ネタ帳を眺めていたら、この話に続きがありました!!(゜ロ゜ノ)ノ
でも自分メモで『オチが弱い』って書いてあった通りにオチがないんですが……(;・∀・)
よければお付き合い下さい♪

⇒ SS そして時は流れる(前編)
の続きです(*´ω`*)












俺は動き始めたリックの腕時計を見て、再び涙していた。

そんな俺の様子を皆が静かに見守ってくれていた時……


「なぁ、クオン。
お前に逢わせたい人がいるんだけど、ここに呼んでもいいか?」


「え……?ああ……。」


とりあえず肯定の返事をした俺は、思い当たる人物がいないかを考えた。

リックは父さんに目配せをすると、父さんは頷いていた。


“俺に逢わせたい人” を呼びに行ったリックと父さんの背中を見ていると、隣でキョーコが俺の手を取り、


「良かったですね……。」


動いている腕時計を見て、ふわりと微笑んだ。



戻ってきた父さんとリックに続いて入ってきたのはーーー


大人の女性と小学生くらいの男の子…………


そして、入るなり女性が突然泣き出した。


「ごめんなさいっっ!クオンーーーッ!!」


両手で顔を覆ったその女性は、当時から既に大人びてはいたが、それより更に大人の女性になっていて直ぐには気づかなかった。

でも、その涙声には聞き覚えがあったーーー


「…………ティナ…………?」


リックの方を見ると、大きく頷いた。


当時の事故の記憶が一瞬にしてフラッシュバックし始め、目の前が真っ黒になりかけた時ーーー


ぎゅっ……!


キョーコが俺の手を強く握ってくれた。



「ごめんなさい、クオン……
私っ、貴方に酷いことをーーー!!」


リックに肩を抱かれ背中を擦られながら少しだけ落ち着いてきたティナは、大きく息を吸い込んでから話し始めた。


「あの時は…………
リックから流れ出た血の量の多さにパニックになってっ……
そのっ、……リックはもう、駄目かと……

それで、私っーーー!!」


返事もできないままに立ち尽くす俺の手を再びキョーコが強く握る。


「あの後貴方が大変な状況になっていたって……知ったのは、一年以上経ってからで……
その時はすぐにでも謝りたかったけど、日本で別人として生活をしてるって聞いてっ……!

本当に “クオン” はいなくなってしまったんだわ…………って!!」


あぁーーーそうさ。

俺は、ティナに言われた通り、“クオン” をなくした。

それで、社長に新たな命をもらって、別人として日本での生活を始めたんだーーー。


「“クオン” が本当にいなくなってしまったのは、私のせいだってーーー!」


泣き崩れたティナに代わって、父さんが口を開いた。


「久遠、ティナはね、お前のことを知ってから、すぐにうちに謝りに来てくれたんだよ。

でも、ティナのせいなんかじゃない。
もとはといえば、俺たちがきちんとお前と向き合ってやれていなかったことが原因だから、と。

あんなことになる前に、お前を救ってやれなかった……
本当にすまなかった、久遠。」


あんなことーーー


「それは違いますよ。」


父さんの言葉に反論したのは、俺の手を握ったままのキョーコだった。


「先生が久遠さんを日本へ送り出して下さったからこそ、私と久遠さんが再び日本で出逢えたんですから。」


ーーーーーー!!


そう言ったキョーコの強い眼差しに、俺はまた救われた。


「そうだね……キョーコ。

ティナ、もういいんだ。」


俺はキョーコをチラリと見ると、頷いたキョーコが俺の手を離して、そっと背中を押してくれた。

そして俺はティナに手を差し伸べた。


「…………クオン…………」


これまで考えもしなかったが、ティナも俺と同じように、ずっと苦しんでいたのだろう……。
そう思うと、もっと早くに帰ってきたら良かったのかな、とも思った。



「ところで、ティナの隣の小さな彼は……?」


「ああ、俺たちの息子さ。
事故の翌年、俺たちは結婚したんだ……。」


「そうか……良かった!
おめでとうっーーー!!」


俺はリックと抱き合った。


良かった。本当に……!
ちゃんとリックもティナも幸せな未来を歩んでいてーーー


「さぁ!それじゃあ改めて皆でパーティーしましょう♪」


母さんが張り切ってキッチンへ向かう後ろに、キョーコが付いていった。



「なぁ、クオン。
俺たちの話ばかりだったけど、
あの彼女はーーー」


「ああ、俺のフィアンセのキョーコだよ。」


「ふぅん…………」


ニヤニヤとしているリック……
何となく言いたいことが分かる…………


「いつもフラれてばっかだったお前に、ちゃんとした彼女が出来るなんてなぁ!」


「おい、リックっ…………///」


「今度こそ捨てられないように、ちゃんと幸せになれよっ!

俺たちみたいに……。」


そう言ってティナと息子の肩を抱いたリック。

本当に絵に描いたような幸せそうな家族で、俺の心の闇はゆっくりと溶けてなくなっていくのを感じたーーー。





* * * * * * * * * *





その日の夜。

俺の部屋のベッドでキョーコとゆったりとした時間を過ごしていた。


「今日はたくさんのことがありましたね。」


「ああ、そうだね……。
キョーコ、疲れてない?」


「大丈夫ですよ。」


ふふふと笑うキョーコがとても可愛いけど、今日はやっぱり疲れているだろう。

ここは我慢だーーー


「リックさんとティナさん、幸せになっていて良かったですね。」


「うん。良かった、本当に……。」


「だから久遠さんは、私と幸せになりましょうね?///」


ーーーっ!?///

だめだっ!!
可愛いっっ///


「キョーコ……っ!!」


「きゃぁっ///

だっ、だめですよっ!
先生もお母様もいらっしゃるのにっ!///」


「部屋が離れてるから大丈夫だよ。」


「で、でもっ///」


「俺も……子どもが欲しい……。」


「え……///


まっ、まだ婚約中ですよっ///


だめですって///



だめっ///




あっ……ん/////」




日本へ帰国後、直ぐに籍を入れ記者会見をした二人。


翌年、可愛い女の子が誕生したとかーーー

しないとかーーー?

いや、したんだろうな(笑)




今度こそFin.


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あははー。ごめんなさいね(* ̄∇ ̄)ノ

私にしては珍しくシリアスだったし、オチ、オチ、、と思いながら書いていったらこんなことに(笑)

楽しんで頂けましたでしょうか……(;><)←久しぶりだと色々不安(笑)