「不適切にもほどがある！」
第２話～一人で抱えちゃダメですか？
※無断転載対策のため、不本意ですが、
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谷口） 何でもかんでも一人で
抱えようとしない。
一郎） 一人で抱えちゃダメかね？
男性） 働き方改革を推進して
るんです、今、国を挙げて。
一郎） そもそも、働き方ってなんだい。
谷口） 知ってる人？
一郎） 働き方って、がむしゃらと
馬車馬以外にあるのかね？
谷口） ああ、懐かしいね。おいくつ？
一郎） 昭和10年生まれだから、
88歳、米寿っす！
瓜生） 若く見えますね。
一郎） ♪「俺は高度成長期の
申し子 朝から晩まで働いて
夢の中でも働いて
ジジイになった気がした
米寿の夜」
谷口） 一部の社員に負荷がかから
ないようシフトを組んで、サービス
残業やオーバーワークを防ぐ、
それが働き方改革。
一郎） その改革、少なくとも彼女の
助けになってないよね。だったら
一人でやったほうがマシだって、
しょうがなく一人でやってんの。
♪「それが彼女の働き方」
谷口） 彼女一人で残業したら、
後輩も定時で帰れないでしょ。
一郎） 帰ればいいんだよ、
「お先～」っつって。
♪「それがそいつの働き方」
谷口） 同調圧力っていうのが
あるんだよ。
♪「断りづらい空気」
一同） ♪「同調圧力」
谷口） ♪「帰りづらい空気」
一同） ♪「同調圧力」
谷口） ♪「休みづらい空気」
一同） ♪「同調圧力」
谷口） ♪「強制じゃないと言い
ながら 逆らえない空気 AIR
もうやめよう 定時で帰ろう
仕事はそっと持ち帰ろう
無理して倒れるくらいなら
定時で帰って 横になろう」
一郎） 気持ち悪っ。
谷口） 気持ち悪っ？
一郎） 定時で帰るのは強制ですか？
冗談じゃない。働き方ぐらい
自分で決めさせろ。
谷口） あんたのは極論すぎる。
今の時代に合わない。
一郎） 時代に合わせなきゃダメかね？
昭和昭和って、まるで昭和が悪
みたいに言うけどさ、少なくとも、
景気は今よりよかったぜ。
谷口） それ言われちゃうとな・・・。まっ、
どのみち彼女は辞めるんだから。
渚） 辞めませんよ。
瓜生） ホントに？
渚） はい、何かムカついたんで。辞め
るのやめました。その代わり瓜生さん、
私のわがまま、聞いて頂けますか？
いろいろ、便宜をはかって頂いて、
心苦しいんですけど。
♪「４つのわがまま聞いて
聞いて欲しいの」
一郎） ちあきなおみ？
渚） ♪「ひとつ、ひとりでやるから」
一同） ♪「やるから」
渚） ♪「ふたつ、シンプルに給料」
渚・一同） ♪「上げて」
渚） ♪「みっつ、託児室は、
別館じゃなくて本館に設置して」
一同） いいぞ！
渚） ♪「よっつ、ペーパーレス、
急がないで」
瓜生） 分かるけど、最近の若い子は
タブレットで育ってるし、上層部は、
ペーパーレスを推進してくれって。
渚） その上層部が対応できてない。
台本は紙でくれ、映像資料はDVDに
焼いてくれ、そのたびに、私たちの
仕事が増えるんです。
♪「いつつ、ランチは
最低１時間保証して」
一郎） ４つって言ったよね？
渚） ♪「むっつ、シフトは仕事を
覚えてからにして。
ななつ、タレントの
楽屋挨拶はナシの方向で」
一同） そうそういいぞいいぞ！
渚） ♪「やっつ、やる気を
削がないで」
一同） いいぞいいぞ！
瓜生） ワンちゃん。
渚） 多少残業になっても、部下の
企画書を読む時間ぐらいつくって
ください。それぐらいの、融通、
計らい？ 遊びがないと、面白い
ものなんか生まれません。
谷口） そうやって例外を認めたら、
いずれ過労死が出るんだよ。
渚） 社員のやる気をそぐのが、
働き方改革ですか？
谷口） 限られた時間と予算の中で、
最大限の努力をしろと言ってる。
いいかい、僕は君に、職場復帰し
ていいとは言ったが、面白いもの
をつくれとは言ってないよ。
渚） あんたは、
正しいだけで心がない。
離婚届を送りつけたのに、
この期に及んで正論っすか？
あんたAIっすか？ 夫GPTなんすか？
谷口） 冷静に話せないなら、
また今度にしよう。
渚） 子育てに不向き。
分かってるわそんなこと！
不向きだけど、やんなきゃだし
やりたいし。不向きだと思うんだ
ったら、やってよ！ できること
じゃなくてやってほしいことを。
これやめて。
（谷口の人差し指を掴む渚）
渚） 何ハラだか知らないけど、
これが一番のストレス。
（思いっきり振りはらう）
♪（おならの音）
渚） 出た。
(正人に近寄る渚）
渚） 今日一回もしてなかったの、
おなら。
（正人を抱き上げる）
渚） 出たね、まちゃと。よかった。
一郎） ごめん、今の俺。
渚） ちょっと、もう、ねえ。
♪（正人のおならの音）
渚） えっ？ あっ、出た。
＊＊＊＊＊＊＊＊＊＊
「♪盗んだバイクで走り・・・」出さずに
♪「朝から晩まで働いて
夢の中でも働いて
ジジイになった気がした
米寿の夜」
・・・になる未来に笑った。恐ろしや～。
「働き方改革」という言葉を聞いてから、
何年経ったか知らないけど、何が改革
されているか、実はよく分かってないｗ
過労死が起きないようにはなっている
のだろうけれど・・・。やり甲斐ややる気
は奪われているような気もするのよね。
結局「同調圧力」が良くないのだと思う
けれど・・・みんなの意識を変えるより、
何でも一律にしてしまったほうが、楽な
んだろうなあ・・・。働き方を選ぶことが
できて、互いにその選択を尊重できれ
ばいいのだろうけれど・・・。ムズイ・・・。
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