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Intertwined love (3)










ーーーStory within a storyーーー





翌朝ーーーー


由紀「あれ…?」


絵美「もー!由紀ぃ!
  昨日何で戻って来なかったのよー!」


由紀「絵美……
  あ、…………そっか、私……」


絵美「トイレ行くって出たまま戻らないから、心配して探したら、部屋に戻って寝てるんだもん!」


由紀「あ……。ごめんね。」


由紀はまだぼーっとする頭で思い出しながら、心配したという絵美に謝った。


絵美「ねぇ由紀……?目、腫れてない……?」


由紀「えっ……、あーうん……、寝過ぎた……からかな?」


えへへと誤魔化す由紀に、絵美は疑問に思いながらもそっとしておくことにした。


絵美「もー……、先に滑りに行ってるよ?
  由紀も着替えたらおいでね?

  あと、朝ごはん!バイキングの時間も終わっちゃったから、ホテルの人にお願いして、少し取り分けておいてもらったからね!
  ちゃんと食べてから来るのよー?」


由紀「うん、分かった。ありがとう。」


にこりと笑みを見せた由紀に安心した絵美は、部屋を後にした。



*  *  *



遅めの朝食と着替えを済ませた由紀がゲレンデへ出ると、ちょうど航太と会った。


航太「由紀ちゃん!……おはよう。」


由紀「おはようございます。
  あれ……みなさんは……?」


航太「いやー、オレ昨日飲み過ぎちゃったみたいでさ!
  起きたら誰もいなかったんだー。」


あはは、と笑う航太に由紀も、


由紀「私も寝坊です。一緒ですね。」


ふふっと笑った。


航太「じゃあ、一緒に滑りに行こっか!」


由紀「はいっ!」



*  *  *



遅めのスタートだった由紀と航太は皆とはすれ違いになり、結果二人で滑りを楽しんでいた。

そのまま昼食でも由紀は絵美と合流できず、航太と二人で遅めの昼食をとっていたとき、離れた席に座った陽平を見つけた。


由紀「………ぁ。」


由紀の様子に気づいた航太がその視線の先へと目を向けると、
陽平の向かいの席に真理奈が座るのが見えた。


航太「あれ?珍しいツーショットだな……。」


由紀「……………。」



何も言わず、ただ離れた席の二人を見つめる由紀。

航太は、そんな由紀の様子の変化に気づいた。


航太(もしかして……由紀ちゃん………)


航太「……ねぇ、由紀ちゃん?

  もう一度、滑りに行かない?」


航太は由紀に優しく微笑むと、


由紀「あっ!………はい。

  …そうですね……。

  行きましょう。」


何とか笑顔を作って、食べ終えた食器を返却しに行く。

そのまま航太と由紀が食堂を出ていくのを、今度は陽平が見つけた。


陽平(……………。あの二人、また一緒にいるのか………。)



*  *  *



リフトに並びながら、ずっと無言の由紀の横顔をそっと盗み見る航太。


そんな時、はらはらと雪が降り始めた。


航太「…ちょっと降りだしたね。
  どうする?やめとく?」


由紀「えっ!?あ、ホントだ……。

  でも、まだこのくらいなら……。

  一滑りしてからまた様子見ませんか?」


航太「そうだね。そうしようか。」


笑顔を見せた由紀に航太はほっとして、順番のやって来たリフトに乗る二人。


雪が舞い降りる中、静かに登っていくリフト。


気を遣ってか、航太がポツリ…ポツリと当たり障りのない会話を振るも、
それでもやはり由紀はどこか上の空で……。



航太の中の疑惑は、次第に確信に変わりつつあった。


航太(やっぱり、由紀ちゃんの好きな人って………。)


胸の奥がキリキリと傷む航太。



またその時の由紀は……、


由紀(………もしかして陽平くん、真理奈さんとよりを戻した……とか………?

でもあの二人………あぁやって一緒にいると、すごくお似合いだったな……。

私みたいな子どもじゃ、やっぱり無理…なのかも………。)


昨夜泣き腫らした目からまた雫が溢れんとしていた。


そんな由紀の様子をリフトに並んで座りながら、ずっと見ていた航太はーーー





航太「由紀ちゃん………」



由紀の名前を呼びながら、リフトの中央に置かれた由紀の右手に、そっと自分の左手を重ねる。



由紀が驚いて航太の方へと振り向いた、




その時ーーーーーー





……………チュ……






由紀「えっ………」



驚いて目を見開いたままの由紀。



航太「………ごめん。

  オレ、まだ由紀ちゃんのことーーー

  オレじゃ、ダメ……なのかな?」


由紀「航太さん……………。」




⇒ Intertwined love (33) へ続く


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ホント、注意書なく次々とすみませんです……(。-人-。)
演技ですし、何卒ご勘弁を…( p_q)