「ちむどんどん」 第114回
第23週「にんじんしりしりーは突然に」
ついに知らないお客さんで満席に
※無断転載対策のため、不本意ですが、
しばらく、注意喚起させていただきます。
こちらの記事は、「日々のダダ漏れ」 の
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12月1日、ちむどんどん営業
再開の日を迎えました。
(朝陽に向かい、手を合わせた暢子)
暢子) 応援してね。
(おなかに触れる)
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<石川家・アパート>
電・良子) 今日から、営業再開?
電・歌子) うん。暢ネーネーが、み
んなに心配かけたくないって言う
から、内緒にしてたんだけど。
電・良子) あのあと、和彦君から
全部聞いてたさ。
電・歌子) まさかやー。
電・良子) ちょっと待ってね。
電・博夫) 歌子ちゃん、頑張ってね。
沖縄から家族3人で応援してるから。
うん。ほら晴海。
電・晴海) 歌ネーネー、暢ネーネー、
チバリヨー!
電・歌子) フッ…ありがとう。
**********
<猪野養豚場>
賢秀) お店の成功、あと健康、
安産、世界平和!
ウートートゥトートゥ。
ウートートゥトートゥ。
ウートートゥトートゥ。
ウートートゥトートゥ。
はぁ~。
(空に向かって手を合わせる賢秀)
**********
<比嘉家>
(仏壇の賢三の写真に向かい、
手を合わせている優子)
**********
(ちむどんどんの表に
「営業中」の看板を出す歌子)
(店内で時計を見つめている暢子と矢作)
暢子) 3、2、1…。
矢作) よし、開店。
暢子) スタートダッシュで、頑張って…。
暢子・歌子) いちゅんどー!
(腕を突き上げる2人)
矢作) いや、俺はそういうのは…。
暢子) すいません。
歌子) ごめんなさい。
**********
<フォンターナ>
(ノック)
房子) はい。
二ツ橋) 失礼いたします。
予約の確認を、お願いいたします。
房子) ご苦労さま。
二ツ橋) いよいよ再開ですね。
暢子さんのお店。
房子) 別に興味ないから。
辞めた従業員のことなんて。
自分の仕事が一番。
二ツ橋) オーナー。
房子) はい。
二ツ橋) 逆さまです。
(予約帳を正しい向きに直す二ツ橋)
二ツ橋) 失礼します。
**********
<ちむどんどん・一時間後>
(12時過ぎの時計を見つめている3人)
暢子) 来ませんね、お客さん。
矢作) 焦るな。まだ始まったばかり。
歌子) そうそう、これからこれから。
**********
(13時過ぎの時計を見つめている3人)
矢作) まあな、初日から
そんなにうまくいくとは。
暢子) ですよね。
そんなに、甘くないですよね。
(立ち上がる歌子)
暢子) 歌子?
**********
(店を出て、深呼吸をする歌子)
歌子) 沖縄の味、ちむどんどん、
新装オープンです!
よろしくお願いします。
いかがですか?
ちむどんどんです。
よろしくお願いします。
**********
<店内>
暢子) 歌子…。
歌子の声) お願いします。
矢作) お前は駄目だ。外は冷える。
歌子の声) 新装オープンです。
お願いします!
暢子) でも…。
矢作) 座ってろ。
信じて座ってろ。
歌子の声) おすすめは、沖縄そばです!
暢子) はい…。
**********
歌子) 今日が新装オープンです!
是非、食べていってください!
あっ、お願いします!
沖縄の味ちむどんどんです。
沖縄本場の味です!
よろしくお願いします!
**********
(30分ほど過ぎて…)
(戸が開く音)
暢子・歌子) いらっしゃいませ。
矢作) いらっしゃい。
歌子) あ…こっ、こちらにどうぞ。
(無愛想な中年の男)
歌子) こちらが、ランチのメニューです。
あの、おすすめは、沖縄そばです。
じゃあ、お決まりになったら、また。
藤田) 「じゅーしー」?
歌子) ああっ、じゅーしーは、炊き込み
ごはんで、今日はイカスミのじゅーし
ーです。おいしくて、栄養たっぷり。
そばと、セットもできます。
藤田) 「沖縄そば じゅーしーセット」。
歌子) かしこまりました。
沖縄そばセット、お一つ。
暢子) はい!
矢作) はいよ!
歌子) お待ちください。
**********
歌子) お待たせしました。
沖縄そばセットです。
藤田) これがそば?
歌子) あっ…はい。
沖縄そばです。
藤田) 普通のそばと全然違うね。
歌子) はい。あの…えっと…。
藤田) 頂きます。
(厨房から目をこらしている暢子)
(週刊誌を読みながらそばを食べる男)
**********
(つゆまで飲み干して完食)
藤田) お勘定。
歌子) はい。600円です。
藤田) ごそうさま。
歌子) ありがとうございます。
(週刊誌を手に、出ていく男)
藤田) あっ、うまかったよ。
(戸が閉まる音)
歌子) ありがとうございました。
矢作・暢子) ありがとうございます。
暢子) フフッ…。
(戸が開く音)
客) 3人。
客) こっちは2人。
暢子) いらっしゃいませ。
矢作) いらっしゃいませ。
歌子) 3名様、こちらで。
2名様、こちらにお願いします。
客) 注文いい?
