「俺の家の話」第10話(最終回) | 日々のダダ漏れ

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「俺の家の話」

第10話(最終回)

 

 

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(洗面器とスポンジを持った寿一)

寿三郎) 寿一? お前、何でそんな

 格好で、そんなとこへ立ってんだよ。

 早く、着替えてらっしゃい。泡がたれ

 ちゃうよ。滑って転んだらどうするんだ?

 本番中なんだよ。

秀生) ♪な~む~あ~み~

寿一) ♪だ~ん~ぶ~つ~

寿三郎) おいおい、

 何でこっち来ちゃうんだよ。

寿一) 親父、チンチン洗ってやるよ。

寿三郎) いいよ。第一今じゃないだろ。

寿一) 遠慮すんなよ。

寿三郎) いいよいいよ。

寿一) いいから優しくしてやるから、ほら。

寿三郎) いいっていいって。今日はな、協会

 のお偉い方とかうるさいやつらがもうみんな

 見に来てんだよ、だから~。あのな、さくらち

 ゃんがな、お前が、死んだって言うんだよ。

 いるだろ? ここに。お父さんはっきり見える

 もん。これ、どういうことなんだろうね。そうい

 えば、前に、稽古場で、話したな。そうだ。

 ちょうど、これと同じ場面だ。

 

(回想)

寿三郎) 対岸の墓で、南無阿弥陀仏を唱え

 るだろ? そこで、死んだ息子の亡霊を、出

 すべきか出さざるべきか、世阿弥と、元雅

 の間で論争があったらしいんだ。

寿一) 俺が息子だったら出てくるよ。

 だって会いてえもん。

 

寿三郎) 会いたいから、出てきちゃったのか? 

 寿一。じゃお前、ホントに、死んじまったのか?

寿一) やっぱりそうか。

 何か、変だと思ったんだよな。

寿三郎) 私もだよ。

踊介) 父さん、父さん父さんの番だよ。

寿三郎) あっ。

 ♪聲の~中より~幻に見え・・・

 

**********

 

寿一) 秀生。

寿三郎) ダメだよ、そんな格好で!

 せめて着替えてらっしゃい!

 はい着替えたね、あっ。でもダメなんだ、

 ダメなんだよ寿一。お前はね、舞台に

 上がっちゃ、ダメなんだよ。分かるよ。

 親子で舞いたいよな。半年間も、

 一生懸命稽古したんだもんな。

 でも、寿一、ダメなんだよ。

 そこで見てなさい。

 

**********

 

寿三郎) ごめんな、寿一。死んじゃったか。

 俺のせいかもしれんな。そういえば、思い

 当たる節がある。月命日に、母さんの墓

 参り行ったろ?

寿一) 墓参り。

 

(回想)

寿一) 俺がいない間、観山家は、

 父子家庭だったんだよな。

踊介) ハッ、兄貴がいたって父子家庭だよ。

寿一) あ・・・えっ、一度も、母さんほしいと

 思わなかったのか?

舞) もう高校生だったし。母さんの役目が

 母さんだけじゃないことも知ってたしね。

 やだ、なまなましい。

寿三郎) 父さんもな、歴代の彼女、どうして

 も、なぜか、家に連れてくる気にはなれな

 かったもんな。さくらちゃんが初めてだよ。

舞) 連れてきたら引くわ。

寿三郎) ハハハハ、そうか。

寿一) 踊介は? まだ毛も生えてなかっ

 たろ。寂しくなかったのかよ。

踊介) 全然。父さん一人で

 トゥーマッチだったし。

寿三郎) ヘヘッ。

寿一) 寿限無は? あ~母さんいるか。

寿限無) 何だよ寿一っちゃん、急に。

寿一) あっ、いや、何か、

 親父すげえなと思って。

寿三郎) 何で?

寿一) いや、片親なのに、子供達、

 何の不満もないって。

舞) 不満がないとは言ってない。

 家のこと何にもやんないし。

寿三郎) そらそうだよ。

 父さんは人間国宝じゃ。ハハッ。

寿一) そっか。母さんがすごいのか。

 あんなのと夫婦だったんだもんな。

舞) 兄貴が父さんの介護しながら能続け

 てるって、母さん知ったらビックリするだ

 ろうね。

寿限無) しかも母親の役やるんだもんね。

寿一) あ~母さんに見したかったな。

 俺の「隅田川」、ハハッ。

 

寿三郎) って言ってたお前が、見に来てく

 れた、ということは、母さんも、どこかで見

 てくれてるんだろうな。いや、探さなくてい

 いよ。問題はそのあとなんだから。あの日、

 踊介と舞は仕事に向かって、寿限無は、

 スーパーに行くからって別れて、で二人で、

 歩いて帰ったろ?

 

(回想)

寿三郎) いや~さすがに不安になるわ。

 だって連続7回だぞ青信号。

 こっちへ変えよう。

寿一) 何だよそれ。考えすぎだろ。

 どうした? 親父。

寿三郎) 寿一。

寿一) うん?

