連載再開に当たって、おさらいです♪


メインキャスト&役名
  京子・・・由紀

  敦賀蓮・・・陽平
  村雨泰来・・・祐二
  石橋光・・・航太

  吉田裕美(オリジナルキャラ)・・・絵美
      →由紀の親友




ーーーStory within a storyーーー



私たちのテニスサークルでは、夏の終わりに毎年大会がある。

近隣の大学の幾つかのテニスサークルと組合を作って、簡単だけれどもそれなりにちゃんとした大会だ。

初心者で一年生の私はまだ今年の大会には出られないけど、皆の応援のために来ている。

今は絵美と一緒に祐二さんの試合の応援中ーーー


絵美「由紀、この間ね、、、

……やっぱやめとくわ。」


由紀「えっ!?何?
気になるじゃない・・・」


絵美「引かれるかもしれないもん・・・」


由紀「……?大丈夫よ。だから教えて?」


絵美「・・・・・

この間ね、祐二さんと、

ホテル行ったの……。」


由紀「……………………。

えええええっ!!?」


絵美「しーっ!!」


今は試合中。
絵美は由紀の絶叫を窘(タシナ)めた。


絵美「この間、サークル終わりに残ってた5人でご飯食べに行ったの。
それから、カラオケ行ってー、帰りの方向が祐二さんと二人だけになって、

……それで。」


絵美は真っ直ぐ試合中の祐二を見ながら、由紀に話した。


由紀「え?
じゃあ、付き合うの?

でも、祐二さん……」


絵美「彼女いるね。

付き合わないよ。」


由紀「えっ・・・・」


絵美は由紀に視線を移し、ふぅとため息をついた。


絵美「ね?引くでしょ?」


ふふ、と軽く自嘲した絵美。


由紀「ううん……。引かないけど
……、
いいのかな、と思ってーーー」


由紀は、心配そうに絵美を見つめる。


絵美「ーーー。

良くないわ。でも仕方ないもん。」


由紀「……………。」


そんな複雑な恋愛の経験などない由紀は、
絵美にかける言葉がなかった…。


絵美「ごめんね!由紀……こんな話。

由紀は、ちゃんと付き合ってくれるカレを探しなね?」


少しだけ寂しげな笑顔を見せた。


由紀「………う、うん……。」


絵美は、由紀に向かってニッコリ笑うと、


絵美「祐二さーん!ファイトー!!」


元気に掛け声を掛けた。




*  *  *  *  *  *  *  *  *  *




試合は祐二の勝利。
試合終了と同時に祐二に駆け寄ったのは、
絵美とコトが起きる少し前から付き合い始めたという、
同じサークルの二年生の先輩。

その新しい彼女から、タオルを受け取った祐二さんが、
チラリと絵美の方を見たのか、目が合った気がしたーーー。


絵美「さ!次は航太さんと陽平さんのダブルスよね?
あっちに移動しよ!由紀。」


由紀「………うんっ……!」




*  *  *  *  *  *  *  *  *  *




絵美「ナイスサーブ!!

ねぇ由紀ぃ、陽平さん、
めちゃくちゃ上手いじゃん!
やばぁい♪やっぱ陽平さん格好いい~♪」


由紀は、いつもなら少し呆れる絵美の発言も、
絵美の強がりを感じて、何も言えずにいた……。


由紀(でも………確かに陽平くん、
スゴく格好いいーーー///)


長い手足を優雅に動かして、この厳しい残暑の中でも、
汗一つかいていないという余裕まで感じられるーーー。

由紀と陽平は、バス停前で何時間もお互いのことを語り合った日から、
人知れず度々同じ場所で語り合う日々を送っていた…。

しかし、この大会が終われば、
就職活動を控えた三年生の陽平たちは、事実上の引退。

サークルではほとんど会えなくなってしまうーーー。


絵美「ねぇ、由紀!
航太さんもスゴい上手いよ!格好いいよっ!」


由紀「…えっ?

あ、うん。
航太さん、中学からテニス一筋って言ってたしね。」


由紀は航太とお似合い、と思っている絵美には、
まだ陽平とのサークル帰りの逢瀬のこと、
何となく気になる…から、好きに変わってきていることなど、
まだ何も話せずにいたーーー。


絵美「由紀、航太さんと早く付き合えばいいのに……」


由紀「えっ!?

でも、私っ……」


絵美「あーーーっ!入れられちゃったっ!

ドンマイドンマーーイ!!」




*  *  *  *  *  *  *  *  *  *




航太と陽平のダブルスも、途中点は取られたものの、しっかりと勝利を収めた。

引退試合となる三年生の活躍により、
由紀たちのサークルは、
大会参加8サークル中2位という好成績を修めて終わったーーー。


大会の後片付けをしている由紀に、
後ろから近づく影がーーー




⇒ Intertwined love (21) へ続く


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