「カーネーション」(再放送)第132回~第23週「まどわせないで」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「カーネーション」 
第132回~第23週 「まどわせないで」

 

 

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「日々のダダ漏れ」

 

 

<小原家・表>

栄之助) お前先行ってくれ。

譲) え? 何言うてんねんお前。

 お前の話やないか。

 ちょちょっ…。

栄之助) こんにちは~。

糸子) こら! うちの、敷

 居またぐなちゅうたやろ!

 えい! えい! えい!

栄之助) ああ~やめて下さい。

 ごめんなさい! すいません!

 帰ります。帰ります。

 

**********

 

<店>

(お茶を運んでくる里香)

糸子) あ、いらん。

 この子ら、すぐ帰るよって。

栄之助・譲) いやいやいや…。

栄之助) 先生、今日は、ほんまに

 きちんと、準備をしてきたんです。

糸子) 3つともこっち置き。

 全部うちが飲むさかい。

(糸子の前にお茶を並べる里香)

(企画書を差し出す栄之助)

(「オハライトコ・プロジェクト」

 と書かれた企画書)

糸子) 何や?

栄之助) 本日は、糸子先生に、

 改めて、お願いに上がりました。

 実は、こないだのあの、スワトーの

 生地を使って、先生に、スーツを、

 デザインして頂けないかと。

 要は、先生のお名前の、プレタポルテ

 を、やらせて頂きたいんです。先生に、

 お考え頂いたデザインと、この生地、

 これを持って、僕が、営業してきます。

 言うても、うちのお得意さんは、着物

 のお客さんですから、洋服をどれだ

 け買うてもらえるかは、正直、あたっ

 てみんと分かりません。けど、目の肥

 えた、年配の女性が多いのは確かで

 すから、あながち、的外れではないと

 思うんです。それに、先生の人気は、

 僕の知ってるおばちゃんには、絶大で

 すから、絶対売れる気がするんです。

 先生?

(目を閉じ、考える糸子)

栄之助) どないでしょう?

 お手伝い、願えませんでしょうか?

糸子) 里香。

里香) は~い。

糸子) にいちゃんらに、

 お茶出しちゃって。

里香) はい。

栄之助・譲) ハハハハハハハ…。

糸子) まだや!

譲) え?

糸子) まだ喜びな!

 ちょっと、時間くれるか?

 考えさせてもらうよって。

栄之助) はい! どうぞ、

 よろしゅうお願いします。

糸子) はあ~

 ややこしい話持ってきなや。

(お茶を飲む糸子)

糸子) うちは金輪際、

 既製服はやらへんねや。

 

**********

 

ほんでも、あのアホぼんが、

初めてキュウキュウ絞った知恵を。

 

糸子) 無駄にする訳にはいかんわなあ。

(糸子を見る浩二)

糸子) なあ。

浩二) はあ。

澄子) こんにちは!

孝枝) まあ、いらっしゃい!

糸子) はれ、

 いや~来てくれたんかいな!

澄子の母) 娘らが、行け行け言うて

 うるそうてな。根負けや。

 久しぶりやな、小原さん。

糸子) うん、なあ。元気そうやな。

 

**********

 

糸子) そっち取って。

孝枝) はい。

(客の体に生地を合わせる糸子)

糸子) これやな?

孝枝) これですわ。

糸子) なっ、これ、どない?

澄子の母) もうどれでもええよ。

糸子) 何でや? ちゃんと見てえや。

 せっかくこさえんやさかい。

澄子の母) もうどれ着ても、ばばあや。

糸子) そら、ばばあが乙女にはならん

 けどやな。娘さんらが、こんなけきれ

 えなお母ちゃん見たがってんや。なっ。

澄子) せやで、お母ちゃん。

糸子) お母ちゃんはきれえにして笑て

 んのが仕事や。そう思わへんか?

澄子の母) えらい仕事やな。

糸子) そらせや。仕事やさかい。

 お互い頑張ろよ。ねっ。

 

**********

 

孝枝) はい、こっち持ちますよ。

 せ~の、よいしょ!

(客を立たせ、目でサイズを測る糸子)

糸子) あ~フフフ。よし、ええで!

澄子) ほんまかいな、もう。

孝枝) ほな座りましょ。はい。

澄子) これでええんやったら

 うちも作らせてほしいわ。

糸子) ハハハ。なあ?

