『おりん』なるもの。 | ゆきのブログ

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おりん。。。

そういう名前だったんですね。



『チーン』するやつ。。。

くらいの認識しかなかったです。

こちら。


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そう、仏具になりますね。





オバァの49日を終えて、しばし実家が留守になります。実家には仏壇がありますが、お線香をあげてくれる方が居なくなるのでオバァの遺骨と遺影を根来宅に連れてきました。


うちの宗派は、花瓶、ロウソク立てはそれぞれ一つずつあれば良いらしく、なのに花瓶もロウソク立ても一対ずつあるので、それぞれを拝借。
線香立ては購入するまでの数日間は自宅にある香炉で代用出来ますが流石に『チーン』は無い。形的には食器ボールかウドン碗、音的にはケトルの蓋が一番近かった 笑
しかし、これはバチが当たるなと思い、購入する事に。。



調べるとオシャレなのがわんさかあります。{6EB0A86C-F0BB-4EF1-89B7-B5B576EB7D40}
でも、僕がチョイスしたのは真逆の王道。





寺院仏閣用のおりん。


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なんと口径が1尺(30センチ)、胴回りはそれ以上になります。


まず、断言出来ますが、ご家庭には無いサイズです。

半心オバァをビックリさせたい?笑


ご覧の通り、年代物なので、痛み、凹みがあります。
おざぶもくたびれてますね。




なのでお得意のリペア!







先ずは耐水ペーパーにて古い塗料を剥がします。

どうやら前の持ち主の住職は古くなって来たので自分で塗り直したのかな。。細部が雑でした。


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ペーパーがけをして古い塗料を剥がすと同時に新しい塗料を乗りやすくします。


そして新たに朱色を刷毛塗り。


乾かしては塗りを3回。
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完全に乾いたらラッカーニスをスプレーします。



が、ここでうっかりミス。


いくらスプレーしても艶が出無いなぁと思いながらも垂れ無いように乾いては塗りを繰り返し丸々一本吹き付けましたが、、、、


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確認すると、『つや消し』でした(>_<)


気を取り直して、艶出しニスを買いスプレーしましたが、つや消しの効果が微妙に効いていてピッカピカのテッカテカにはなりませんでした(>_<)



乾いてから金継ぎで覚えた漆を塗り金粉にて装飾

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乾かして、余分な金粉を洗い流して完成!


どうですか?
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ついでに革も硬くなり、塗料も剥がれていた『おりん棒』もリペア。
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塗料を塗り、革を購入して圧着。
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微妙なカーブなので、剥がれてこないよう紐で縛り乾くのを待ちます。
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半日寝かせて。。。


出来ました。
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次はおりん本体。
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古くなった保護膜塗料を剥がします。
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ひたすらこすります。





よく水洗いをして、しっかり乾燥させて、穴あきが無いかチェック、凹みを内側から叩いて修正。

素材は真鍮なので、仕上げは管楽器にも使用されるギターのボディコーティング剤を塗り込み、新調したおざぶに乗せます。









結果、見違えるほど立派になりました。
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『カルマリャマ』のステッカーはご愛嬌。

そうそう音色は、『チーン』なんてもんじゃ御座いません。
ピアノ鍵盤の右と左の差くらいあります。
おりんが大きくなるばなるほど『鐘』ですね。

もはや実家の仏壇のおりんがオモチャに見えます。


今回、この一連のリペア作業を自宅とスタジオで行ったので、数日はおりんや、おりん台を持ち歩いての出勤。さどや怪しかったでしょうね。笑


ただ、このおりん、スタジオに置いていても違和感が無いんです。





結果。。。





この子はスタジオ用?になり後日、もう一回り大きい1尺1寸のおりんをオバァ用に購入し、二個目のおりん磨きが行われました。





後で作法や所作を調べて分かった事なのですが、基本的にはおりんを鳴らすのは、『今から読経しますよ~』って意味らしい。。。
2つも買ったのに、『チーン!』どころか『ガーン!』やわ。

ま、必要だったんでしょうな。。。


オバァ、鳴らすだけですまん(>_<)


その代わりいっぱい鳴らすから許してね!
きっと迫力のある音色にオバァもビックリ苦笑いやろな。

こちらの動画はリペア終了後、2つのおりんを共鳴させてみました。共鳴させるとスタジオの空気が震える感じでした。

セビージャ大聖堂の釣鐘には遠く及びませんが連続して鳴らすと何やら西洋の鐘みたいにも聞こえます。