「高嶺の花」第10話(最終回) | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「高嶺の花」

 


第10話(最終回)

千秋) 入り口、浮気なんて、

 バレなければいい。

直人) 犯罪者の理屈ですかね。

 バレなければって。

千秋) えっ?

直人) つまり浮気って、

 ホントは後ろめたい、犯罪だと思ってる。

千秋) まぁ。

直人) ひどいことだって。

千秋) それは…。

直人) でも、なぜするヤツがたくさん

 いるかっていったら、顔がその間は、

 思い浮かばないからですかね。

千秋) 顔?

直人) 彼女や、奥さんのことを、その時、

 忘れてるんです。でも俺、今も浮かん

 じゃってるんです。ももさんの顔が。

 笑った顔。すねた顔。怒った顔。

 泣いてる顔。くるくるいろんな表情、

 ず~っと、浮かんじゃってるんです。

 だから…すいません。

千秋) そう…。

直人) こういうの、男っていうか、オスと

 しては情けないのかもしれないけど。

千秋) 女が浮気を許さない。そうだよね。

 その間、忘れられてるのが分かるから、

 だから惨めで、一緒にいるのが耐えら

 れない。

直人) はい。

千秋) でも、そうじゃない女もいる。

 男なんて浮気する。デ~ンって構えて、

 許してあげる。そういう人が、大人の女

 っていう評価も。

直人) 俺は、そういう女性には、引かれ

 ないです。好きな人、彼氏、旦那さん。

 裏切られたら、自分がぶっ壊れてしまう、

 そういう女性がいい。絶対に。

 

**********

 

もも) 私?

 

**********

 

直人) おそば屋さんの、分厚い湯飲みと、

 薄くて、もろいティーカップ。どちらが、

 割れにくいと思いますか?

 

**********

 

もも) ハハッ、分厚い湯飲みでしょ。

 

**********

 

千秋) 分厚い湯飲み?

直人) 高嶺の、高級なティーカップは、

 それでも割れません。

千秋) 何で?

 

**********

 

もも) 何で?

 

**********

 

直人) 大切にされるから。

 俺が、大切にするからです。

 

**********

 

もも) ありがとう…。ありがとう。(泣)

 

**********

 

なな) 私ね、初めて人を好きになったの。

 全てを投げ出してもいいと思えるほど。

もも) なな。

なな) それはね、逆を言えば、華道は私

 の中で、それほど大事ではなかったとも

 いえるの。お姉ちゃんのようには。

 お花を嫌いになりたくないの。

もも) なな…。

なな) お家元は許してくれた。

もも) えっ?

なな) 私を破門にするって、お家元が…。

 あ~…ううん。お父さんがそう言った時、

 何だか、とても優しい顔に見えた。

もも) 優しい…?

なな) 肩の荷が下りたっていうのかな?

 本当は、

 これが望みだったのかもしれない。

もも) どういうこと?

なな) やっぱりお姉ちゃんを

 家元にしたいのよ。

もも) まさか、私は…。

なな) 血がつながってない?

もも) そうよ。

なな) だったら何?

もも) 本当の娘じゃないの。

なな) うん…。だったら何? ウフフ…。

 う~ん、愛されてなかった? お父さんに。

 

(回想)

市松) この花の名前は?

もも) ガーベラ。

市松) これは?

もも) マリーゴールド。

市松) そう、いい子だ。

 

**********

 

龍一) それでは、初めからあなたは、

 ももさんを次の家元と?

市松) ななの中に、才能を見いだし

 たいという思いは、多少なりともあ

 っただろうか。

龍一) ななさんも才能はあります。

市松) しかし天分がない。やはり天分が

 ない者には努力で補える限界がある。

龍一) それは…。

市松) 天才たちの、人生を懸けた

 戯れなのだよ、芸術は。

 私は君を買っているのだよ。

 確かに、君の言うように、

 殿様商売の時代は終わった。

 華道を、ビジネスの面から支えて

 もらうのは、大切な事かもしれない。

龍一) ええ。

市松) ももとの婚姻を進めてもよいな?

