) いただきます!

(引き出物のお菓子をかじる徹子)

徹子) う~ん、甘い! フフフフ…。

 お砂糖なんて、お父様に、面会に

 行った日のおはぎ以来だわ。

朝) 大豆15粒で暮らしていた事を

 思ったら、夢みたいね。

徹子) お母様、ありがとう。

 

**********

 

(小屋の前で布を染めている朝と徹子)

徹子) うわあ~きれい!

 

**********

 

(染めた布にりんごの模様を描く二人)

(りんごのタペストリーの出来上がり)

朝) はい。

徹子) うわあ~かわいい! きれい!

 お母様すごーい!

トメ) へえるぞ。

朝) あっ、どうぞどうぞ。

徹子) ねえ、これ見て。

 お母様と私で作ったの。

トメ) ここな、破けてまったの。

朝) あっ、すぐに直します。

 お召しになったままで。

(破けた所をアップリケで繕う朝)

トメ) わいは~! まああんだは

 裁縫が上手だなあ。

 うちの嫁ごは、縫い物が下手で。

 ああ~縫い目がいつもグズグズ

 グズグズ曲がっとるんだ。

 ありゃ心が乱れとるんだな。

徹子) 心が乱れると、

 縫い目も、乱れちゃうの?

トメ) うん。そういう事だな。

 きっと、なんか、不満があるんだろう。

朝) こんな時代ですもの。

 みんな不満ですわ。

トメ) あれ? 東京の人はそんな事

 言葉に出しておっそろしいの~。

徹子) えっ、何が恐ろしいの?

トメ) あのな…。あんたやかましいの。

(ふくれっ面になる徹子)

 

**********

 

佐々木) これ。

(立派なタラコを差し出す佐々木)

佐々木) 八戸さ行って、

 タラコをもらってきたはんで。

朝) まあ…ありがとうございます。

 タラコなんて見たの何年ぶりかしら?

佐々木) へばな。

朝) あっ、佐々木さん、今、

 白湯をお持ちしますので。

佐々木) いらね。あんだと、さしで、

 白湯ば、飲むわげにはいがね。

 ばっちゃの、命令だ。

 

**********

 

八重) うぢの人だば、

 ばっちゃの顔色ばし見で、

 ちっちぇごとばっかす気にしてんだ。

 したはんで、佐々木の、リンゴは

 ちっちぇって言われんだ。

朝) あの、これ…。

(ポケット付きのもんぺを渡す朝)

八重) あっ、ハハハ…。

(喜んで広げてみる八重)

八重) はあ~ハハハ…。ありがとう。

朝) でも、佐々木さんから頂いたリンゴ、

 ほんとうにおいしかったです。

八重) そら、味っこはいいべ。

 してもちっちぇのさ。

 佐々木の家のお金には、

 おらは触らねはんで、こいでの。

(一升瓶に入ったお米を出す八重)

朝) あ…ありがとうございます。

 助かります。

 

**********

 

(牛の世話をする徹子)

 

朝から晩まで、

朝は身を粉にして働き、徹子も、

青森の暮らしになじんでいきました。

 

(夜、守綱に宛先のない葉書を書く朝)

 

**********

 

(空襲で焼けてしまう東京の黒柳家)

 

**********

 

(校舎が焼けてしまったトモエ学園は、

 青空学級になっている)

 

こんな時代でも、

みんな必死で笑い…

みんな必死で不安を乗り越え…

みんな必死で働き…

みんな必死で生きていました。

 

**********

 

<北海道の朝の実家>

三好) お待たせ致しました。

周通) うん。

(周通が読んでいる新聞に

 「広島に新型爆弾」の記事)

 

**********

 

昭和二十年八月十五日

 

そしてその年の夏、

戦争は終わりました。

 

**********

 

(青空の下、楽しそうに

 スキップしている徹子)

 

**********

 

昭和二十三年・夏

 

(15歳になった徹子)

徹子) ♪東京ブギウギ 

 リズムウキウキ

 心ズキズキ ワクワク~

 海を渡り響くは 東京ブキウギ

(振り回していた定期券が飛んでゆく)

徹子) わーっ! わいは~!

 

**********

 

もんぺの仕立てを頼みにきた村の主婦たち

の、小屋の外で楽しみでたまらない様子が

可愛かった~。映像には出てこなかったけ

ど、きっとトメさんも八重さんも本当はウキ

ウキ誇らしげに朝の作ったもんぺを履いて

いたんだろうなって想像して嬉しくなった。

 

東京の人たちは、思った事すぐ口に
出すかもしれねばって、おらたちは
本当の事だば、なかなか言えねんだ。

 

フフフ…。んだよね~。東北の人だもの~。

(自分も東北の出身なのでよく分かる~w)

 

子供は黙ってれ!
これは大人の話こだはんて!

 

徹子が口を挟むたびに、子供は黙ってろ

と大人に怒られる感じがとても、懐かしい。

そうそう、大人の話に口出しすると、子供

はしっかり大人に叱られるのが常だった。

 

大人の世界、子供(徹子)の視線、それぞ

れを、押しつけがましくなく、見た人の感

性にまかせて作っている感じが好ましい。

分かる人は分かるし、分からない人は分

からない、登場人物の気持ちや空気感。

でも、実際の世の中でもそんなものだし、

感じ方は様々だから、それでいいのかも。

気持ちが通じたり、通じなかったり、そう

いうふうに、いろいろあるのが世の中で。

 

そしてとうとう…トットちゃんが、大きくな

ってしまった。ちびトットちゃんがあまりに

よかったので、ちょっとまだ気持ちがつい

ていかない。子供はいつか大きくなってし

まうもの。わかっちゃいるけど寂しいよ…。

本当に子供らしくてトットちゃんらしくて。

ありがとう、小さいトットちゃん。毎日とて

も心が癒されて、楽しかった。ありがとう。

あなたはトットちゃんそのものだったよ!

 

「徹子の部屋」のゲストが、NHKの朝ドラ、

「チョッちゃん」でヒロインを演じた古村比

呂さん(トットちゃんでは朝さんの母役!)

だったのだけれど、本物の朝さんから頂

いたという手紙が紹介されたのでご紹介。

とてもやさしい、素敵なお手紙なので…。

 

(黒柳朝さんから古村比呂さんへの手紙)
古村比呂様
随分ごぶさた致してしまいました。
あなたが徹子の部屋に出ると電話して

くれましたので、お便りを徹子に書いて

渡して戴きたいと思って書きました。
三人の坊ちゃんがいらっしゃるそうで、
子育てにどんなにか大変かと存じますが、
その分、それだけ倖せになってかえって

来るものですし、それは年を取ってから、

親孝行をしてくれなどと云うことではなく、

愛情の限りをそそいで、育てさしてもら

へたと云うことです。世界の女性に、

人生の中で一番倖せだった時、と云う

アンケートを取った時の一位が、子供が、

ヒザの上にゐた時だったそうです。

それは、世界共通だったそうです。
あなたは今とてもとても大変だと思って、
毎日子育てをしていらっしゃると

思うけれど、人生の中で、

一番幸せな時なのです。

人間、みんな、幸せな時って、

分からないんですよね。

その幸せの中にいる、

毎日を大切にして、頑張ってください。

あの『チョッちゃん』の時のように。

                黒柳朝

 

 

●「トットちゃん!」HP

 

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