☆アメンバー100人記念☆
風月さまよりリクエスト
『カメラマン蓮様とグラビアキョーコちゃん』のお話♡












「お、来た……。

ほら、あれ。
俺の女。」


「まじっすか!
って、あれ “京子” じゃないっすか!!
俺、写真集持ってるっすよ!」

「俺も俺も!
まじイイっすよね!あの写真集!
てことは尚さん……あの “京子” の身体を知ってるってことっすか……」

「うわっ、羨ましすぎるっ!
で?どーなんすか?“京子” の生肌……」

「おいっ、もう来るって……」


「おぅ、キョーコ。
ご褒美のこと、忘れてないだろうな?」


爆発的ヒットとなった写真集 “京子” を受けてオファーの押し寄せているキョーコは、スタジオ収録のため訪れたテレビ局内で、後輩バンドのメンバー達と談笑していた尚の前を通りかかった。


「何のことかしら……?
それに、…………どちら様?」


キョーコは素知らぬ顔で通りすぎた。
がーーー


「おいっ!待てよ!

何のマネだ!?」


キョーコを追い掛け、尚がその腕を掴む。


「何よっ!?」


キッと睨み付け、敵意を顕にするキョーコに一瞬怯む尚。


「っ!?
キョーコ、お前……。
約束通りご褒美やるから……来いよ……俺んとこに……」


「はぁ?
ご褒美なんてもう欲しくも何ともないわよ……。

アンタなんてもうこっちから願い下げよ!」


そう言い放ち、掴まれた腕を勢いよく振りほどいたキョーコ。


「……っ!!」


初めて浴びせられるキョーコからの罵声に言葉を失う尚。

するとーーー


「キョーコ……?」


二人の前方から現れたのは……


「っ……!蓮っ……!」


尚に向けていた敵意はどこへやら、花のような満面の笑みに変わったキョーコが蓮の腕の中へと飛び込んで行った。


「なっ!?」


突然現れた自分より長身の、自分より脚の長い、自分よりーーー
な男が現れ、尚は驚きを隠しきれないでいると……


「収録が終わってもなかなか戻って来ないから心配したよ、キョーコ?」


「ごめんなさい、蓮。
行きましょう?」


二人のやり取りを見て、尚は何かを思い出した。


「れん……蓮……?
敦賀蓮かっ!?
キョーコのエロい写真撮りやがったカメラマンーーー!!」


キョーコの腰を抱いて立ち去ろうとしていた蓮が振り返ると、尚のことを上から下まで眺めた後……


「……ふっ。」


と不敵な笑みを浮かべた。

それだけで己が虚仮(コケ)にされたと感じ取った尚は、わなわなと震え出す。


「~~~~~っ!!!

こんのエロカメラ小僧がっ!!
ムダにゴージャスター気取りやがって!!

キョーコもキョーコだっ!
地味なお前が着飾って化粧までしやがって!!

