帯ドラマ劇場
「トットちゃん!」
第10週 第50話(12/8)
あなたのためだけのコンサート・・・の巻
NHKを辞め、フリーになった徹子(清野
菜名)は、芝居の勉強をするため、アメ
リカ・ニューヨークに留学したいと漠然
と考えはじめる。伊藤華子(高岡早紀)
や大叔母・えつ(八木亜希子)に人生
の転機が訪れる中、徹子も単身、ニュ
ーヨークへ旅立つ…。
**********
<セントラル・パーク>
祐介) また会えましたね。
今日は2つ、買えましたよ。
(ホットドッグを一つ差し出す祐介)
(受け取る徹子)
**********
(ベンチに腰かける徹子と祐介)
祐介) 昨日は、車の中でこれを食べま
した。今日はあなたと一緒に食べる事
が出来て、とても嬉しいです。
徹子) 私もです。
あっ…でも、なぜ、私がここに来ると、
おわかりになったんですか?
祐介) それは、インスピレーションです。
徹子) インスピレーション?
祐介) あなたは、昨日と同じ時刻、
ここに来ると思いました。
徹子) (咳き込み)
祐介) おお…。大丈夫ですか?
(徹子の背中をさする祐介)
徹子) すみません…。
祐介) よかった。
徹子) 何だか…昨日からの事を思うと、
胸がいっぱいで…。頭が混乱して…
のどもなんか、変みたいです。
祐介) それは僕も同じです。今晩、
プライベートコンサートをやります。
もしよかったら、来ませんか?
徹子) 伺いたいです。
祐介) あなたにまた演奏を聞いてもらえ
たら、僕も嬉しい。では、今夜7時、サニ
ーズストリートのワイズビルの中にある
ピアノバー、「HARRY MET SALLY」で。
徹子) サニーズストリート…ワイズビル
の中にある、ピアノバー…。
祐介) ハリーメットサリー。
徹子) ハリーメットサリー。
祐介) そう。
徹子) オーケー。
祐介) オーケー。では、今夜。
**********
(会場の入り口に、「プライベートイベント
のため、本日休業いたします」と看板)
(会場には誰もおらず、ピアノだけ)
(困惑する徹子の前に祐介が現れる)
祐介) ようこそ。お待ちしていました。
今夜は、あなたのためだけのコンサート
です。あなたのためだけに、演奏します。
歌います。
徹子) 歌う…?
祐介) スペシャル・プログラム、
テツコのために。
(徹子に手を差し伸べる祐介)
(徹子の手を引いて、ピアノのそばに誘う。
祐介) どうぞ。
徹子) はい。
(ソファーに腰をおろす徹子)
(徹子にお辞儀をし、
ピアノの演奏を始める祐介)
ドビュッシーの、「アラベスク」でした。
(回想)
祐介) 私の演奏を聞いてくれて
いたのですか?
徹子) はい。全部素晴らしかったです
けど、 今夜のドビュッシーの、「アラ
ベスク第1番」に一番感動しました。
**********
(徹子の前に立ち、歌う祐介)
祐介) ♪Raindrops on roses and
whiskers on kittens Bright copper
kettles and warm woolen mittens
Brown paper packages tied up
with strings These are a few of
my favorite things Cream colored
ponies and crisp apple strudels
Doorbells and sleigh bells and
schnitzel with noodles Wild geese
that fly with the moon on their
wings These are a few of my
favorite things When the dog bites
When the bee stings When I'm
feeling sad I simply remember my
favorite things And then I don't
feel so bad
(立ち上がる徹子)
(見つめう二人)
(祐介の胸に飛び込む徹子)
(徹子を抱きしめ、キスをする祐介)
(徹子にキスをする祐介)
祐介) これからパリに帰る。
一緒に来てくれないか?
僕の家はパリなんだ。
僕と一緒に、パリに行こう。
テツコと一緒に、生きていきたい。
(嬉しそうに微笑む徹子)
(抱き合う二人)
徹子) あの…ケルナーさん。
祐介) ケルナーさん…? ユウスケ。
徹子) あっ…あの…祐介さん…。
一緒に生きていくって事は…
結婚するって事ですか?
祐介) そうだよ。
徹子) 結婚…。
祐介) そうか…。
パリには、行けないか…。
徹子) 行きたいわ。行きたいけど…。
祐介) 楽しかったよ、今夜は。
徹子) もう飛行機の時間なの?
祐介さんこそ、パリに帰る日を、
1日延ばして。まだ、いて下さい。
私と一緒に、ここにいて。
祐介) いつかまた、どこかで会おう。
**********
朝の幻) まだ間に合うでしょ。
空港に追いかけたら?