龍一) は?

市松) 初めに言っていただろう。

 娘を欲しいと。

龍一) いや、それはあくまでも…。

市松) ももは…本来のももなら、

 兵馬様にも勝る天分を持つ。

龍一) 華道から離れれば、

 体に変調を来すほどでしたね。

市松) その時のももを…。

 兵馬様をもひれ伏させるももの天才を、

 その目で見たいとは思わんかね?

龍一) 兵馬が、ひれ伏す…。

 

**********

 

市松) ももよ。

もも) お家元。

市松) 月島の、正式な次期家元に。

もも) はい。

 

**********

 

もも) 家元になります。

直人) えっ?

もも) いろいろありましたが、最終的に

 私が、月島の次の家元、第十六世に。

直人) よかっ…たんですよね?

もも) はい。

 今まで…ホントにありがとう。

直人) いや、俺は別に…。

もも) ありがとうございました。

直人) ハハ…。

 何だか、口調がいつもと…。

もも) 人は、

 支え合って生きて行くといいます。

直人) はい。

もも) 一人で立てない者同士が

 寄り添うのは、共依存です。

直人) はい。

もも) 風間さんは、一人で立てる人。

 強い風、嵐が吹いても、

 倒れない木です。だから、一人で

 立てない私は寄りかかってしまう。

直人) それでいいじゃないですか。

もも) いいえ。

 いつかあなたも折れてしまう。

 時には逆に、支えてくれる相手 

 じゃないと、共倒れに。

直人) ももさん?

もも) 私には無理です。

 いつも、自分のことばっかりで、

 いっぱいいっぱいになってしまう。

直人) 真面目か、フフ…。

もも) 私も、一人で立てるように

 なりたいんです。

直人) あの…。

もも) そのためには、私は、華道かと

 しての自信を取り戻すしかない。そ

 れが、いつのなるか分からないけど。

直人) 待ちますよ。大丈夫。

 待たれるって重いですかね?

 なら、お友達ってことで。

 これで…。

もも) さようならです。

直人) なら、お弁当って…。

 一人で最後の晩餐って意味ですか?

もも) いや…

 そんな深い意味はないけど。

直人) あなたの作ったお弁当を食べたら、

 血となり肉となってますます忘れられ

 なくなりますよ、ももさん、絶対に!

もも) なら返して!

直人) いやいや食べますけど。

もも) ハァ…。高級なティーカップは

 割れないって?

直人) えっ…。あっ、はい。

もも) 大切にされるから?

直人) はい。

もも) それにふさわしい高級な

 人間になりたいの。

直人) そういう人間ですよ。

 すごい芸術家なんですから。

もも) だから、その芸術に自信が持て

 ない今は、その言葉もむなしいって話。

直人) ですから、そのうち…。

もも) そんな簡単じゃない。

直人) はい、すいません。

 それは分かってます。

もも) 分かるわけない!

直人) はい。凡人にはわからないです。

もも) ねぇ、何なの!?

 ねぇ…何ジタバタしてるの?

 いつもなら、「はい分かりました」って。

 何なら、「生きててくれるだけでいい」

 …って超カッコつけてたくせに!

直人) それは…状況が違います。

もも) 何が?

直人) 「何が」って…

 いや、体感っていうか。それでも…

 そんなこと言ってても、またももさん

 は連絡くれるに違いないって、

 そんな気がしてたから。

もも) 今までは高をくくってた?

直人) そうなのかも!

 でも、今は、何か、ザワワザワワって。

 見てください。ここ、鳥肌。虫も…何か

 うるさいくらい知らせるんです。「おい

 おいこれ、2度と会えなくなるぞ」って。

もも) いい勘してる。

 ぷーさんも芸術家になれるかもね。

直人) 勘弁してください。

 ただの危険察知能力です。

もも) 勘弁しない。もう仕方ないの。

直人) いやいや、

 「仕方ない」なんてそんなの…。

もも) 家元になったら、

 もう完全に住む世界は違うの。

直人) 一緒です! 地球人です!

