「高嶺の花」第5話 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「高嶺の花」

 


第5
 

もも) ぷーさんもすごいよ。

直人) えっ? あっ…。

もも) フフ…ちょっと待って。

 そっちの話じゃない。アハハ…。

直人) ですよね。
もも) 私の正体知っても

 ビビらなかったでしょ?

直人) 驚きましたよ、そりゃあ。

 深窓の令嬢。一般庶民が、会う事も

 話す事もない。本物のお嬢様って。

もも) 驚いたけどビビらなかった。

直人) ああ。

もも) 何? バカなの? 鈍感力?

直人) えっ?

もも) まだピンと来てないだけ?

直人) う~ん…。あなたは、

 自分で言ってましたけど。

 俺もず~っとそう思ってましたから。

 ほら、高嶺の花って。

もも) うん。

直人) それは、あなたがどんな家柄

 とか、そういう意味じゃないんです。

もも) どういう意味?

直人) 違うものが見えてるんですよね。

もも) ん…?

直人) とても高い場所に、

 咲いているから。本来、

 摘もうとしたら、いけない花です。

もも) でもぷーさんは摘んだのよね?

 い~けないんだ、いけないんだ。

 先~生に言ってやろ! はいっ。

 フフフ…。

直人) い~けないんだ、いけないんだ。

 先~生に言ってやろ。

もも) ハハハ…。いけなくないわよ。

直人) あなたは華道家だから。

もも) 「生ける」?

直人) 「いける」。

もも) う~わっ! アハハハ! 

 寒~! ハハハ…。

直人) フフフフ…。

 

**********

 

坂東) 崖っぷちに咲いてる花に

 決して近寄っちゃいけないよ。

 そうやってケガする。

 「高嶺の花」、っていうんだ。

宗太) 高嶺の花?

坂東) 高い嶺に咲く花さ。人の手に

 摘まれたくないんだね、きっと。

 腹減ったろ? 朝飯にしよう。

 僕は坂東っていうんだ。

 「イルカさん」と呼んでくれ。

宗太) イルカ?

坂東) フフ…バンドウイルカさ。

 

**********

 

坂東) 日本一周か。

宗太) いや…ギャグだよ。

坂東) その自転車屋さん面白い人だね。

宗太) はぁ? バカだろ。

 適当なんだよ。マジ、あほなんだよ。

坂東) いや、だって君…家にいたら

 いつかおかあさん殺しちゃったろ。

 全てが気に入らない、その元凶は母親。

 …って話だもんね。その自転車屋さん、

 きっと結構、頭がいいね。

 もう行っちゃうの? 寂しいな。

 

**********

 

もも) ごめんなさい。まさか拓真が…。

市松) 因果応報というやつだ。

 彼を責める気はまるでない。

もも) そう…。

市松) 多少でも罪悪感が減って、

 気持ちは楽になった。

もも) 父さんにも罪悪感が…?

市松) お前が言ったように、家元の娘

 じゃなかったら、一人の父親として、

 吉池君との結婚も、祝福できたろう。

 断腸の思いで、彼との結婚を壊した。

 お前の母親との約束だからだ。

もも) え…?

 

**********

 

高井) もも様は、生まれた時にはもう、

 母親がなかった。君にも実の母親の

 話をしないのは、もも様自身が、

 情報を持たれないからだ。

直人) 母親の?

高井) 知れば苦しむだろうからね、 

 とても。胎盤に問題が起きてね。

 母体と子供の選択になってしまった。

 奥様は…もも様の身代わりになられ

 たんだ。

 

**********

 

市松) 私は反対した。

 妻の命が何よりも大切だったからだ。

 愛する妻の。しかし彼女は、どうしても

 出産すると言ってきかなかった。自分

 の命を危険にさらしても。彼女はそれ

 どころか、私を説き諭す言葉さえ繰り

 返した。「あなたは家元であり、この子

 は、月島を継ぐ子なのだから」と。「自

 分の命に代えても、産む価値のある子

 なんだ」と。「私は、家元の子供を産め

 ることが、この世に生きた証しになるの

 だから」と。「どうかそれを奪わないでく

 ださい」。「連綿と続く月島の系譜に、

 私も、この子のおかげで残れるのだか

 ら」と。そうして、毅然とお前を産み、一

 度もその手に抱くこと叶わなかったが、

 やすらかな微笑みをたたえて、逝って

 しまった。だからこそ、彼女の願いを叶

 えるために、何としても叶えるために、

 お前の才能をつぶすわけにいかなか

 った。月島を離れるなど…許すわけに

 いかなかったのだ。娘の結婚を、父親

 として、壊すことになったとしても。

 

**********

 

高井) 寂しいお方だ、もも様は。

 哀しいお方だ。

 華道の天分を持って生まれ、さらに、

 人とは違うものが見える所におられる。

 極限の孤独をお持ちになる方だ。

 だから、一方で極端になってしまう。

 とてつもなく強い反面、

 あまりにもろく、壊れやすい。

直人) はい。

高井) だから、君にはやはり、

 無理だろうと言ってしまった。

 言葉が過ぎたが、もも様を受けとめる

 ことなど、とても無理だろうと。

直人) はい。

佳代子) そうかな?