おまけにっ……こんな顔だけヤローにコロッと騙されやがって……!!」


ぎゃんぎゃんと廊下で叫びまくる尚を尻目に、蓮とキョーコは颯爽とその場を立ち去った。


「尚さんっ!」

「落ち着いて下さいっ!」

「人が来ますって!」



* * *



その後も世間で話題となっている写真集 “京子” の第二作を撮り下ろすこととなったキョーコは、蓮と共にまたいつものビルの一室のスタジオに来ていた。


「よっ!久しぶりっ!」


キョーコが撮影の準備のためテンによるメイク中にスタジオに現れたのは……


「あぁ、貴島くん。
久しぶりだね。」


「キョーコちゃんの、もう返済終わったってウチの社長から聞いたよー。」


結局キョーコが尚に押し付けられた借金は、写真集の売り上げで足りない分を蓮が手助けし、早々に返済し終えたことで利子もそこまで取られることもなく完済した。


「あぁ、良かったよ、無事に済んで……。」


蓮もこれでキョーコと尚を繋ぐものがなくなったと、ほっと胸をなで下ろす。


「敦賀くんってば、自分のことみたいに言うのな?」


ニヤリと笑う貴島に、まずいと感じた蓮は何食わぬ顔で撮影準備を続けた。

しかし、そんな蓮の後ろからガシッと肩を組んだ貴島は、


「なぁ?前に俺が渡したアレ、役に立った?
ねぇ、立ったんでしょ?
たっ……」


ギロリと貴島を視線だけで射抜く蓮。

貴島は深追いせず組んだ肩をするりと外すと、おもむろに蓮のカメラを手に取る。


「ねぇねぇ、敦賀くん。
キョーコちゃんって、ヌード撮影だったはずだよねぇ?
なんで完成した写真集にヌードが1枚もなかったの?
撮ってないってことないよね?
データはあったりするんじゃないのー?」


勝手に再生ボタンを押す貴島から、さっとカメラを取り上げた蓮は、


「残念、貴島くん。
ここにはないよ?」


キュラリとした笑顔でカメラをかざした。



* * *



写真集の第二作も無事に撮り終え、蓮のマンションへと戻ってきた二人。


「明日から私……これを着られるのね……」


キョーコは、クローゼットにかけられた高校の制服を手に取った。


「今、着てみたら?」


蓮がキョーコの後ろから抱き締めるように身体を密着させ、制服へと手を伸ばす。


「え?今?」


「うん、撮ってあげるから。」


そう言われるがままに制服に着替えたキョーコは、カメラを構えて待つ蓮の前へ満面の笑みを携えて現れた。


「えへへ。どうかな?蓮……」


カシャ

カシャ


「可愛いよ、キョーコ。
よく、似合ってる。」


「うふふ、ありがとう。」


カシャ

カシャ


「ねぇ!すぐに現像してっ、蓮!」


嬉しくなったキョーコは、そのまま蓮の手を引いて暗室へと誘う。


「えっ?ちょっ、待って!キョーコちゃんっ……」


カチャッーーー


暗室の扉を勢いよく開けたキョーコだったが……


「…………っ!!?
キャァァァァッッッ!!/////

いぃぃやぁぁぁぁぁぁっ!!/////」


一瞬にして顔を真っ赤にさせて、その場に腰を抜かした。


「クスクス……、見つかっちゃったか……。」


特に悪びれもしない様子で嗤う蓮に、キョーコは腰を抜かしたままはくはくと口を動かしている。


「こっ……///これぇっ///」


恐る恐るキョーコが指差す先には、吊るされた沢山の写真。


「これ?もちろん全部キョーコちゃん。」


「~~~~~っ/////

蓮の破廉恥ぃぃぃっっっ!!!/////」


キョーコは勢いよく立ち上がるとその場を走り去った。


キョーコが恥ずかしさから逃げ込んだ先は、寝室のベッドの上。
うつ伏せに寝転んで顔を両手で押さえて悶えている。

するとキョーコを追い掛けて来た蓮が、優しくキョーコに覆い被さり、


「ごめんね?
びっくりした……よね?」


つむじに優しくキスを落とす。


「……っ、わ、私のっ///
 あんな写真ばっかりっ、しかもあんなにいっぱいぃ……///」


自身の恥ずかしい写真をこれでもかと飾られていたことにショックを隠しきれないキョーコは、ぐすぐすと顔を枕に埋めている。


「でも、俺の宝物だから……ね?許して?」


蓮は背中をなでながらキョーコの様子を伺う。


「……たから……もの?」


キョーコはようやく顔を上げた。


「そう、キョーコの全てが俺の宝物。」


蕩けるような笑顔でキョーコを宥める蓮。

チュッと軽くキスをして、キョーコの体勢を仰向けに変えさせると、そのまま優しく唇を重ね合わせる。

するとゆっくりとキョーコの制服の中に侵入してくる蓮の掌。


「んっ///」


「ごめん、ちょっと待ってて、キョーコ。」


途中で止めた蓮は、カメラを手にして戻るとーーー


「制服を脱がせていくってのも、またいいよね……」


カシャ

カシャ


「もぅっ///
蓮の破廉恥っ///」



今日もまた、二人の密室での写真撮影は行われるのであったーーー。




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Fin.