 ウィー アー ザ ワールド。

もも) 一人で歌って。

直人) ケータイは?

もも) 着拒!

直人) SNS!

もも) ブロック!

直人) はい…。

もも) 終了!

 ありがとうございました。

 

**********

 

佳代子) 諦めよう、ぷーさん。ホントに

 よく頑張ったし、あそこまで女性に寄り

 添うなんて、なかなかできない。

芽衣・秋保) うん。

直人) まだ何かしてあげたい。あんなに、

 必死に生きてる人、いないもん。

太郎) これは引きずるなぁ…。

幸平) 男は未練がましいからな。

直人) 母さんが言ってた!

 男が未練がましいのは、

 余力あるまま別れるからだって。

 そうだ! 花だよ、花!

幸平) えっ?

直人) 草太が、

 摘もうとして落ちちゃった花!

 それを今から摘みに行く!

佳代子) ちょっと何言ってるのよ!

直人) だって、高嶺の花だよ?

 それ摘んで、プレゼントしたら、

 きっと…!

秋保) 意味ないってそんなの。

芽衣) 危ないし。

直人) だって…!(泣)

 

**********

 

もも) 私は、お花。

 

**********

 

直人) 俺は…英雄になる!

 うあ~~~!!!

 

**********

 

もも) なな見て。分かる?

なな) ん?

もも) いつかあなた言ってたね。

 好きな人がいる方が、勇気が湧くって。

なな) あぁ…でもそれって…。

もも) そうよ。そんなのおままごと。

 あの時そう言ったわ。

なな) うん。

もも) でも分かった。

 その思いを、真っ直ぐに、

 極限まで昇華すればいい。

なな) お姉ちゃん?

もも) 迷わないで。

なな) 迷わないで。

もも) 私ならできる。違う?

なな) あなたならできる。

 お姉ちゃんは天才だもん。

もも) 私は、お花。

(抱き合うななともも)

なな・もも) 私たちは…お花。

 

**********

 

もも) その方は、私が悲しいと言えば、

 「愛ある証し」と、答えてくれました。

 怒っていたら、「もっと怒っていい」と、

 言ってくれました。

 その方は、分け隔てなく、

 全ての土地を照らす、太陽なのです。

 こんな時代に、

 いつでも優しくあり続けることが、

 どれほど困難か。

 自分の価値観を固定せず、

 ひとの価値観を全て受け入れる。

 聡明で、高潔な魂。

 花は…花はただ、

 その日差しに顔を向けています。

 一番キレイな顔を、

 太陽に向けています。喜びに満ちて。

 

**********

 

君がいつか誰かに言うのを想像する。

「大丈夫だから」。

君がいつか誰かに言うのを想像する。

「僕がついてるから」。

 

**********

 

もも) ならば私も花になりましょう。

 そこに太陽を…

 あの方を思い浮かべましょう。

 花が素直に、ただ、太陽を向くように。

 私も、あの方に顔を向ければよいのです。

 あなたの、暖かな日差しに感謝をして、

 愛と、喜びに満ちて。

市松) 千恵子…。

もも) 私はお花。

 私のお花は、何の邪気もない。

 ありのままの私。

 その、求愛にございます。

兵馬) 求愛…。

もも) たとえ、この思いが叶わずとも、

 何の痛みもありません。

 あなたこそが、太陽だと、

 唯一無二の、日差しであると、

 今、分かるのです…。今になって。

 お慕い、申し上げております。

 

**********

 

兵馬) 皆さんいかがですか?

 私は…。言葉もない。

(花を置く、兵馬と市松を除く家元たち)

市松) これは…月島ではない。

もも) はい、お家元。

 ももは、自分の足で立ちたいのです。

 私に、新流派の立ち上げを、

 お許しください。

市松) 何ら格式のない、

 名もなき、初代家元としてか?

