先週はヨガスタディオで生理学の講義をさせていただきました。
その中で質問を頂いたことのお答えを書いておきます。

 おかしな夢見るのは?夢に意味があるの?

 夢では常識で考えられないこと、空が飛べたり、海中を旅したりすることが出来ます。
崖に追い詰められるとなぜか空が飛べる気がして、崖から飛び出してそのままピーターパンのように空を自由に飛んだり出来ます。

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 脳では命令を出す場合、前頭葉へ情報が集められ、過去の記憶・価値感と照合されて“正しい”命令が下されます。
 崖に追い詰められても、空を飛ぶことが出来ないことは知っているので、崖から飛ぶことではなく他の方法で逃げることを命令します。
 でも寝ているときはこの前頭葉の働きが遮断されているので、記憶、価値観・常識からかけ離れたこと、常識はずれのことを見過ごされ命令されてしまいます。
 なので、空を飛べるのです。

 運動神経への命令系統は遮断されているので実際にジャンプしてしまうことはありません。
 ただ運動神経への命令が遮断されないこともたまに起きて、これが”夢遊病”と呼ばれる症状になります。
 覚醒しているのに運動神経への命令が遮断されていると、“金縛り”とよばれ、体に動くように命令を出しても体が反応しなくなります。

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 さて夢に意味があるのか?
 19世紀後半から活躍した精神科医のフロイトが夢は抑圧された欲望が発露するものだとして夢判断をしてから夢から潜在的な欲求が解るとする考えがありました。
 夢は前頭葉の価値感・常識の支配を離れているのである意味フロイトのいう“抑圧からの解放は”一部は正しいのですが、欲望を抑えるだけでなく、やりたくない気持ちも抑えるため、いやなこともやってしまいます。
 ですので夢の中でやったことがやりたいのに抑制されていたのか、本当はやりたくないことをやってしまったのかの区別はつきません。
 夢判断は当たるときもあり当たらないときもあるという、血液型占いのような娯楽として考え、あまり真剣に考えないほうがいいかもしれません。


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