ママはパパと、迷わず一緒に
暮らしたわよ。うまくいかなかっ
たら、やり直せばいいんだもの。
行きなさいよ。
邦子の幻) ピリッと辛い
ラーメンでも食べよっか。
渥美の幻) お嬢さんは、
本当にバカですね。
咲子の幻) あなたは私を蹴落として
女優になったのよ。男のために簡単
にやめたりしたら、許さないから。
**********
<演劇学校>
(紙に書かれたセリフを見ながら
演技をしている徹子)
(手をたたく音)
教師) (英)そこまで。あなたの心は
この戯曲の中にはない。やる気の
ない人はいらない。帰りなさい。
次の人。
女性) イエス。
(落ち込む徹子)
**********
なぜ自分は、祐介と一緒に
行かなかったのだろうか。
祐介は今頃、
私をどう思っているだろうか。
もう、忘れてしまっただろうか…。
月日は過ぎても、徹子は同じ
事を考え続けていました。
**********
<セントラル・パーク>
男性) トットちゃん?
(戸惑う徹子)
男性) トットちゃんだろ?
(サングラスを外す男性)
徹子) あっ! ダニーさん?
ニューヨークにいたの。
ダニー) トットちゃんは、旅行?
徹子) ううん。去年の秋から、
お芝居のお勉強に来てるの。
ダニー) 芝居?
徹子) うん。
テレビジョンが出来て、NHKが開局
した時、女優になったの、私。
ダニー) テレビの女優。
徹子) そう。
ダニー) 小さい時からかわいかったし
目立ってたもんな。乃木坂上倶楽部
でもよく踊ってた。
徹子) 日本を発つ前に、乃木坂上
倶楽部でエミーさんに会った時、
心配してたわよ。ダニー、元気に
してるかしらって。
ダニー) エミーは、まだ踊ってるの?
徹子) ううん。
ダニー) でもまだ、
乃木坂上倶楽部にいるんだろ?
徹子) うん。
ダニー) 何してるの?
徹子) みんなのお手伝い。
ダニー) 家政婦やってんの?
徹子) ううん。
でもでも、とっても幸せそうだし、
とっても元気。
ダニー) そっか…それならいいや。
日本に帰ったらよろしく言ってね。
徹子) はい。
**********
徹子) NHKに入って、ずっと言われる
ままにやってきたから、どうしても、
違う自分に出会いたかったの。だから、
お仕事全部お休みして、ニューヨーク
に来たの。
ダニー) お休み出来るのは、
自信があるからだな。
徹子) 自信なんてないわ。
ダニー) 戻れば必ず受け入れてくれる
ところがある…そう思えるから、冒険
も出来るんだろ? それは言い換えれ
ば、自信だよ。
徹子) そうかしら…。
ダニー) で?
違う自分には出会えたの?
徹子) う~ん…。わからない。
ニューヨークは、プレッツェル
みたいな味がする。
ダニー) ハハッ…プレッツェルか…。
うん…甘くてしょっぱいね。
徹子) フフッ…そんな感じ。
ダニーさんは?
社交ダンス踊ってるでしょ?
ダニー) 今は、ミュージカルに出てる。
徹子) ミュージカル?
ダニー) バックで踊ってる。
生きるためには何でもやらなきゃ。
でもこの街はいいよ。俺みたいな
者でも受け入れてくれるから…。
徹子) どこの劇場でやってるの?
私見に行く。
ダニー) あっ…明日から、ツアーだから。
じゃあね。もう行かないと…。
徹子) ダニーさん。
ツアーいってらっしゃい!
ダニー) じゃあね…。
エミーさんがシイナさんと結婚した
事を、この日徹子はダニーさんに
言えませんでした。
**********
映画のような、漫画のような、ドラマチック
の王道を、息を吸うように体験する徹子。
いや~笑っちゃうぐらい出来過ぎな展開。
まだまだ心にも懐にも余裕があった時代
なんだな~。セレブらしい演出ともいえる。
これからパリに帰る。
一緒に来てくれないか?
僕の家はパリなんだ。
僕と一緒に、パリに行こう。
テツコと一緒に、生きていきたい。
キャ~! でもここでイエスと言える女が
どれだけいるだろうか。徹子の母・朝も、
家に帰らず、そのまま守綱と暮らしたと
はいっても、スケールが違いすぎるよ!
そりゃ憧れはするけれど、いきなりパリ
はねえ…。しかも即答しなきゃ駄目って。
申し訳ないけどこれ、よくある遊ばれた
ってパターンだよね~と思ってしまった。
まあ、その後も続く秘めた恋という事だ
からこれで終わりじゃないんだろうけど。
でもでも、いるよね~こういう男w 徹子
さんが相手じゃなかったら、スケコマシ
あるあるだよな~と。事実かもしれない
けど、そこはもちっと演出してほしかっ
たかも~。遊び人にしか見えないよ~。
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