 

**********

 

<表>

澄子) 先生、ほんまにおおきになあ。

糸子) こっちこそおおきに。

 ま、任しとき。絶対ええのんでけるで。

澄子の母) おおきに。

糸子) 気ぃ付けてな。

澄子) さいなら。

孝枝) おおきにありがとうございました。

糸子) ありがとう。

澄子) お母ちゃんよかったなあ。

孝枝) 先生、やっぱしオーダー

 メードてええもんですねえ。

糸子) 嫌な事思い出してしもた。

孝枝) 何ですか?

糸子) あ~どないしよう。

孝枝) 何ですのん?

 

**********

 

<通り>

(自転車のベル)

正志) おう。

里香) おう。

正志) ん。荷物、載せえよ。

(正志の自転車のカゴに

 買い物袋を載せる里香)

正志) クリスマスイブ、

 自分どっか行くんけ?

里香) 行かないよ。

正志) 東京とか帰らへんけ?

里香) 帰んない。

正志) ほな、ケーキ食いに行かへんけ?

 なあ、行こよ。おごっちゃら。

(少し離れたところから2人を 

 にらんでいる不良少女)

 

**********

 

<夕方・小原家2階>

(鏡の前に座り、髪の毛を結ぶ里香)

 

**********

 

<店>

女性) もうこの年にして、

 恥ずかしい話ですわ~。

孝枝) ええやないですか。

 年なんか関係ありませんよ。

 すてきですわ。

 人生初のクリスマスデートやて。

(出かける里香)

糸子) ええなあ、フミちゃん頑張りや。

 天国のお母ちゃんかて

 きっと応援してるわ。

孝枝) ほんまに、

 幸せになって下さいね。

 

**********

 

<夜>

孝枝) ほな先生、失礼します。

糸子) お疲れさん。

浩二) ほな、失礼します。

糸子) お疲れさん。また明日。

 せやけど、ほんま里香のアホ、

 どこ行ったんや。

 

**********

 

<リビング>

糸子) はれ、帰ってきた。

里香) ただいま。

糸子) あんた、どこ行ってたんや?

 黙っておらんようなったら

 心配するやろ。

里香) うん。

糸子) 何や? 

里香) クリスマスケーキ。

糸子) へえ、買うて来てくれたんけ?

里香) うん。

糸子) はれ、まあ、ほうけ。

 へえ~エヘヘ!

(箱を開ける糸子)

糸子) へ? 何や、あんたのんは?

里香) 私は、もう食べてきたから。

糸子) 食べてきた? どこで。

(目をそらし、立ち去る里香)

 

**********

 

(夕食後、写真の前にケーキを置く糸子)

糸子) 里香がうちに、クリスマス

 ケーキ買うてきてくれてんで。

 ありがたいこっちゃでなあ。

(ローソクの火を吹き消す糸子)

糸子) ほな、よばれよか。

(バイクの音)

糸子) 何や?

(派手なクラクション)

(エンジンを吹かす音)

(ガラスが割れる音)

糸子) うわ~!

不良少女) なめちゃあったらいてまうど!

不良少女) 東京帰れ、不細工!

(駆け出す里香)

糸子) あかん! 行きな!

(派手なクラクションとエンジンの音)

(立ち去るバイクの音)

(表に立ち、割られたショー

 ウィンドーを見つめる里香)

男性) 何や何や、どないしてん?

男性) うわ~。

男性) うわ~こらやられたのう。

男性) えらいこっちゃ…。

男性) ばあちゃん腰抜かしてんちゃうけ?

男性) ほんまや。

 はよ見てきちゃり! 早う!

 

**********

 

<リビング>

(落としたケーキを皿に戻している糸子)

里香) 食べなくていいよそんなの。

(ケーキを食べる糸子)

糸子) あんなあ、里香。

里香) え?

糸子) ここが、あんたの、観念どこやな。

 あんたが決め。東京帰るか。

 それか、そのジャージ脱ぐか。

(糸子を見つめる里香)

 

**********
 

里香が糸子の分のケーキを買ってきたところ、

落としたケーキを食べる糸子にもらい泣き…。

孫にはやっぱり甘いんだよね、あの糸子でも。

 

 

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