皆さん、好きなTV番組ありますか?
毎週、欠かさず観ている、あるいは録画している番組。
僕は結構あります。
ふだん、TVつけないのですが、食べるときや就寝前に撮りためたものを流しながら寝てしまいます。
よく見るのはお笑い系、ドキュメント、洋画、仮面ライダー(笑)、そして為になる番組です。
中でも『なんでも鑑定団』や『美の壺』は、興味深い内容の時は保存して繰り返し観ます。
元来、アンティークが好きなんですね。
そして、数年前から欲しいなぁと思っていたのが『萩焼』。
20代~30代は備前や信楽といった釉薬のかかっていない焼き物が好きでしたが、萩の暖かみのあるカップでコーヒーを飲むのに憧れていました
萩焼とは山口県の焼物。
戦国時代、茶道がもてはやされた時に朝鮮茶碗(高麗茶碗)を模して制作された焼き物の一つ。当時の大名、毛利輝元が関ヶ原で敗北、領地を今の山口県の大きさに減らされるも、この焼き物だけは庇護したという話が残っています。
数ヶ月前。NHKの番組、『美の壺』にて萩焼の紹介がされていたのをキッカケに、探して見ると、奇跡的に一脚だけ、手頃な値段で心打つカップを発見!
それがこれ。
『萩の白かいらぎ』もしくは『休雪白』ともいいます。
かいらぎとは厚塗りの釉薬が溶けきる前に釜の火を止め、未完成?失敗?の様に地肌が見え隠れしている技法です。ゆえに唯一無二です、
萩独特の高台。切れ目が入っています。これは朝鮮神器の名残で今は陶工の銘的に使われます。あえて切らない人も居るとか。。。
一杯目。早速スタジオにて頂きます。
生徒さんには洗いものの負担を減らす為、プラスチック製のカップで飲んでもらってますが、何人かにこのカップで勧めると。。。
不思議ですね。
本当に器で味が変わるような錯覚にとらわれます。
そして萩焼にはあと二つ楽しみな事があります。
『貫入(かんにゅう)』と『萩の七化け』
これが届いた時の地肌。
滑らかで白く綺麗です。
何度かコーヒーを飲むと。。。
ひび割れ、しかも中身が漏れてるー!
これが貫入です。萩焼に使う土と釉薬に秘密があります。
萩の土は『砂』を多く含んでいます。
陶工によっては砂だけこしとり、割増に混ぜる人も居ます。
陶芸を体験した人なら分かると思いますが、焼くと作品が半端なく縮みます。土の種類にもよりますが、7割位になるでしょうか?陶工はそれも計算して作品を作ります釉薬ももちろん縮みます。ですが萩焼の場合は砂を多く含む分収縮率が釉薬の方が大きくなり結果、釉薬の方が一回り小さくなり、引っ張りあって亀裂が入るしくみ。
萩独特の砂が多い土なので釉薬の割れ目から侵入した水分が軽々と土を通り抜け、外側の釉薬の切れ目や見えている地肌から染み出てきます。
もちろんフィルターの様に目詰まりしてそのうち漏れは止まります。
そのひび割れに侵入した茶渋やコーヒーの成分がひび割れに残り『景色』になります
『貫入』も『萩の七化け』のひとつですが本来は地肌の淡いアイボリーが使用年度を増すごとにピンクやオレンジ、時には寒色に変化して行く様を言います。
僕の『かいらぎ』はたっぷり釉薬がかかって居るので、七化けはあまり期待出来ませんが
使って一週間。
漏れが止まり、貫入も鮮やかに
早速美味しいコーヒーを点て。。。
アヒルを離し、デッキで日向ぼっこ
さて、今日はどんなレッスンをしようかなぁー!
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