「高嶺の花」第3話 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「高嶺の花」

 


第3

直人) つまり、忘れる必要はないんです。

 忘れようと思うから、つらくなる。

太郎) おっ…何だ? 何だ?

幸平) 良い子の解説付きだ。

祥平) ぽっかり空いた、白い真ん中。

 別れの痛みです。これを、こうして、

 チョコレートでくるむんです。

もも) チョコレート?

 

**********

 

幸平) つまりだ、いい思い出に浸ってい

 れば、別れた痛みは忘れるって話だ。

佳代子) 普通時間たてば薄れて

 くけどね~、どんな別れも。

直人) 最愛の人が、突然事故で死ん

 だら、その限りじゃないんだよ。

太郎) ももちゃんのは死別じゃねえだろ。

直人) いや…時々、失恋でも、ホントに

 壊れてしまう人はいるらしい。感受性

 が強すぎる、芸術家のタイプ。

もも) ん?

太郎) ももちゃん芸術家か。

 キャバクラ嬢の。ハハハ…。

もも) ウケるね、それ。

佳代子) 忘れなくてもいい。

 無理に忘れようとするから

 つらいって分かってるけど、

 でも、それって逃避じゃない?

直人) 「逃げる」って言うと、言葉

 悪いけど、避難だよ、一時避難。

もも) なるほど、避難か。 

 つまりぷーさんは、これから毎日、

 おかあさんの話を聞いてあげたよ

 うに、私の元カレの話を毎日聞い

 てくれるって事ね。避難場所として。

直人) はい。「君に読む物語」。

もも) 出会いから、甘~い甘~い!

 のろけちゃうけどいいの? ハハッ。

直人) はい。チョコレートですから。

もも) スウィ~トチョコねっ、

 チュッ! チュッ!

太郎) ハハハ…!

(太郎にコップの水をかけるもも)

太郎・幸平) あっ…!

もも) はぁ?

(店から出て行くもも)

太郎) えっ…何で怒ったの?

幸平) 分かる人。

(手を挙げる佳代子)

直人) 何で?

 

**********

 

秋保) …にしても、チョコレートねぇ。

直人) えっ、もしかして、秋保も、

 彼女が怒った理由分かるの?

秋保) 男ってホント鈍いっつか、

 デリカシーないっつうか…。

直人) 教えていただけませんかね?

秋保) 失恋の痛みから逃れるために、

 忘れるんじゃなくて、あえて甘い思い

 出語りしたら聞いてあげるだと?

直人) うん。うちのおふくろは

 それで立ち直れた。

秋保) 息子相手だからでしょ。

直人) え?

秋保) ハァ…。ももちゃんにとって、

 ぷーさんは何?

直人) 何って…。

 まぁ、息子じゃないけど。

秋保) …というより、

 付き合う、付き合わない的な、

 まんざらじゃない関係になりつつある。

直人) う~ん、まぁ…そうなのかな。

秋保) 元カレの話を聞いてあげる?

直人) うん。

秋保) 普通嫌じゃね?

 元カレの話なんか聞くの。

直人) え?

秋保) 私だったら彼氏に元カノの話

 なんかされたらブチギレますけど!

直人) 秋保彼氏いたの?

秋保) いねえけど、例えよ!

直人) あぁ。

秋保) 嫉妬、ジェラシー、そういう感情。

直人) あぁ…。

秋保) つまりももちゃんはだな、元カレ

 の話を聞いてくれるなんてぷーさんに、

 優しいとか1個も感謝しない。つかそ

 んなこと自分を好きなら嫌でしょ。聞く

 の普通に無理っしょ。ってかそんなこ

 と裏を返せば全然自分のことなんか

 好きじゃねえのかよ、この薄汚れた

 クマのぬいぐるみは!って。

 こうなったわけだな。

直人) あぁ…。

秋保) 「あぁ、あぁ」じゃねえっつの!

 そんなんでよく今まで…。

 彼女いたことなかったね! アハハ…。

直人) 難しい…。

 面倒くさいな~女子って。

秋保) いやいやこれ初歩だから!

