腹立たしい… | 助産師yumiの転勤族暮らし

助産師yumiの転勤族暮らし

転勤族、子供3人、片づけられず、片づかない部屋にイライラ…。
ライフオーガナイズを学んで、自分にも家族にも優しいお片づけができるようになりました。
フランスで学んだガスケアプローチを広める活動もしています。

テレビをつけると、
"病院たらい回し"  "受け入れ拒否" “80軒断られた"の文字が。

いつもいつも、不満が医療従事者に向かってくる…

病院だって、好きで受け入れないわけじゃない。
ベッドの空きがなかったり、
そもそも感染症に対応できる病院でなかったり、
対応できるスタッフが確保できなかったり、
受け入れられないんです!!

こんな未曾有の事態の時に、夜9時のNHKニュースでも受け入れ拒否とか報道してる。

それをみていた夫が
「えー、80軒も?そんなん、救急車で行っても助けてもらわれへんってこと?ありえんな。もう、死ぬしかないん?」
とか言いました。

あまりに腹が立ったので、どうして受け入れられないのかを説明してあげました。

◎医療従事者もコロナに感染してる人が出てきていること。
◎職場での濃厚接触者もおそらく自宅待機となり、少ないスタッフで日勤と夜勤のシフトを組まなくてはならず、外来も救急の受け入れも縮小せざるを得なくなっているだろうということ。
◎リタイヤした看護師や他の部署からの応援で全てを回すことはできないこと。
救急の看護師は救急のエキスパートであり、高いスキルが求められるため誰でも代わりができるわけではないこと。
◎感染症を扱うベッドは限られていて、人工呼吸器を増やせばいいわけでも受け入れる施設を作ればいいわけではなく、マンパワーも倍必要であること。簡単にできることではないこと。
◎そもそも慢性的に人手不足なのに、みんなギリギリでやっていること。疲弊して辞めていっている人もいること。

元々私の仕事に興味がない人ですが、
そう言ってもらわないと、なんで受け入れられないのかわからへん。と納得してくれました。

私が周産期センターで働いている時もそんなことがありました。
母体や赤ちゃんに何かあった時、大きな周産期センターに搬送します。
でも、NICUのベッドの空きがあっても、産科病棟の空きベッドがなければ受け入れられません。もし、受け入れて超未熟児が産まれそうになったらまた搬送するなんてことはできない、母体に何かあったり手術が必要になった時にいつでもできる状態じゃなければ受け入れられないんです。
それを断ると何も知らない人は、たらい回しと言う。
今はどこの県も産科救急搬送システムが確立されていて、空き状況がシステム上や基幹病院で確認できたり、無駄が少なくなりました。県をまたいで搬送することは少なくなりました。

どの施設だって、断りたくて断っているのではないのです。
医療従事者であれば、誰だって救いたいという気持ちで働いています。

たらい回し、受け入れ拒否って、一生懸命医療にたずさわっている人にとってはすごく悲しい言葉です。もっと報道の仕方ってあるはず。


外来で待ち時間が長くなり、罵声を浴びせられたり、詰め寄られたり、怒鳴られたりも、結構よくあります。

そして、チェーンメールも。



ギリギリの気持ちで頑張っている人たちを傷つけないでほしい。

そして、どうかおうちにいてください。