寿三郎) 父さん今日死んじゃうのかな。

寿一) 何で? 誰?

寿三郎) にこるんだよ、にこるん。

 藤田ニコル。

 

(回想)

寿三郎) だってよ、信号一個も引っ掛かんな

 くてよ、それでお前にこるん待ってる間にさ、

 スクラッチ買ったら5万円当たってよ。

寿限無) マジ?

寿三郎) ああ、で、うまいパンとこのサイン

 もらってさ。なんて日だよ、今日はなんて

 日なんだよ。できすぎだろ。俺確実に死ぬ

 だろ俺。

寿一) じゃ俺食っていいの?

寿三郎) いいよ。

寿一) やったぜ。

寿三郎) 不死身のお前だ、食え。

 

(回想)

寿限無) 秀生、数の子って、

 何の卵か知ってる?

秀生) ニシンでしょ。

寿一) お~。

寿限無) おっ、知ってんだ。

寿三郎) じゃあさ、秀生。そのニシン、

 漢字で書くとどう書く?

秀生) 漢字?

寿三郎) うん。

秀生) え~分かんない。

寿三郎) あのな、祝い事ではな、

 二人、二人、二つな、二人の。

秀生) 二人の。

寿三郎) 親、親って書くんだぞ。

秀生) へえ~。

寿一) つまり数の子はな、両親が健在で

 めでたいって意味があんだよ。

 まっ、離婚したけどな。いただきやす。

寿三郎) はいいただきます。

秀生) いただきます。

寿一) よっしゃ。

えーい。 うん、うまっ。

寿三郎) おおいい音だな、カリカリカリカリ。

寿一) もう死んでもいいわ。

 

寿三郎) 俺が、数の子食べればよかったん

 だよな。代わってくれたんだよな、あの日。

 お前の代わりに、俺、生かされてるんだよ

 な。すまなかった。まあ、俺もすぐ行くから、

 母さんと、待っててくれな。

寿一) 分かったよ。なあ親父。

寿三郎) うん?

寿一) そろそろ、人間国宝の謡、

 聞かしてくれよ。

寿三郎) よ~く見とけ。

 

**********

 

寿一) いよっ、人間国宝!

寿三郎) 寿一!

寿一) 分かってるよ。一回だけ

 やってみたかったんだよ。

 

**********

 

寿三郎) 寿一、お前は大したもんだよ。

寿一) えっ?

寿三郎) よくやったよ寿一。

 みんなのことを、笑顔にしてくれてさ。

 奮い立たせてくれてさ。

 ひと様の分まで戦って、舞って、

 ケガして、笑って、そんなやついないよ。

 まあ、国の宝にはなれなかったけど、

 家の宝にはなれたな。

 家宝にはなれたな。

 お前は、観山家の、人間家宝だよ。

 いよっ、人間家宝、観山寿一。

寿一) 褒められちゃった。

寿三郎) 何だよ、うれしくねえのか?

寿一) うれしいよ。うれしい。

 でも、褒められちゃったら、俺・・・。

寿三郎) そうだよな。今まで俺が、

 お前を褒めなかったのはな、

 褒めたら、終わっちゃうから。

寿一) しょうがないよ。

 そういうもんだから。

寿三郎) これからはな、寿一。

 みんなが、お前の代わりに、

 笑ったり、泣いたりしてくからな。

 

**********

 

舞) 何かタイミング逃しちゃったって感じ。

寿限無) 何の?

舞) だから、兄貴の死をちゃんと悲しむ。

 やだ、「兄貴の死」だって、嘘くさい。

踊介) 確かに。結局、泣いてないもんな。

舞) 泣かないと先進めないよね、うちら。

寿限無) ホントに、今日、来てたのかな。

舞) だから、セックスシンスじゃあるまいし。

 セックス? シックスセンスよ、わざとよ。

踊介) 結局さ、何だったんだろうねあの人。

 勝手に出てって、勝手に帰ってきて、

 勝手に死んでさ。

舞) 兄貴は兄貴よ。

寿限無) うん。寿一っちゃんは

 寿一っちゃんだよ。

 

**********

 

さくら) 「尚、私の後継者、すなわち、

 観山流二十八世宗家は、観山寿一を

 指名する」。見て、ちゃんと書いてます。

(お墓に遺言書を置くさくら)

さくら) じゅじゅすぐ忘れちゃうけど、

 私ちゃんと覚えてますから。あっ、嫌。

(寿一に山賊抱っこされるさくら)

寿一) ぜあっ!

さくら) 寿一さん、おろして、おろして。

寿一) ぜあ?

さくら) うん。

寿一) さくらさん。

さくら) 寿一さん。どうして?

寿一) 会いたくて。あっ、とります。

さくら) あっ、とらないで。とらなくていい。

寿一) あっ・・・。

さくら) 私後悔してるんです。

 この間ひどいこと言っちゃって。

 一人の人間として見たら、

 そこまで好きじゃないって。

 あれ嘘。本当は、大好き。

(さくらにキスをする寿一)
寿一) 親父が死ぬまで、

 そばにいてやってください。

さくら) 本当にないんですね。

寿一) ん? ない?