 こんな初歩の女心も分かんないと、

 一生独身っすよあなた。

直人) ハハ…そうか。

秋保) 笑ってる場合じゃねえから。

直人) 俺…

 それでいいと思ってたんだよな~。

秋保) はぁ?

 

**********

 

もも) あんたの物語は?

直人) えっ?

もも) ぷーさん、

 あんたの物語はないの?

直人) 俺の…ですか?

もも) 人の庭に、垣根越えて水くれて

 やるって、随分上から目線だけど。

 あんた自身の庭はないのかって話よ!

 まぁ他人をディスる?人の庭にゴミ投げ

 込む迷惑な連中よりかはマシだけどね。

 ハァ…テメェの庭はねえのかよ。テメェ

 の庭に、花咲かせもしねえヤツが…。

 そんなヤツ…。あっ…。

 あっ、ヤバい…。ヤバい…!

直人) ももさん?

もも) ヤバい。

直人) ももさん、大丈夫?

 

**********

 

直人) 自分のパンクは、自分で直せ。

 うん…。他人の庭。他人の物語か。

 

**********

 

市松) 帰っていたのか。

もも) 壊したのね、私の結婚を。

市松) 座りなさい。

 

**********

 

幸平) 自分の物語な~。

 つまり主役の話な。

直人) 主役にならないポジションの人

 だって、大勢いるじゃない。例えばさ、

 サッカー代表で、ロシアまで会社休ん

 で行ったりして、応援。

佳代子) それは趣味じゃないの。

 自分主役の物語っていうより。

直人) えっ?

幸平) バカ野郎、お前それ趣味だ。

太郎) そうだ。

 つまり、勝とうが負けようが、

 応援してる連中には責任ねえだろ?

直人) 責任? 責任あるのが、主役?

太郎) うん。

直人) そうか。

佳代子) 私たちには家族がいる。

 それが責任かな。

太郎) そうだ。

直人) 痛っ。

太郎) あんな嫁と娘だけど、家族がいる。

幸平) そうだ。責任がついて回るんだ、

 俺たちには。

直人) なるほどね、ふ~ん。つまり、応援

 してるサポーターも、戻れば、家族や職

 場で、自分の物語があるっていうことね。

佳代子) そうよ。

 どんなささやかなお庭にも、

 自分の花、自分の物語は

 あるってことよ。

直人) フッ…そっかぁ。

 物語は責任か。自分の庭だもんな。

佳代子) 私でも分かるよ。ぷーさんが、

 自分の物語いらないって思っちゃった

 気持ち。何となく。

直人) あ~。

 おふくろの世話で大変だったって話?

佳代子) そうじゃないでしょう。

 とぼけないで。

幸平) とぼけんじゃねえよ、お前は!

太郎) 俺ら幼なじみなら分かるっての!

直人) 何回たたいてんのよ!

 バカになるでしょうが!

佳代子) おとうさんでしょ?

 私も飲んじゃおう。

 

**********

 

市松) 自分でも分かっていたはずだ。

 つまらん色恋で、天から授かった

 才能を手放してしまったことに。

もも) 違う…。

市松) 以前は見えたもう一人の自分が、

 見えなくなったんだろう? 華道をやめ

 ようと思ったのは、それでだろう? 

 あの男は、月島の養子になってもいい

 と言ってくれた。それなのに、吉池の

 家に入ると決めたのは、なぜだ? もう、

 華道家としてダメだと自分で分かって

 いたからだ。

もも) それでも…。

市松) 幸せになれた? そんなはずはない。

 授かったあれほどの才能をみすみす手放

 したお前を、神が、許すと思うか? お前も

 じき、喪失感にさいなまれたはずだ。赤ん

 坊の時から両手に握りしめてきた天分な

 んだ。

もも) 私は…。

市松) 予想外に壊れてしまったな。

 それも反動だろうが。

 味覚や嗅覚を失ったか?

もも) どうして?

市松) 私は家元だぞ。

 月島十五世の家元だ。

 手塩にかけた教え子の、

 ましてや、娘の一挙手一投足も、

 見逃すことなどない。

もも) でも今は…。

市松) 少しは回復した。そうだな? 

