「僕らは奇跡でできている」第9話~楽しかった日々の終わり | 日々のダダ漏れ

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「僕らは奇跡でできている」

 

第9話~楽しかった日々の終わり

 

育実) 何ですか?

一輝) 水本先生はリスっぽいですね。

育実) そうですか?

一輝) はい。

育実) フフッ。そんなに似てます?

一輝) リスは好きです。

育実) リスは、って何ですか。

一輝) リスは好きです。

育実) あの、何ですか?

一輝) 今日、言われました。僕が水本

 先生のことを好きなんじゃないかって。

育実) 誰にですか?

一輝) 青山さんです。

育実) あぁ~学生さん。へぇ~。

一輝) どう思います?

育実) えっ? どう思うって。

 

**********

 

一輝) すごいです。

山田) はっ?

一輝) 人の気持ちって、

 目に見えないじゃないですか。

 そういうものに言葉を付けた人って、

 すごいです。うれしい、楽しい、

 悲しい、つらい、怖い、好き、嫌い、

 恥ずかしい、面白い。

山田) うんうん、うん。まあそうですよね。

一輝) すごいです。

山田) 一輝さん。

 鮫島先生のこと、好きですか?

一輝) もちろん好きです。

山田) 熊野事務長は?

一輝) うるさいです。

山田) 好きですか?

一輝) あんまり好きじゃありません。

山田) 樫野木先生は?

一輝) 時々好きです。

山田) 沼袋先生は?

一輝) はい、好きです。

山田) 水本先生は? どうですか?

一輝) う~ん。

山田) じゃあ、虹一君は?

一輝) 好きです。

山田) ジョージは?

一輝) 好きです。

山田) 水本先生は? 

一輝) ……。

山田) 謎ですか。

 

**********

 

一輝) 僕が水本先生のことをどう

 思ってるのか、わかりました。僕は…。

育実) ちょちょ、ちょっと待って下さい!

 いえ、どうぞ。

一輝) 僕は、大学の講師になる前、

 ずっとフィールドワークをやっていました。

 フィールドワークは、謎や不思議でいっぱ

 いです。発見や感動がたくさんあります。

 でも、いい思いだけじゃありません。冬眠

 しているクマの穴をのぞいたら、クマがま

 だ起きてて、命の危険を感じたときは、本

 当に怖かったし。ずっと調査していたサル

 が死んだときは、とても悲しかったです。

育実) えっ、何の話?

一輝) 僕は水本先生のことが苦手でした。

 僕によく怒ってました。そうかと思ったら、

 よく、泣いてました。泣いたり怒ったりする

 理由がわかるときもあったし、わからない

 ときもありました。僕は、悲しくなったり、

 びっくりしたり、不思議に思いました。餃子

 の形をそろえるのも、不思議でした。家に

 いるヤモリをわざわざ外に出すことも、不

 思議でした。でも…はははっ。楽しかった

 です。水本先生は、謎や不思議でいっぱ

 いです。水本先生と一緒にいると、感動や

 発見があります。でも、いい思いだけじゃ

 ありません。嫌な気持ちになったときもあ

 りました。いろんな気持ちになります。

 つまり、僕は水本先生のことが…。

 面白いです。僕は、面白いって思ってます。

育実) ははっ。面白い?

一輝) はい。じゃあ。

育実) えっ?

一輝) あっ。やっぱりすごいです。

 いろんな気持ちになるこの感情に、

 面白いって、言葉を付けた人は、

 本当にすごいです。じゃあ。

育実) ……面白いって。えっ?

 

**********

 

樫野木) そりゃあさ、相河先生みたいにな

 れたら幸せだよね。学力があって…。でき

 ないことがあっても支えてくれる人がいて。

 好きなことだけやってられて。子どもはさ、

 キラキラした大人に憧れるけど、キラキラ

 した大人なんて、ほんの一握りしかなれ

 ない。なのに学生たちも、相河先生みた

 いになりたがってる。なれなかったらどう

 すんの? 責任取れんの? 相河先生は

 さ、ここだからいられるんだよ。よそじゃ

 やっていけない。それわかってる? わか

 ってるなら、人生の成功者みたいな顔し

 て、学生たちを勘違いさせないでほしい。

 迷惑なんだよ。悪影響なんだよ。

 ここから消えてほしい。

一輝) (涙) 

 帰ります。

 

**********

 

鮫島) 樫野木先生も、言うときは言うね。

樫野木) 正直、僕には、

 鮫島教授の真意がわかりません。

鮫島) 真意?

樫野木) どうして、相河先生を

 この大学に呼んだんですか?

鮫島) 言わなかったっけ?

樫野木) 面白いから。

鮫島) そうそう。

樫野木) 学生たちは、自分のやりたいこと

 や好きなことを仕事にするのが、正しい生

 き方だと勘違いしています。やりたいこと

 なんて、簡単に見つかりません。そんなも

 の、そもそもないのかもしれません。足元

 見ないでふわふわして、見つかるかどうか

 わからないもの探して。自分の人生、ちゃ

 んと考えてる気になるんですよ。中には、

 やりたいことがない自分はだめだって、無

 駄に自分を責める学生もいるかもしれま

 せん。相河先生の影響を受けてる学生た

 ちはみんなそうです。

鮫島) なるほどね。それで、

 樫野木先生は、何にいらだってんの?