さくら) 自分。

寿一) ああ・・・。そうっすね。

さくら) ホントに?

 ホントにこれでいいの?

寿一) はい。

 俺は、俺の家が大丈夫なら、

 大丈夫なんで。さくらさん、

 俺の家を、頼みます。

さくら) はい。

 

**********

 

1年後、どういうわけか、

さくらは、踊介と結婚する。

なぜだ。

俺の言い方が悪かったのか?

俺の家を頼むとは言ったが、

弟とくっつけとは言ってない。

 

納得がいかない!

 

観山流二十七世宗家、

観山寿三郎は、OMTの力を借りて、

死ぬギリギリまで地謡として、

舞台に立ち続けた。

親父の死後、二十八世宗家は、

寿限無が継承し、45歳で、

芸術祭優秀賞を受賞する。

ゆくゆくは、秀生が二十九世

宗家を、継ぐことになる。

 

公立の中学に進んだ、

秀生の勉強を見るために、

舞は、学習支援サポーターの

資格を取得した。

おかげで、どうにか授業に

ついていけているようだ。

 

親父も、週末は、グループホームで

楽しく過ごしている。介護認定は、

要介護2と3を行ったり来たりだが、

たまに、1になった。

 

プリティ原の話は、後にしよう。

大州は、俺が死んだあと、

波乱の人生を送ることになる。

女にモテたくて、能の世界に見切り

サークルの新歓コンパで逆ナンされ、

そのままデキ婚、しかも双子。舞と

長田君は、いきなり二人の孫を持つ、

おじいちゃんおばあちゃんになる。

 

生活のために、夜の街でホストとして

働きながら、8年かかって大学を卒業

した大州は、2代目O.S.Dを襲名して、

イケメン、イクメン、ラーメン系ユーチュ

ーバーとして、人気を博すことになるが、

まだ本人は、知る由もない。

 

余談だが、さんたまプロレスが、

俺の追悼興行を打ってくれた。

そして、2代目がお披露目された。

 

つまり、

25年ぶりに実家に帰った長男が、

1年間だけ、家族とともに暮らし、

引っかき回し、いなくなった後は、

それぞれが収まるべきところに

収まった。それだけの話。

 

これが、俺のいない、俺の家の話だ。

 

**********

 

ドラマが終わった瞬間「長瀬~~!!」と

思わず叫んでしまった。終わっちゃった・・・。

ああ、終わってしまったんだと寂しくなって。

 

褒めたら、終わっちゃうから。

 

思いはあふれてくるのに、なかなか感想を

書く気になれなかったのに、ちょっと似てる。

 

書いたら・・・終わっちゃうから。

 

書いたら、本当にドラマが終わっちゃう(終

わってるんだけどねw)というか、何かね。

 

このドラマの脚本の素晴らしさ、テクニカル

な面での解説、評価はいろんな方が書か

れているし、たくさんの鋭い指摘、胸アツな

感想もたくさん見て来たので、私はちょっと

別の観点から、感じたことを書いてみます。

 

(「TOKIOカケル」より)

「売れたと思ったのはいつ?」というテーマ

で、長瀬は「正直、今でも売れたとは思っ

てないから。何も満たされてない」と語った。

「何にも満たされてないから、逆に怖い。

何がゴール何だろう?みたいな」。

TOKIO長瀬「今でも売れたとは思ってない」

 

番組をリアルタイムで見ていて、長瀬君の

発言に、結構衝撃を受けたんだよね。そし

て、引退して裏方に回るということとリンク

したというか、だからなのか~と感じて・・・。

 

それは寿一のキャラにも通じていて、才能

があるのに、自分がないというあの感じに。

 

俺は、俺の家が大丈夫なら、
大丈夫なんで。

 

きっと、長瀬君も、「TOKIOが大丈夫なら、

大丈夫」なんだろうなあって、思っちゃった。

 

よくやったよ寿一。
みんなのことを、笑顔にしてくれてさ。
奮い立たせてくれてさ。
ひと様の分まで戦って、舞って、
ケガして、笑って、そんなやついないよ。
まあ、国の宝にはなれなかったけど、
家の宝にはなれたな。
家宝にはなれたな。
お前は、観山家の、人間家宝だよ。
いよっ、人間家宝、観山寿一。

 

中の人、長瀬君への思いも入ったセリフに

聞こえたなあ。そして全編にあふれていた、

「いつでも、戻ってきていいんだよ」っていう、

いつか長瀬智也に戻ってきてほしいという

思いが、愛が、伝わってくるドラマだったよ。

 

さよならは、やっぱり言いたくないかなあ・・・。

会いたくなったら・・・会いに、来てくれるよね。

きっといつか、クドカンの書く台詞を口にする

時が来ると信じてるもんね。待ってるもんね。

だから・・・長瀬君、元気でね! またね~!!

 

 

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