今のところ(3.5)に神の降臨はない様子!
そして、(4)は通常です!

前回のお話はこちら
SS 二人だけの花火大会 (3.5)












月明かりだけが射し込むリビングーーー



次第に呼吸のために薄く開いてきたキョーコの口唇の中へ、
蓮はすかさず舌を滑り込ませる。


キョーコの背中に手を回し、文庫結びされた帯を器用に崩していく。


帯が解かれ、緩まったその時ーーー


「っ、待って下さいっーーー」


キョーコが再び蓮の肩を突っぱねた。


「………。

まだ、何か………?」


再び雰囲気を断ち切られ、蓮は少しだけ不機嫌に返す。


「あのっ、………名前っ、

敦賀さんの本名………

教えてくれませんか?」


キョーコは少し躊躇いつつも、懇願の表情で蓮を見上げる。


「え?

名前ーーー」


蓮はキョーコからの思わぬ質問に困惑する。


「その、敦賀さんって、………芸名、なんですよね?

やっぱり………、“そういうこと” をするのに……、
名前も知らない……っていうのはーーー」


眉根を寄せて、潤んだ瞳で蓮を見つめるキョーコ。


「ーーーあぁ、そうだね。

気が利かなくてごめん……。


確かに、“敦賀蓮” は、芸名……だよ。」


キョーコは、ずっと気になっていた蓮の本名がいよいよ聞けるのかと思うと、息をのんだ。


「どちらにしても、君にはいつか話そうと思ってた。

でも、俺の本名、聞いたらびっくりするよ?」


蓮はクスクスと笑う。

それに対してキョーコは………


(びっくり!?
やっぱり………イメージに合わない、変な名前とか………

どうしようっ、聞くのは恐いけど、

これでとうとう、私は敦賀百万石にっーーー!!)


妄想からキラキラした目で蓮を見るキョーコ。

何か変な期待をされているなーーーと躊躇う蓮。


でも、意を決してーーー


「ーーー久遠ヒズリ。」


「え?」


変な名前を妄想しすぎて聞き取れなかったキョーコ………


「あの、もう一度………」


「………久遠、ヒズリ……。」


??

どこかでーーー


「ーーーくおん?

クオン………


ええっ!?まさかっ、久遠ーーー!?」


蓮は、こくこくと頷く。


「え?えっ?

それに、ヒズリって………


まさかーーー」


「………その、まさか。

ごめんね?黙っていてーーー」


「えええええぇぇぇぇぇぇっっっっ!!!??」



月明かりの綺麗な夜空に、キョーコの叫び声がこだまする。





* * * * * * * * * *





どういうことですかっ!?

とのキョーコからの詰問に、蓮は日本に来ることになった経緯から、丁寧に説明をした。


月明かりだけのリビングで、二人ソファーに並んで座り、

リックの話まで、包み隠さず総てをーーー



キョーコは、止めどなく溢れる涙を拭うこともせず、必死に蓮の言葉を聴き入れた。





「ーーーごめんなさい………、

軽々しく聞いたりしてーーー」


キョーコは、目を真っ赤にして下を向く。


「ーーーいや、いいんだ。

君にはいつか、総てを話そうと思ってたからーーー」


そう言いながら、優しく両手でキョーコの頬を包み込み、涙を拭う蓮。

そのまま自分の方を向かせ、


「もう一つ、話さないといけないことが、あるんだけどーーー」


「ーーー何ですか………?」


蓮に両手で頬を包み込まれたまま、
涙に濡れた瞳で蓮を真っ直ぐに見つめるキョーコ。


「……………。

それは、今度でも……いいかな?」


「ーーーえっ………」


「今度のオフに、二人で旅行に行こう?

そうだなーーー


行き先は、京都が………いいかな……。」



「え………京都ーーー」



「そこでまた、改めてゆっくりと話そう?


今は、このまま君に、キスしたいーーー」



「ーーーーーー/////」




⇒ SS 二人だけの花火大会 (4.5) へ続く

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ごめんなさい、まじんさま(((゜д゜;)))

蓮サン、もう、我慢の限界がーーーっ!

コーンまでは行けませんでした…。