テレビ東京開局55周年特別企画ドラマスペシャル「Aではない君と」 | 日々のダダ漏れ

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テレビ東京開局55周年

特別企画ドラマスペシャル

「Aではない君と」

 

 

 

吉永) すまなかった、翼。
 本当にすまなかった。
 あの日父さんが、

 お前の電話に出てれば、お前を、

 こんなに苦しめる事にはならなかった。
翼) 人を殺したら、
 苦しまなくちゃいけないの?
吉永) えっ?
翼) 動物を殺すのは許されるのに、
 人は殺しちゃだめなの?
吉永) 何言ってんだよ?
 動物だって殺しちゃだめだ。
翼) でも僕が捕まったのは、
 ペロを殺したからじゃない。
 ペロはかわいそうだった。
 ハムスターも。
 でもアイツのことは可哀想だとか
 悲しいとか思わない。
吉永) やめなさい!
翼) アイツは…。僕の心を殺した。
 それでもアイツを殺しちゃいけないの?
 心を殺すのと、体を殺すの、
 どっちが悪いの?


**********


藤井) 吉永さん。

 優斗は、あなたの息子に、ひどい事を

 したかもしれません。どうしてそんな事

 をしたのか、私も、息子に聞きたい。

 あなたがそうしたように。

 生きていてくれれば、過ちを反省させ

 る事もできた。しかし、もう…。

 あの子は、殺されなければならない程、

 悪い人間じゃなかった。
吉永) 本当に申し訳ございませんでした。
藤井) 約束してほしいことがあります。
 優斗が、あなたの息子にした事を、公に
 しないでください。そちらにも言い分はあ
 るでしょう。しかしあなたの息子は、加害
 者であるがゆえに守られてる。殺された

 優斗は、容赦なくプライバシーを暴かれ、

 どれだけ貶められても、言い訳ひとつで

 きません。親として、守ってやりたい。

 優斗の、名誉だけは。もうひとつ…。

 あなたの息子が更生したら、

 ここに連れてきてください。

 息子を殺された、私の前に。

 それが、人の命を奪ったうえで、なおも

 生きて行く者の、最低限の務めだと、

 私は思います。約束してくれるなら、

 損害賠償請求は起しません。
吉永) わかりました。
藤井) 話はそれだけです。

 お帰りください。

**********


殺された子の親と、殺した子の親。
この人と俺は、
あるいは反対の立場だったかもしれない。

 

**********

 

吉永) 翼はうれしくて泣いたんです。

 自分が作ったチャーハンを、

 私が食べた。ただそれだけのことで。

 心より、体を殺すことが悪い。

 どんなに苦しくても、生きてさえいれば、

 一緒に飯を食うことができる。

 でも、藤井さんには、もう決して…

 決してかなわないことです。

神崎) 心と体…。

 もちろん、どちらもよくないことです。

 ただ…心は、心だったら、

 まだ、改め、正すことができる。

 その支えにもなってあげられる。

吉永) そう信じたいです。

神崎) でも、ここからが始まりです。

 贖罪に、決してゴールはありませんから。

 

**********

 

吉永) お焼香を、させて頂きます。

藤井) お父さんだけにしてください。

 お父さんに言われたから来たのか?

吉永) 本人がお目にかかりたいと

 言うので、連れてきました。

藤井) 優斗を、

 恨んでるんじゃないのか?

 自分は本当は被害者だって。私は

 更生した姿を見たいと言ったんだ!

 君は…更生したのか!?

翼) わかりません。

藤井) これを見なさい!

 優斗の、机の、引き出しに入ってた。

 君の顔なんか見たくもない!

 でも、この写真の優斗が、

 とてもいい顔をしてるから、

 捨てられなかった!

 君のところだけ、

 引き裂いてやろうかと思った。

 だけどできなかった。

 そんなことをしたら、優斗の顔が、

 曇ってしまいそうな気がしたから

 できなかった! そういう気持ちが、

 君にはわかるか!?

翼) ごめんなさい。(泣)

 優斗…優斗、ごめん。

藤井) (写真を)返しなさい。返しなさい!

吉永) 翼、返しなさい。大切なものだ。

僕は、優斗を…。

吉永) 返すんだ、翼。私の責任です。

翼) (泣)

吉永) 私が、しっかりとこの子に、連れ

 添ってやれれば、こんなことには…。

 ホントに申し訳ございませんでした。

藤井) 一度だけ、焼香してもいい。

 でもそれが済んだらすぐに出ていけ!

 二度とここには来るな!

翼) あ~っ!(泣)

 

**********

 

犯した罪を、

どうやって償えばいいのだろう。

お前は、考え続けなくちゃいけない。

いつか、父さんが死んで、

一人きりになっても。

 

それでも、人生の最期に父さんは、

きっと、お前の幸せを願う。

吉永翼…。

少年Aではない、お前の幸せを…。

 

**********

 

原作の小説は未読。この重い内容の話をドラマ

化するのは、それこそ覚悟が要っただろうなと。

被害者、加害者、そして被害者の家族、加害者

の家族になってしまう可能性は、ゼロではない。

 

翼) アイツは…。僕の心を殺した。
 それでもアイツを殺しちゃいけないの?
 心を殺すのと、体を殺すの、
 どっちが悪いの?

 

もちろんどっちも悪い。心を殺すのも体を殺す

のもどっちも悪い。どちらもあってはならない。

 

吉永) 心より、体を殺すことが悪い。
 どんなに苦しくても、生きてさえいれば、
 一緒に飯を食うことができる。
 でも、藤井さんには、もう決して…
 決してかなわないことです。
神崎) 心と体…。
 もちろん、どちらもよくないことです。
 ただ…心は、心だったら、
 まだ、改め、正すことができる。
 その支えにもなってあげられる。

 

体を殺す方が悪いのは、全ての可能性が失わ

れてしまうから。人は変われる…かもしれない

から。もちろん、変わらないことも多い。罪を償

い更生する者もあれば、何度も何度も犯罪を

繰り返す人間もいる。でも、死んでしまったら、

奇跡は起こらない。変化する可能性は消える。

 

殺しそうになるほど追い詰めてしまったり、殺

されると思うほど追い詰められてしまったり…。

被害者になるか、加害者になるか。どちらにで

もなりうる危うい際に立っているのではないか。

どうしたら両者を救えるのか。自分を殺したり、

他人を殺したりさせずに済むのか。止められる

のか。私たちは…気づく事ができるのだろうか。

 

いろんなことを考えさせられた。どうしたらいい

のか。何ができるのか。答えは、見つからない。

ただ、考え続けようと思う。思考停止してしまっ

たら、あきらめたら、そこで終了してしまうから。

 

 

●「Aではない君と」HP


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