歌子) はい。
客) 俺は、沖縄そば。
歌子) はい。
客) あっ、俺も同じやつ。
歌子) お二つ。
客) 俺はね、ソーミンセットで。
歌子) かしこまりました。
客) よろしく。
歌子) 沖縄そば、お二つ、ソーミン
セット、お一つお願いします。
暢子) はい!
矢作) はいよ!
歌子) お決まりですか?
**********
(生き生きと料理を作る矢作と暢子)
**********
歌子) ありがとうございました。
客) ごちそうさまでした。
とってもおいしかったです。
歌子) あっ、ありがとうございます。
**********
そして、2週間がたち…。
暢子) お待たせしました。
フーチャンプルー定食です。
え~っと、こっちはアーサ汁。
豚肉をはじめ、素材を生かした味が、
沖縄料理を初めて食べる人にも好評で、
お客さんの数も少しずつ増えてきました。
矢作) もう一個出るよ。
暢子) はい。
**********
(重子と波子が来店)
重子) 頂きます。
波子) 頂きます。
重子) おいしい。
この前よりもず~っと。
波子) 素朴だけど透き通っていて、
優しいお味です。
暢子) ありがとうございます。
歌子) いらっしゃいませ。
こちらのお席にどうぞ。
暢子) すいません。
重子) お仕事お仕事。
暢子) はい。
和彦) 僕も行ってくるね。
重子) うん。
**********
(厨房で腕をふるう暢子)
**********
(田良島と二ツ橋も来店)
田良島) ほう~
メニューも、変わったね。
暢子) はい。
歌子) 料理名も、もともとの沖縄の
言葉にして、代わりに、解説をつ
けました。
田良島) これなら、どんな料理か
分かるし、何より、心がこもってる。
歌子) ありがとうございます。
矢作) 歌子ちゃん、
ソーミン上がったよ。
歌子) はい。
二ツ橋) 見事に起死回生。
さすが暢子さん。
暢子) 皆さんのおかげです。
(戸が開く音)
暢子) いらっしゃいませ。
矢作) いらっしゃい。
暢子) あちらの席にどうぞ。
**********
歌子) ありがとうございました。
またお越しください。
暢子) ありがとうございました。
慌ただしくひとつきが
過ぎようとしていた頃。
暢子) すいません、お待たせしました。
歌子) どうぞ。
藤田) 沖縄そば2つ。
歌子) かしこまりました。
沖縄そば、お二つ。
暢子) はい。
矢作) はいよ。
(週刊誌を持っていた男が、
連れの男とやってくる)
男) 失礼します。
沖縄そばねえ…。
藤田) いや、うまくて
腰抜かしますよ。
歌子) お待ちください。
**********
(注文を次々さばく、
厨房の矢作と暢子)
矢作) 沖縄そば2つ。
歌子) はい。
矢作) おい、座ってろ。
何回も言わせんな。
暢子) はい。
**********
(沖縄そばを食べる藤田と男)
男) ん~…。
(笑顔で顔を見合わせる藤田と男)
**********
暢子) ありがとうございます。
またどうぞ。
(客の笑顔を見つめる暢子)
客) うまい。
矢作) はい。
暢子) あっ、すいません、座ります。
矢作) 違えよ。気付かねえか?
暢子) えっ、何が?
歌子) 暢ネーネー、よく見て。
お客さん。
客) ん~おいしい。
客) ハッッハッハッハ…。
暢子) えっ、知らない
お客さんばっかり…。
知らないお客さんで、満席になった。
客) ん~おいしい。
客) 沖縄そば最高!
客) これおいしい。
客) いや~どれもおいしいですね~。
客) うまい。
**********
客) ごちそうさま。
客) おいしかったです。
暢子) ありがとうございました。
故郷やんばるを離れて、
8度目の冬。
暢子は、おなかの子と一緒に、
夢を一つ、かなえました。
**********
知らないお客さんで満席…。知らないお客…。
こういうひっかかる言い方が多いんだよね~。
新規のお客さんでよくない? せっかく、再開し
て初めて来てくれたお客様が、知人を連れて
またやってきてくれたというのに、スルーとは。
彼が連れて来た知人がナレーションのジョン・
カビラさん。向かい側に座っていた男性客が、
お父様、女性客が娘さんだったとか。ほほ~。
ちょっと知ってる彼らがいなくなってから、知ら
ない客で満席になったと喜ぶ暢子たち。なん
だかなあ…。リピート客こそが大事なんじゃ?
知らない一見さんでいっぱいになってもねえ。
また来てくれるかどうかが重要だと思うけど。
とりあえず、まともな矢作の存在だけが救い。
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