もも) はい…。お父さん。

市松) ももよ…いばらの道を行くのか?

もも) 一人ではありません。

 支え合う人が。

市松) 見事では、あった。

(花を置く市松)

(頭を下げるもも)

 

**********

 

なな) 行くとこないの。

龍一) ああ。

(ななを抱きしめる龍一)

龍一) ここにいてくれ。

なな) ずっとよ? 

 ず~っと。ず~っと!

龍一) それが君の…。

なな) 運命。

龍一) ハハッ。

なな) ハハハ…。

 

**********

 

もも) おかえりなさいませ。

直人) あっ…はい。

もも) ふつつか者ですが、

 末永くよろしくお願いいたします。

直人) また、スピーカーで、

 誰かが聞いてます?

もも) ん?

直人) 佳代子の店だ。

 みんな聞いてるんだ。やだな~

 引っ掛かりませんから!

もも) 月島のお家元はパス!

 この商店街で、新しいお教室を開く。

直人) いや…

 俺、そもそも、お金ないですし。

もも) いや、お金なんてほとんど

 かからんでしょうが。

直人) それに…。

もも) 何? まだ何かあんの?

直人) あの、元カレさん、

 引きずってるんですよね?

もも) 引きずってねえわ! 子供生ま

 れていいパパになってんだわ。

直人) いや…心の準備が。

もも) はぁ~?

直人) 何せ、俺なんかには、

 高嶺の花ですから。

もも) 高嶺の花よ!

 だけどいいじゃない。

 あなたには十分資格あるでしょ?

 その花を摘む。

 

(回想)

節子) どんな夢も、現実になるよ。

 夢を叶える力がある。

 だまされやしないよ~。

 いつかお前は、本物の愛を、

 手に入れる。だって、

 私ととうさんの息子なんだから。

 

直人) うぅ…。こちらこそ、

 よろしくお願いします!(泣)

もも) アハハ…。アハッ。よし!

 

**********

 

宗太) ありがとう!

 自転車、返します。

もも) おかえり!

一同) おかえり~!

(歓声と拍手)

直人) 宗太! おかえり。

宗太) ぷーさん、ただいま。

直人) 大丈夫だったろ?

宗太) うん!

 

**********

 

宗太・母) おかえり。

宗太) 母さん…。

 俺もう…大丈夫だから。

(歓声と拍手)

 

**********

 

もも) さぁみんな、

 楽しんでお花を生けて。

 そう、一番大切な人を

 心に思い浮かべて。

 

**********


どうせファンタジーなら、こうでなくっちゃね~!

さすが野島伸司。ファンタジーに酔わせてもら

ったよ。うん。作り物と分かっていても泣けた。

芸術家というファンタジーも、ありそななさそな、

そういう人もいるかもね~レベルで楽しめたw

 

いつも悟ったような顔で、余裕を見せていた直

人が最後の最後に粘って抵抗してみせたのに

キュンとした。手放してはいけない人を見つけ

たら、全力で取りにいかなくちゃね。それがた

とえ、崖の上に咲く、高嶺の花だったとしても。

 

こんな時代に、

いつでも優しくあり続けることが、
どれほど困難か。
自分の価値観を固定せず、
ひとの価値観を全て受け入れる。
聡明で、高潔な魂。

 

ぷーさんのような人は、なかなかいないよね。

本当は、ぷーさんこそが、高嶺の花なのかも

しれない。ぷーさんみたいな人に会いたいよ。

 

君がいつか誰かに言うのを想像する。
「大丈夫だから」。
君がいつか誰かに言うのを想像する。
「僕がついてるから」。

 

野島伸司らしい…ドラマだった。いい意味で!

 

 

●「高嶺の花」HP

 

「高嶺の花」関連ブログ↓

「高嶺の花」第1話

「高嶺の花」第2話

「高嶺の花」第3話

「高嶺の花」第4話

「高嶺の花」第5話

「高嶺の花」第9話

「高嶺の花」第10話


2018「ドラマ」関連ブログリスト

 

 

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