「ちむどんどん」 第113回
第23週「にんじんしりしりーは突然に」
大切な人を見放したらいけない？
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＜ヒットパレードの表＞
（清恵を後ろから抱きしめる賢秀）
清恵） 何？ なっ…なっ、何？
（ビンタをくらう賢秀）
賢秀） うっ…。
伝わったか？
清恵） 何を？
賢秀） クソ、だまされた！
清恵） 何言ってんの？
賢秀） あっ…お前を迎えに来た。
一緒に帰ろう。千葉に。養豚場に。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜ヒットパレードの表＞
賢秀） 一緒に帰ろう。
千葉に。養豚場に。
清恵） 嫌だね。
賢秀） 何で。
清恵） 千葉も豚も大っ嫌い。毎日
汗かいて、泥んこになって働いて。
賢秀） ウソつき。
清恵） ウソじゃない！
賢秀） お前は、豚の仕事に、
誇りと情熱を持ってる！
清恵） 冗談じゃない。
賢秀） 親父さんのことを、尊敬してて、
迷惑かけた分、親孝行しようと、毎日
コツコツ、真面目に働いてたアラニ。
（回想）
（豚の世話をする清恵と賢秀）
清恵） 何で追いかけてくんの？
私なんて放っておけばいいじゃん！
関係ないでしょ？
賢秀） 関係ある！
清恵） 赤の他人じゃん！
賢秀） 大切な人を、
見放したらいけない。
これだけは間違いないわけ。
清恵） 何言ってるか分かんないよ。
賢秀） もう、昔みたいな思いは
したくないバーテー。
清恵） 昔…？
賢秀） 俺の家は、ど田舎の、デージ
貧乏なおうちで、子供の時に、父ち
ゃんが死んで、もっと貧乏になって、
運動会に、履いてく靴も買ってもら
えんぐらい貧乏だった。
そしたらある日…。
（回想）
賢吉） ４人のうち誰かを、東京で引き
取ってもらえるっちゅうことか。
賢秀） でも俺は、豚の世話もあるし…。
暢子） うちが行く。
うち、東京に行きたい！
賢秀） 俺はあの時ホッとした。暢子が、
自分から行きたいと言ってくれて、
内心ホッとしたわけ。本当は、暢子も
行きたくないと分かっていたのに…。
（回想）
賢秀） ありえん。やっぱりありえん！
歌子・良子） ニーニー！
賢秀） 暢子！
賢秀） 俺は、その時決めた。
これからは、何があっても、大切な
人を、見放すことは絶対にしない！
清恵） 何で、私？
賢秀） 大切だのに。
清恵） 何で？
賢秀） デージ大切な人だのに。
清恵） だから何で？
賢秀） 好きだから。
大好きで、ずっと一緒にいたいから。
清恵） 私は…。
賢秀） 関係ない！
清恵） 家出して、ろくでもない男と
結婚して、しかも…。
賢秀） 関係ない！
清恵） 言ったじゃん！
ウソつきの最低女だって！
賢秀） それは、俺が間違ってた。
謝る。ごめん！
清恵） 間違ってないよ！
私はウソつきで、最低なんだよ！
賢秀） 俺だって負けてない。
万引きして、ケンカして、家族に迷惑
かけて、怪しい話に乗って、すぐだま
されて、みんなにウソついて。だけど、
お前が教えてくれた。人間はやり直
せる。何度でもやり直せるわけ。
俺は、お前とやり直したいわけよ。
清恵） 本当にいいの？ 私で…。
賢秀） お前でないと駄目なわけよ！
とう！
黙って俺の胸に飛び込んでこい！
（両手を広げる賢秀）
賢秀） 飛び込んでこい！ 早く！
客） リリィちゃん、次だよ。
「グッド・バイ・マイ・ラブ」。
歌ってくれる約束だよね、
「グッド・バイ・マイ・ラブ」。
賢秀） 歌わんよ！
客） 誰、誰？
賢秀） 「グッド・バイ」は、歌わんてば。
客） え…知り合い？
ママ） リリィちゃん。
お取り込み中？
清恵） すいません、すぐ。
ママ） ごめんね。
行こう行こう行こう。
うん、大丈夫大丈夫大丈夫…。
賢秀） 歌うわけ？
「グッド・バイ」を、歌うわけ？
「グッド・バイ」、歌うのか？
（背を向ける清恵）
賢秀） 分かった。
俺は千葉に帰る。
親父さんと２人で、
コツコツ豚育てる。
それでいいんだよな？
今一緒に帰るって言わないと、
二度と、猪野養豚の敷居は
またがさない。
それでいいわけだな？
清恵） うん…。
賢秀） 勝手にせー！
（土砂降りの路地に一人立つ清恵）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
＜猪野養豚場＞
寛大） つまり…清恵はもう二度と
ここには帰ってこない。
賢秀） 俺のしたことが、気に入らない
ならクビにしてください。だけど、もし
許してもらえるなら、俺はあいつの
分も、この猪野養豚に、骨うずめる
つもりで一生懸命働きます。
寛大） お前は、本当に
