裂肛(切れ痔)の治療には良い排便が一番大切という話まで語りましたから、この辺りでまた「いいおしりにはいい排便ね」を確認してもらう必要があると思うので。
特に
【29】「まとめ」
http://ameblo.jp/proctnao/entry-10188600926.html
あとは、できれば
【8】いい便とは
http://ameblo.jp/proctnao/entry-10166736589.html
【9】
http://ameblo.jp/proctnao/entry-10167402574.html
【10】~【12】
http://ameblo.jp/proctnao/theme7-10011278281.html#main
のところを読み返していただきたいと思います。
で、良い便なら治るはずの切れ痔ですが。
繰り返せば慢性裂肛になり、治らないところまで育ててしまうと手術をしなくてはいけないことにもなります。
その基準は、
①裂肛の形
急性裂肛は、紙でうすーく皮膚を切ったような形をしています。キズの幅はほとんどありません。
慢性化すると、幅が広くなり、キズも深くなっていきます。
②治りやすさ
急性裂肛では、排便が良くなれば3~4日で治ります(ただし排便が悪ければまた切れます)。排便が良くなったのにぐずぐずと治りが悪くなると「慢性化」してきているということです。
③裂肛部の周りの変化
急性裂肛ではキズは線のようですが、何度も切れるのを繰り返すとキズが幅広になり深くなる。でも、カラダは何とかそのキズを治そう治そうと頑張っているわけで。
そうすると、キズの周りに、だんだんと「肉」が盛り上がってくるんですね。
その、盛り上がった肉が肛門の中へ出っ張るのを「肥大乳頭」といいます。また、これが大きくなり肛門の外へ排便の時などに出てくるようになると「肛門ポリープ」という名前で呼ばれることもあります。
また、肛門の外へはみ出してきたものを「見張りいぼ」と言います。
※この、「見張りいぼ」や「肛門ポリープ」をよく、「いぼ痔がある」と思っている方がいらっしゃいますが、厳密に言えばこれは裂肛からできた肉ですので、『痔核(いぼ痔)』ではありません。
④肛門括約筋の緊張
裂肛を繰り返すと、排便をする時に、「また痛いんじゃないかな」「また切れそうだな」という恐怖感がでてきます。自分でもおしりをあまり拡げないようにそーっと排便するようにしたりするようになる。で、肛門も、その緊張を受けてなのか、だんだん括約筋が緊張し、締まっているときの内圧(締まる力)が高まる傾向にあるようです。そうなると、便が肛門まできているのに、緊張して肛門がうまく開かなくなってしまい、そうなると前なら切れなかったくらいの固さの便でも切れるようになり・・・だんだん、便はいい状態なのに、切れ痔になるようになります。
⑤肛門狭窄
裂肛が慢性化し、周りに「肛門ポリープ」や「見張りいぼ」ができると、その部分というのは「肉」で固いですから、伸びないんですね。で、伸びないところがあると、肛門自体が狭くなるんです。加えて、肛門括約筋が緊張し、開きにくくなる。
ですから、肛門が狭くて排便しにくく、便がきても拡がらないという「肛門狭窄」と言われる状態まで裂肛を育て上げちゃうと、もう排便がとってもしにくいですから、『手術』をして、もっと排便しやすいおしりにしなくてはいけなくなってしまう・・・・のが、裂肛全体の5%程度だと言われています。
はい、正解、ななにゃん。
・・・・そういうことなんです