「カーネーション」(再放送)第144回~第25週「奇跡」 | 日々のダダ漏れ

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日々想ったこと、感じたこと。日々、見たもの、聞いたもの、食べたものetc 日々のいろんな気持ちや体験を、ありあまる好奇心の赴くままに、自由に、ゆる~く、感じたままに、好き勝手に書いていこうかと思っています♪

「カーネーション」 
第144回~第25週 「奇跡」

 

 

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「日々のダダ漏れ」

 

 

平成13年(2001)10月

 

ショーまで2週間を切って、いよいよ、

ウオーキングの練習が始まりました。

 

定岡) しっかり歩きなさい!

 ちょっと、はいはい! はいはい、

 そのままちょっと遅い。

 もうちょっとスピード上げて!

相川) ちょっと!

定岡) はい?

相川) 患者さんに余計なストレス

 与えんといて下さい。

定岡) はあ?

相川) ストレスは万病のもとです。

糸子) 総婦長!

 歩き方はショーの基本や!

 歩き方がおかしかったら、

 恥かくんは本人なんや。

女性) そら無理無理。

 これないと歩かれへんよって。

糸子) まあ、ほな、つえついて

 歩くんでええんちゃう。

定岡) え~つえ!?

糸子) 何や?

定岡) セクシーじゃな~い!

糸子) いや、しら…。

定岡) 男前いないの、男前!

糸子) 男前?

定岡) 男前にこう…。

(女性をエスコートしてみせる定岡)

定岡) こういうのさせるのよ。

糸子) いてる!

香川) いてます。

(相川を見る糸子)

相川) やらせましょう。

糸子) 大丈夫や。

 

**********

 

女性) お疲れさまでした~。

女性) お疲れさまでした。

糸子) 頑張ってや。

(看護師に付き添われ、部屋を出る

 帽子をかぶった患者を見る糸子)

相川) 小原先生。

糸子) な…何ですか?

相川) 今更ですけど。モデルを一人、

 追加してもらえませんか。

(応募用紙を見る糸子)

相川) 今、最後に出てった患者です。

糸子) 気になってました。

相川) 書いてあるとおり、末期のガンです。

 残念ながら、今の医療技術では、まあ、

 そない先ありません。せやけどここだけ

 の話…。そない言うてる今の医学かて、

 なんぼのもんかは知りません。

糸子) はあ?

相川) いや、正直知れてます。

 ま、もちろん、毎日現場に立って、その場

 その場で、やれるだけの事をやってはい

 てます。けど、やればやるほど、つくづく

 知れてんなと思いますわ。そもそも、人間

 の病気には、ほんまに医学しかないんか。

 ま、とりあえず、ない事にして、うちらは必

 死で、患者を治療に専念させてる訳です

 けど。ほんまのところは、どうか知りませ

 ん。医学の他にかて、もしかしたら、ある

 んかもしれん。まあ、ないかもしれません

 けど。

糸子) まあ…服かて知れてます。力を、

 信じたいし、信じてる。けど、おっしゃる

 とおり、やればやるほど、知れてるちゅ

 う事も、毎度、突きつけられます。ほん

 でも…。ご縁をもろたんや。おおきに。

相川) よろしく、お願いします。

 

**********

 

加奈子) 失礼します。

糸子) 吉沢加奈子さん?

加奈子) はい。

糸子) どうぞどうぞ。入って。

加奈子) 失礼します。

(糸子の隣に座る加奈子)

糸子) お宅、いっつもデイルーム

 の隅っこ座って、見てたやろ?

加奈子) はい。

糸子) さすがの総婦長さんも、ほだ

 されたらしいで。特別に一人、入れ

 て下さいちゅわれてな。

加奈子) うれしい。

糸子) ほんなに、出たかったん?

加奈子) はい。

糸子) 何で?