樫野木) えっ? 

 はっ…今話したじゃないですか。

 相河先生のことですよ。それに、相河先生

 を許容している、鮫島教授のことも。

鮫島) 樫野木先生が、問題だと思ってる

 ことって、本当に、相河先生なのかな。

樫野木) もちろんです。

 どういう意味でしょうか?

鮫島) ほら、樫野木先生ってたま~に、自

 分の課題を、すり替えることあるじゃない。

樫野木) えっ?

鮫島) 前にも、ほら何だっけ…あぁ~そう

 そうそう。学生たちが、群馬に出かけた

 相河先生を追いかけて、樫野木先生の

 講義を休んだじゃない。

樫野木) はい。

鮫島) あれも、相河先生のせいに

 したけど、違うと思うんだよね。

樫野木) えっ?

鮫島) 樫野木先生の講義が、つまらない

 からだよ。今回のこともさ、相河先生の

 せいにしておけば、向き合わずに済む

 ことがあるんじゃないの?

樫野木) ほかに、

 おっしゃりたいことはありますか?

鮫島) いや。

樫野木) 失礼します。

 

**********

 

自分が水本先生をどう思っているのか? 壮大

な謎に挑んだ一輝のその答えは…「面白い」w

 

水本先生と一緒にいると、

感動や発見があります。

でも、いい思いだけじゃありません。

嫌な気持ちになったときもありました。

いろんな気持ちになります。
つまり、僕は水本先生のことが…。
面白いです。僕は、面白いって思ってます。

 

面白いって、ものすご~く興味が、関心がある

ってことだよね? 大好きなフィールドワークと

おんなじだよね? 面白いは、大好きってこと

よね。一輝にとって、最上級の褒め言葉よね。

 

すごいです。

人の気持ちって、
目に見えないじゃないですか。
そういうものに言葉を付けた人って、
すごいです。うれしい、楽しい、
悲しい、つらい、怖い、好き、嫌い、
恥ずかしい、面白い。

すごいです。

 

そして、いろんな気持ちになる感情に、言葉を

付けた人をすごいと言う一輝。でも、面白いっ

て言葉が…そういう意味だと気付けた一輝も、

すごいと思うよ。面白いって、すごいんだねえ。

一輝の思うすごさは、伝わりにくいと思うけど。

 

そりゃあさ、相河先生みたいになれたら幸せ

だよね。学力があって…。できないことがあ

っても支えてくれる人がいて。好きなことだけ

やってられて。子どもはさ、キラキラした大人

に憧れるけど、キラキラした大人なんて、ほ

んの一握りしかなれない。なのに学生たちも、

相河先生みたいになりたがってる。なれなか

ったらどうすんの? 責任取れんの? 相河

先生はさ、ここだからいられるんだよ。よそじ

ゃやっていけない。それわかってる? わか

ってるなら、人生の成功者みたいな顔して、

学生たちを勘違いさせないでほしい。
迷惑なんだよ。悪影響なんだよ。
ここから消えてほしい。

 

一輝に苛立つ樫野木先生の気持ちも分かる。

でも、完全に八つ当たりだよね。相河先生の

ようになりたいと思うのも自由、なれないのも

自己責任。子どもじゃないんだから…勘違い

もなにも、学生自身の問題だと思うけどなあ。

そんなことを言いだしたら、世の中勘違いを

させる人たちでいっぱいで、危険人物ばかり

ということになってしまう。確かに成功できる

人は一握りかも知れないけれど、夢がなくな

ればその一握りさえ生まれなくなってしまう。

 

鮫島先生の言った通り、本当の問題は一輝

にではなく、彼自身の中にある問題だと思う。

一輝には一輝の、長い間の苦悩があり、努

力があって、他人からは簡単に上手くいって

いるように見える今がある。樫野木先生の苦

悩と同じように、一輝の苦悩も見えないだけ。

 

一輝を傷つけてしまう樫野木先生のような人

も、攻撃されてしまう一輝のような人も、どち

らもあるあるで、容易に想像できてしまうだけ

に、みるみる顔色の変わる一輝の気持ちに

シンクロしてしまった心が痛んで…辛かった。

 

樫野木先生の娘役の女の子、どこかで見覚

えがあると思ったら、「半分、青い」で鈴愛の

子供時代をやっていた子役さんだったのね。

随分大きくなっていて、子供の成長って早い。

「半分、青い」も子供時代はよかったし、いい

ドラマに出られてよかったね~。頑張れ~!

 

 

「僕らは奇跡でできている」関連ブログ↓

第7話~カメは昔、ウサギだった

第8話~家政婦さんはお母さん!?

第9話~楽しかった日々の終わり

 

●「僕らは奇跡でできている」HP


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