 だがもう一人の自分はいまだに

 戻らない。分かるさ。

 愛しているんだ、お前のことを。

 お前の才能を、誰よりも。

 色恋、そして結婚。

 普通の人間はそれはそれで、

 何かを諦めながらも満足して、

 それを幸せとも呼ぶだろう。

 しかし芸術家は違う。

 才能ある華道家なら、色恋など

 という俗なものに溺れるな!

もも) 嫌だよ。それじゃ私は

 ずっと独りぼっちじゃない。

市松) それでいい。

 だから…だからこそお前の前に、

 もう一人の自分が現れる。

もも) 嫌だ…。

市松) 仕方ないんだ。

 それが宿命というものだ。お前は、

 月島の家元の娘として生まれた。

もも) また恋をしろって言ったじゃない。

 新しい恋を…!

市松) こうも言ったはずだ! 

 そしてその男を切り捨てて、

 罪悪感を持って立ち直れと。

もも) 私は…。

市松) そうだ、お前はなるんだ。

 この月島の…。

もも) 家元になんか絶対にならない!

市松) 「なれない」だ!

 ああ、今のままではな。

もも) あなたを…

 あなたを絶対に許さない!

市松) いや、いずれ感謝をする。

 

**********

 

なな) どうして…。どうしてそんな…。

 どうして意地悪するの?

龍一) 俺は運命を信じてる。

 君と違ってね。

なな) 私も…。

龍一) 家元と結婚する。

 それが俺の運命だ。

なな) 分かった。

 私が家元になったら…。

龍一) 何だって?

なな) それが運命になるのね?

 あなたの。

 

**********

 

直人) 中学2年の時以来、

 傷ついたことはないんです。

もも) まさか。

直人) それが…ホントなんですよ。

もも) 中学2年?

直人) 親父が…死んだ日です。

もも) あぁ…。

直人) 普通の、自転車のオヤジです。

 よく、母親に、小言言われてた。

もも) そう。

直人) 絵に描いたような、善人で。

もも) へぇ~。

直人) 「ひとの悪口だけは、言うな。

 口に出さなけりゃ、そのうち思わな

 くなる。そしたら、心にある池が透き

 通る。そんなことだけで、人は半分、

 幸せになれる」。

もも) 素敵ね。

直人) はい。

 親父に偉いって褒められたくて、柄

 にもなく、勉強した時期もありました。

もも) ぷーさんみたいな人だったの?

直人) 俺は、違うんです。

もも) 違う?

直人) 俺は…違う。

 傷ついて、憎んだんです。

 この世界の不条理を。

もも) 不条理?

直人) 大好きだった父さんを、

 突然、奪われて…。

 何で俺の父さんなんだ。

 もっと…世の中、悪いヤツ、 

 たくさんいるじゃないか…。(泣)

 何で俺の父さんなんだ…。(泣)

 俺の物語は、多分、

 そこで終わったんです…。

 すいません…。

 男のくせに泣いたりして。

 こういう時もきっと…イケメンだったら、

 絵になったりするのになぁ。(泣)

もも) ねぇ、知ってる?

 クマのぬいぐるみが、

 何であんなに、汚れてるか。

直人) え?

もも) 私たち女子の…。

 よ・だ・れ…って。

(直人にキスをするもも)

(直人を抱きしめるもも)

 

**********


やっぱり、良くも悪くも野島伸司だなあと…。

ところどころ、ムズムズさせられるのだけれ

ど、直人のキャラに惹きつけられる。直人と

もものキスシーンに、目が釘付けになる。い

いわ~プーさん。ももより先に、ぷーさんに

恋してしまいそう。まったくタイプじゃないの

にね。演じる役を選ぶのって大事だわ…w

 

 

●「高嶺の花」HP

 

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「高嶺の花」第1話

「高嶺の花」第2話

「高嶺の花」第3話

「高嶺の花」第4話

 

「高嶺の花」第5話

「高嶺の花」第9話

「高嶺の花」第10話

 

 

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