高井) ん?

佳代子) ごめんなさい、お話し中。

直人) 佳代子。

佳代子) いろいろ、何となく、分かった

 ような分かんないようなだけど、高井

 さんのおっしゃることってやっぱり、

 男の理屈に聞こえちゃう。

直人) よせよ。

佳代子) ふさわしいとかふさわしくない

 とか、余計なお世話なんですよね。

 男に受け止めてもらう?

 何なら逆でしょって。

 それに、ぷーさんとももさんは、

 まんざらお似合いじゃないこともない。

 そう思いますよ?

直人) やめろって。すいません。

高井) いや…。

佳代子) ノープロブレムよ! 

 問題ナッシング!

 

**********

 

市松) もも。

もも) 分かった。

 わかったからもう…。

 元の自分を取り戻す。

 もう一人の自分を、

 引っ張り出せばいいのね。

市松) ああ。

もも) 方法は分かってるのね?

 そう…罪悪感なのね。

市松) そうだ。

もも) やれるか分からない

 じゃなくて、やるのね。

市松) すまない。

もも) いいのよ。

 それが私の…宿命なんでしょ。

市松) お前の母親が望んだ。

もも) ママが…。

 

**********

 

(回想)

節子) 朝から機嫌がいい女なんて、

 久々に亭主に抱かれた以外、

 あり得ないねぇ。

 要は、不機嫌なくらいが、

 安心できていいってこと。

 抱かれたわけでもないなら…

 フッ、ホント、要注意よ。

 意味不明な上機嫌や点数稼ぎはね。

 そのうち、何かおねだりをされるか…

 フフ…普通にしてたらバレそうだから、

 ごまかしてんのよ。嘘と、裏切りを。

 

**********

 

もも) ねぇ、どうして?

直人) え?

もも) どうして合わせてくれるの?

 何でもかんでも。

 もしかして現実感ない?

 スピードが速過ぎて。

直人) スピードはともかく、確かに、

 現実感はあまりないかも。

もも) そうよね。

直人) 竜宮城にいるみたいで…フフ。

もも) フフ…。

直人) 何でもかんでも合わせてるのは、

 そのせいです。ほら、浦島太郎は、

 現実に戻ったら、ひどいことに

 なっちゃうじゃないですか。

もも) そうね。誰も知り合いがいない。

 時間は恐ろしく過ぎていた。

直人) はい。ですから…。

 景気が良かった頃の、じいちゃんから

 ばあちゃん。ばあちゃんから父さん。

 父さんから母さん。母さんから、俺。

もも) 俺から…私?

直人) サイズは後で直しましょう。

もも) えぇ~…。

 これってもしかしてあれじゃない? 

 浦島太郎がもらったらヤバいやつ

 じゃない?

直人) 玉手箱ですね、フフ…。

もも) え~…開けたら私、白髪の

 おばあちゃんになっちゃう?

直人) 大丈夫です。

もも) え~?

 おばあちゃんは嫌だよ。

直人) それでも…愛します。

もも) うわ~…!

 かゆい、かゆい! うわ~…!

直人) そんな~。

もも) ハハハ…! ハハ…。

(ケースを開けるもも)

もも) これって…。

直人) 人魚の涙から生まれました。

(指輪を指にはめるもも)

もも) アクアマリン。

 

**********


何気に同時進行している眼鏡デブ君の話が

面白くなっている。イルカさんのキャラもいい。

ぷーさんがイルカさんの顔を見て、大丈夫と

判断するの、よくわかる。顔は履歴書だから。

 

家元市松の、ももの母親の話が本当なのか

怪しいけれど、「罪悪感」というキーワードを

受け止めてしまうもも。家元、恐るべし~!

 

節子) 朝から機嫌がいい女なんて、
 久々に亭主に抱かれた以外、
 あり得ないねぇ。
 要は、不機嫌なくらいが、
 安心できていいってこと。
 抱かれたわけでもないなら…
 フッ、ホント、要注意よ。
 意味不明な上機嫌や点数稼ぎはね。
 そのうち、何かおねだりをされるか…
 フフ…普通にしてたらバレそうだから、
 ごまかしてんのよ。嘘と、裏切りを。

 

普通にしてたらバレそうだからごまかしてい

るっていうのはちょっとわかるかも。上機嫌

でも不機嫌でも、いつもと違うのは要注意。

急に亭主が優しくなるのも要注意だよねw

 

 

●「高嶺の花」HP

 

「高嶺の花」関連ブログ↓

「高嶺の花」第1話

「高嶺の花」第2話

「高嶺の花」第3話

「高嶺の花」第4話

 

「高嶺の花」第5話

「高嶺の花」第9話

「高嶺の花」第10話

 


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