加奈子) はい。

 あの~子どもが2人いてるんです。

 その子らに、見せちゃりたいと思たん

 です。私は、病気になってしもてから、

 自分の哀れな姿しか、あの子らに見

 せちゃれてないんです。こない痩せ

 てしもて、髪も無くなってしもた。

 もちろん私もつらいです。でも…。

 母親が…。母親が、そないなってい

 くのを見てる、あの子らの気持ちを

 思たら、たまらへんのです。(泣)

 主人に連れられて、病室に入ってく

 る時の、いっつも、怯えるような顔が、

 かわいそうで、つらあて。(泣)

 幸せにしちゃりたいのに…。

 悲しませる事しかでけへんで。(泣)

(加奈子を抱きしめる糸子)

糸子) よしよし、よう分かった。

 よう分かった。よっしゃ。

 ほな、今度は、うちの話、しよか。

 うちは、今、88や。あんたそら、88歳

 も大概なもんなんやで、フフフフ…。

 体はあちこち、弱るしなあ。

 つえないと、歩けんし。いつ死んだかて、

 もうおかしない年やよって。いつ会うて

 も、娘らの顔には、まず「心配。大丈夫

 なんか? お母ちゃん」て書いちゃある。

 ほんでもなあ、85、越えた辺りかいな。

 ごっついええ事気付いたんや。

 教えちゃろか?

加奈子) はい。

糸子) 年取るちゅう事はな、奇跡を

 見せる資格が付くちゅう事なんや。

加奈子) 奇跡?

糸子) そうや。例えば、若い子ぉらが

 元気に走り回ってたかて、何もびっ

 くりせえへんけど。100歳が、走り回

 ってたら、こらこんだけで奇跡やろ?

 うちもな、88なって、いまだに、

 仕事も遊びも、やりたい放題や。

 好き勝手やってるだけやのに、人が

 えらい喜ぶんや。老いる事が、怖な

 い人間なんていてへん。年取ったら、

 ヨボヨボなって、病気なって、孤独に

 なる。けど、そのうちももう、大した事

 せんでも、うなぎ食べたり、酒飲んだ

 りするだけで、人の役に立てるんや。

 ええ立場やろ? フフフ…。

加奈子) はい。

(加奈子の手を握る糸子)

糸子) ほんでな、

 あんたかて、そうなんやで。

加奈子) え?

糸子) 笑てみ。に~って。

(微笑む加奈子) 

糸子) ほれ! ほんでもう奇跡や。

 末期ガン患者が、笑たんや。

 みんな、末期ガンなんかになったら、

 もう二度と、笑われへん、思てんのに。

 あんたが、笑うだけで、

 ごっつい奇跡を、人に見せられる。

 あんたが、ピッカピカに、おしゃれして、

 ステージを、幸せそうに歩く。

 それだけで、どんなけの人を、勇気づ

 けられるか、希望を与えられるか。

 今、自分が、そういう資格、いや、

 こらもう、役目やな。役目を持ってる

 ちゅう事を、よう、考えとき。

加奈子) はい。

糸子) あんたの出番は、トリや。

 髪は、このごろ、ウイッグのええ

 のんがなんぼでもあるよって、

 また相談しよう。

 あんたが、奇跡に、なるんやで。

(糸子を見つめ、頷く加奈子)

 

**********

 

糸子の言う、奇跡を見せる資格っていうのは…

何となく分かる。そういう奇跡が見たいと思う気

持ちが分かるから。奇跡という、希望が見たい。
 

年取るちゅう事はな、奇跡を見せる

資格が付くちゅう事なんや。

 

100歳が、走り回ってたら、こらこんだけで

奇跡やろ? うちもな、88なって、いまだに、
仕事も遊びも、やりたい放題や。好き勝手

やってるだけやのに、人がえらい喜ぶんや。

 

人はいつか必ず老いる。病気にもなるし、孤独

にもなる。ハンデを抱えても、できることがたく

さんある事を見せてもらえると、希望が湧いて

くる。老いてもなお元気でいる人を見るのは嬉

しい。未来の自分への、希望の光になるから。

 

 

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