それでいいのか？
賢秀） はい。たとえあいつが
帰ってきたとしても…。
（戸が開く音）
（入り口を見る賢秀と寛大）
清恵） 歌わなかった。
ママに事情を話して、
店辞めてきた。
賢秀） 事情って…？
清恵） 私は…。
好きな人のところに帰りますって。
ここに、帰らせてください！
（頭を下げる清恵）
寛大） お前たちが決めろ。
これからは、何もかも、
お前たち２人で決めていけ。
（清恵の手を取り、
事務所に入れる賢秀）
寛大） あれ？ あれ…
あれどこだ、あれ…。
あれ？ あれ？
あれどこだ、あれ。
あれだよあれ。
タオルだよ、タオル！
タオル取りに来た…。
清恵） タオルなら、ここ。
（寛大のクビにかかっている）
寛大） えっ…あっ…。
じゃあ、あれだ…。
あっ、風呂だ。風呂沸かしに
来たんだ。俺は…。
賢秀） さっき、
風呂はもう沸いてるって。
寛大） えっ？ あれ？
あっ、じゃあ、あれだよあれ！
あれだ！ あれだあれだ。
（奥へ行く寛大）
（向き合う２人）
清恵） ただいま…。
賢秀） お帰り。
清恵） ただいま！
（清恵を抱きしめる賢秀）
賢秀） お帰り！
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
（夜空を見上げ、涙を拭う寛大）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
そして、賢秀は家族に養豚場で
働いていることをようやく告げ…。
＜ちむどんどん＞
暢子） これが、猪野養豚さんの
豚肉で作った、そば。試食を
お願いします。
智） 頂きます。
和彦） 頂きます。
歌子） 頂きます。
暢子） どうですか？
智） 最高ヤッサー。
歌子） マーサン！ おいしい！
和彦） 今までの豚と全く違う。
智） 豚肉だけでこんなにも
味が変わるんだな。
スープが全く違う。
暢子） 矢作さん、どうですか？
矢作） うんめえ…。
このそばなら勝負できる。
智） とうとう出来たな。
歌子） とうとう出来たね！
ちむどんどんの看板メニュー！
暢子） ニーニーのおかげさ！
皆さんに、宣言します！
このお店の当面の目標は…。
矢作） 友達や知り合いだけじゃなく、
知らないお客さんで満席にする。
暢子） そのとおり！
（拍手）
暢子） あ～久々にちむどんどんする！
（拍手）
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
いやいやいや…「大切な人」は、見放さないで
しょう。大切な人、であるならば。賢秀の例で
言うならば、「家族は見放さない」ってことよね。
確かに、比嘉家の人たちは賢秀を見放さない。
大切な人を、見放したらいけない。
これだけは間違いないわけ。
これからは、何があっても、大切な
人を、見放すことは絶対にしない！
いやいやいや…出ていけって言ったよね？ 自
分の家でもないのに、その家の娘に向かって。
恋人でもない従業員の男に、社長の娘が離婚
歴を言わなかったっていうだけでウソつきだと。
自分は？ 運動会に履く靴は、買ってもらったよ
ね？ それを、自分のせいで駄目にしたよね？
家族に迷惑かけたって、数々の借金の話はし
ないの？ ウソつきで最低なのは自分だよね？
今一緒に帰るって言わないと、
二度と、猪野養豚の敷居は
またがさない。
それでいいわけだな？
はあ？ 何を言ってるんだ、こいつは。何様！？
何でこんなに偉そうなんだ。上から目線なんだ。
DV野郎に洗脳された女性になってるよ、清恵。
お前たちが決めろ。
これからは、何もかも、
お前たち２人で決めていけ。
いやいやいや…ヤバイって！ 乗っ取りだって。
比嘉家と関係持っちゃだめだって。逃げて～！
そして、賢秀は家族に養豚場で
働いていることをようやく告げ…。
いやいやいや…そこはナレで済ませちゃ駄目
でしょ。散々よく分からない理由で引っ張って
おいて、そこんとこを見せないってバカなの？
見せ場の感覚が、とことんズレてるんだよね。
ニーニーのおかげさ！
何でそうなる？ いつのまにそうなった？ 寛大
さんのおかげ、清恵さんのおかげでしょうが！
どこに賢秀のおかげが？ 手柄が？ 話のすり
かえが本当に気持ち悪いし、このドラマのダメ
なところ。何で清恵さんが、賢秀に許されなけ
ればいけないのさ～！制作陣が気持ち悪い。
おっさんたちの妄想ラブストーリーにはつきあ
いきれない。ツッコミどころが多すぎる。中の
人に罪はないけれど、賢秀キャラが嫌すぎ！
ちむどんどんどころか、ちむげんなりしか…。
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